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人口に関しての面白いニュース

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だいぶ旧聞で恐縮ですが、朝日新聞に、トルコの首相の面白い発言のニュースが報じられていました(魚拓)。

>トルコ大統領「避妊は国家反逆罪」 結婚式で演説

イスタンブール=春日芳晃

2014年12月23日17時49分

トルコのエルドアン大統領は21日、避妊は「国家反逆罪」と発言した。同国主要紙やロイター通信などが22日伝えた。1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数を示す「合計特殊出生率」は、トルコでは30年以上にわたって対前年比減となっており、同氏の発言はこの状況を危惧したものとみられる。

 主要紙ヒュリエットなどによると、エルドアン氏は支持者の実業家の息子の結婚式に招かれて演説し、「(大統領に)対抗する勢力は、長年にわたって避妊という国家反逆罪を犯し、血統を絶えさせようとしている」と主張。その上で「血統は経済的にも精神的にも非常に重要」とし、子作りを奨励した。

 世界銀行によると、トルコの合計特殊出生率は1980年は4・36だったが12年は2・06だった。

 エルドアン氏は夫人との間に2男2女がいる。昨年1月には「子ども1、2人では失敗に等しい。最低でも3人もうける必要がある」と発言し、物議を醸した。また、先月下旬にも「女性と男性を平等の地位に置くことはできない。自然の摂理に反している」と発言し、女性人権活動家らの猛反発を招いた。(イスタンブール=春日芳晃)

イスラムであるトルコですら、合計特殊出生率が2.06なんですか。このままでは、2未満になるのは時間の問題でしょうね。12年の数字ですから、もう2を切っているかも。そんなことを考えて、トルコの合計特殊出生率のグラフを探しました。それが下です。出典はこちら。

http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WB&d=TFRTIN&c1=TR&s=&e=

こちらによると、ここ数年は0.2くらいの下がり方ですので、2014年時点ではまだ2は切っていないかもですね。それにしても、たった30年強で合計特殊出生率が2.3も下がっちゃうというのもすごいですね。つまりはトルコがそれだけ経済発展をし、先進的な国家になっているということですが、そこで

>避妊は「国家反逆罪」と発言

したところで、そんなトンデモ暴論を主張したって、時計の針を逆回転させるような滑稽な話でしかないんじゃないんですかね。正直現代のトルコのカップルだって、そんな発言相手にはしないでしょう(笑)。

ところで中国に関してこんな記事が発表されていました。

http://www.asahi.com/articles/ASGDQ45ZPGDQUHBI00S.html

>老いる中国、60歳以上が2億人超 高齢化対策、後手に

日本の高齢化もひどいですが、中国も一人っ子政策を続けて高齢化の進行がすさまじいと予想されますので、一人っ子への制限を緩和する政策を取っていますが、現実問題としてなかなか複数の子どもを持とうとするカップルが少ないということが(ログインしないと肝心なところが読めませんけど)報じられています。日本も似たようなものです。内閣府の「選択する未来」委員会がまとめた報告によると・・・

>(人口急減の克服に係る目標、目安)
現状のまま何もしない場合、人口急減・超高齢化が招来し、経済社会全体が負の連鎖に陥り、地域社会が衰退していくことは避けられない。人口急減・超高齢化を克服し、人口が50年後においても1億人程度の規模を有し、将来的に安定した人口構造を保持することを目指すべきである。1億人程度とする意味は、以下のとおりである。一つは、若者の希望がかなえられることが大切だということである。現在と50年後の中間点くらいまでに、もし希望通りに9割の若者が結婚して2人超の子どもを産み育てる状況が実現したとすれば、人口減少のスピードは大きく緩和され、50年後の人口は1億人程度となり、その後人口の減少は収まると推計される。

上のトルコ大統領ほどの暴論ではないかもですが、机上の空論にもほどがあるでしょう。出来っこないとはこのことです(笑)。税率とか予算とかとは違うんだからさ(笑)。

>現在62%である生産年齢人口比率は、人口急減・超高齢化の下では減少が収まることはなく将来的に50%を下回ることになるが、人口急減・超高齢化を克服することができれば、50%を下回ることなく、2040年代半ばには緩やかな増加に転ずることになる。さらに、元気な高齢者の活躍促進が加われば、社会の活力は十分に維持されるだろう。

そんなことが実現したら、世界史における奇跡でしょうね。私はもちろん、そんな奇跡が実現するとは考えません(笑)。報告書を書いている人だって、こんなこと実現できるなんて考えちゃいないでしょう。

非常に身もふたもない言い方をすれば、人口なんてものは、なるようにしかならない、っていう性質のものじゃないですかね。「産むな」というのは、強権的にどうこうすることが可能でも、「産め」というのは、政府が何をどうしたところで、なかなか現実問題としても難しいでしょう。ましてや日本のようにある程度の民主主義がある国ではです。民主主義という点では強権政治がまかり通っている中国だって、「産むな」は、もはや命令しなくったって国民は産まないし、産めといったってもう遅いというものです。まあそれはそれでいいんじゃないかと私は思います。中国だってあんまり人口が増えたってどうしようもないし、日本も人口は十分すぎるでしょう。

今日の記事は、inti-solさんの記事(こちらこちらほか)を参考にしました。感謝を申し上げます。


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