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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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映画の字幕もいろいろ時代の変化に対応している

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昨年、「午前十時の映画祭」で、『シャレード』を観ました。一昨年にも見ているんですが、可能なら再度全部観てやろうと考えたので(入場料も1,000円-学生は500円と安いしね)再見したわけです。

で、ケーリー・グラントがオードリー・ヘプバーンになぞなぞ(よくある論理クイズですけど)をだすシーンで、グラントのセリフが「先住民」と字幕で表記されていました。映画では「インディアン」と言っていました。この映画が最初に公開されたときは当然「インディアン」と字幕でもでていたのでしょうが、時代にそぐわないと改変されたのだと思われます。これは、また後日確認してみますけど、『荒野の七人』でも「先住民」と字幕があります。これもかつては「インディアン」となっていたでしょう。

この改変はたぶんいろんな映画でされているのかなと考えます。とくに確認はしていませんが、DVDやBD、衛星放送やCS放送などで映画が放映されるときもそのような手直しをされているケースが多いのではないでしょうか。

また、『ブリット』『レベッカ』で「看護師」と字幕にあったのが記憶にあります。これもとうぜんずっと「看護婦」という表記だったはずで、これも時代の表記に合わせたのでしょう。

私見では、「インディアン」を「先住民」に変えるのは賛成ですが、「看護婦」を「看護師」に変えるのは、とくにそこまではしなくてもいいんじゃないかなとも思います。これは私の個人的意見ですので、むろん違う考えがあるのは当然です。そうこう考えると、字幕というのもある人が作った字幕が長きにわたって再使用されるケースが多いわけで(たとえば高瀬慎夫とか)、当然時代にそぐわない表現その他がでてくることもあります。

昔の映画を見ていると「きちがい」というセリフが頻出したりして、吹き替えでもその部分がカットされることがあります。CSなどは最後に注釈つきでその部分も放送したりします。

「看護婦」と「看護師」のような呼称も時代とともに変化しますしね、これもどう考えていけばいいのかというのもいろいろありますね。これからのものは新しい表記でいいでしょうが、たとえば第二次世界大戦の映画での従軍看護をしている女性を「従軍看護師」とするか「従軍看護婦」とすべきか。日本映画ならとうぜん後者になるでしょうが、字幕でどちらの表記にするか? どちらにしても「正しい」ということではありませんから、意見もいろいろ出るでしょう。とても面倒ですね。

これからも、とくに古い映画の字幕にはそれなりに注意をしていきたいと思います。案外いろいろな発見があるかもしれません。

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