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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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後先のことを考えない馬鹿(2)

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以前次のような記事を書きました。

後先のことを考えない馬鹿

今日はその第2弾ということで。

なかなか気合の入った警官の不祥事が報じられました。

女児誘拐未遂容疑:群馬県警渋川署の24歳巡査を逮捕
毎日新聞 2015年02月18日 21時03分(最終更新 02月19日 02時54分)

 勤務する交番の管轄エリアで小学4年の女児(10)を誘拐しようとしたとして、群馬県警は18日、県警渋川署地域課巡査、秋山暢大(のぶひろ)容疑者(24)を未成年者誘拐未遂容疑で逮捕した。「かわいかったので仲良くなりたかった」と容疑を認めているという。

 容疑は1月15日午後4時10分ごろ、同県吉岡町の小4女児の自宅前で、女児に声を掛け「パパが交通事故に遭って病院に運ばれた。すぐに来てくれないか」とうそをつき、車に乗せて連れ去ろうとしたとしている。不審に思った女児が拒んだため、車で走り去ったという。秋山容疑者は当日は非番だった。

 県警によると、小4女児は当時、友達の小1女児(7)と歩いて帰宅中だった。秋山容疑者は女児の自宅前に乗用車を止め、女児が帰ってきたところを、車から降り声をかけた。私服で、警察官であることは明かさず、女児や父親の名前を口にして父親の知り合いを装っていた。

 女児がパート先の母親に電話し、母親が父親に連絡して渋川署に通報。女児と小1の友達が昨年12月に数回、パトロール中だった秋山容疑者の姿を覚えており、「見たことがあるおまわりさんだった」と証言したため、容疑者として浮上した。

 秋山容疑者は2013年4月に県警に採用され、14年3月から吉岡町交番に勤務していた。この事件で捜査対象になってからは渋川署の内勤となっていた。

 県警は、警察官の権限を利用して女児や父親の名前を知った可能性もあるとみて、経緯を調べている。県警の上原健司首席監察官は「現職の警察官が未成年者誘拐未遂事件で逮捕されたことは極めて遺憾。捜査結果を踏まえ、厳正に対処していく」とのコメントを出した。【尾崎修二、山本有紀】

うーん、馬鹿ですね(笑、いや、笑っちゃいかんか)。お前がパトロールしている地区の子どもに声をかけなくったっていいだろうと思いますが、そんなに好みの女の子だったんですかね。だいぶ早い段階で警察もこの警官をマークしたみたいだし、どうしようもないですね。

だいたいこの事件では子どもが断ったからいいけど、女の子が車に乗っちゃったらどうなったんですかね。当然最悪の事態もありえるわけで、そうなったら目も当てられません。

それでこの事件について問題なのは、この警官が警察が収集した個人情報を悪用した疑いがある(その疑いがきわめて濃厚)ことでしょう。

<女児誘拐未遂容疑>逮捕の巡査「巡回連絡カード」悪用か
毎日新聞 2月18日(水)23時43分配信

勤務する交番の管轄エリアで小学4年の女児(10)を誘拐しようとしたとして、群馬県警は18日、県警渋川署地域課巡査、秋山暢大(のぶひろ)容疑者(24)を未成年者誘拐未遂容疑で逮捕した。秋山容疑者は女児の自宅前に乗用車を止め、女児が帰ってきたところを、車から降り声をかけた。私服で、警察官であることは明かさず、女児や父親の名前を口にして父親の知り合いを装っていた。

 秋山容疑者が女児や父親の名前を事前に知っていたことについて、群馬県警は、職務上知り得た情報を利用した疑いがあるとしている。地域をパトロールする巡査は通常「巡回連絡カード」を使って個人情報を収集しているとみられ、今回もこれを悪用した可能性が考えられる。

 巡回連絡カードは、警察庁が「住民の安全で平穏な生活の確保に役立てる」として地域警察官に住民の情報を収集させている制度。事件・事故が発生したり、迷子を保護したりした緊急時に家族への連絡に役立てると説明し、家族全員の氏名、生年月日、勤務先、学校名などの記入を求めている。

 女児や両親と秋山容疑者に元々面識はなく、女児と友達(7)は昨年12月、パトロール中の秋山容疑者を5、6回見かけたと話しているという。この時の秋山容疑者の挙動について県警は「地域の見守り活動をしているような様子だった」と説明しているが、「かわいい女の子をつけ回していたのでは」と疑う声も住民の間から出ている。隣町の主婦(29)は「そもそも何のために書かされるカードなのかと思っていた。今回もし警察官に悪用されたなら、巡回連絡カード自体、廃止してもらいたい」と憤る。

 渋川署によると、秋山容疑者が勤務していた吉岡町交番は原則2人体制。監視・管理体制が弱く、個人情報を比較的容易に入手できた可能性もある。過去には長野県警や愛知県警で、交番の連絡票のコピーを悪用したり、駐在所の情報照会用端末を不正操作したりした手口もあった。【尾崎修二】

率直に言ってこういう話はちょいちょい耳にします。前に読んだ「手錠―ある警察官の犯罪」という本で、後に2人を強盗殺人で殺害した元警視庁警部の死刑囚(執行されずに病死)澤地(沢地)和夫氏(本人お亡くなりになっているので一応敬称をつけます)が、やはりそういうたぐいのことをして、奥さんとつきあうきっかけに利用したということが書かれていました。これはだいぶ以前の話ですが(たぶん1960年前後くらいの話)、いまは当時より管理は厳しいでしょうが、絶無になったわけではないでしょう。といいますか、今回の事件はおそらくその一例です。

医者と法律家と宗教家というのは他人の不幸で飯を食っている仕事ですから、他よりも強い倫理観を必要としますが、現代では公務員もそれを必要としますね。公務員は、さまざまな仕事で他人の情報を管理することが大きな業務ですから、それを悪用あるいは不正にアクセスしようと思えば簡単にできちゃいますからね。これもひところと比べれば規制などは厳しくなっているはずですが、これも最近でもいろいろ不正アクセスが報道されていますし、単なるのぞき見だけでなく具体的な犯罪に利用される可能性も常にあります。直接その役所が把握していない情報でも、正直言いますが税金関係や警察関係などの照会なら、どこの役所もすぐ情報提供しますしねえ。それが個人目的による照会かどうかはなかなか判断できません。不正が明らかになることなんて、そうそうめったにありはしない。

たいていの人間は、それなりに倫理観や職業意識があるから、最悪でも上の警官のようには声をかけることまではしませんが、でもそれを超越しちゃう人間もいます。そうなったらどうしようもないですね。

それで警官の不祥事というと、この事件もひどい。

>女性殺害:容疑の警官を逮捕…別れ話でトラブル 大阪府警
毎日新聞 2015年01月25日 19時56分(最終更新 01月25日 23時19分)

大阪市東住吉区のマンションで交際していた女性を絞殺したとして、大阪府警は25日、府警阿倍野署地域課巡査長、水内貴士容疑者(26)=大阪府寝屋川市幸町=を殺人の疑いで逮捕した。「別れ話を巡ってかっとなり、ベルトで首を絞めて殺した」と認めているという。府警捜査1課は東住吉署に捜査本部を設置した。

 女性は住人の病院事務員、白田光(ひかる)さん(23)。逮捕容疑は24日朝、東住吉区東田辺1の白田さんの自宅で、私物のベルトで白田さんの首を絞めて窒息死させたとしている。白田さんは水を張った浴槽内で服を着たままうつぶせの状態で見つかった。この日朝に勤務先の病院に出勤しなかったため、病院がマンション管理会社を通じて東住吉署に通報した。

 府警が白田さんの交友関係や防犯カメラの映像を捜査し、水内容疑者の関与が浮上した。24日は休みで、事件直後に阿倍野署の道場で剣道の練習に参加していた。水内容疑者は「道場のごみ袋にベルトを捨てた」と供述、府警は署のごみ集積場から茶色い革製のベルトを発見した。

 水内容疑者は2013年4月から1年間、東日本大震災に伴う業務応援で宮城県警に出向。当時、仙台市内の大学に通っていた白田さんと知り合い、13年5月ごろから交際した。昨年8月に別の女性と結婚したが、交際を続けていたとされる。

 府警監察室によると、水内容疑者は大阪府内の高校を卒業後、06年4月に採用された。昨年4月から阿倍野署で勤務していた。勤務態度に問題はなかったという。

 大村喜一監察室長は「現職警察官が殺人容疑で逮捕されたことは遺憾の極みだ。被害者のご冥福をお祈りするとともに、捜査結果を踏まえ厳正に処分する」との談話を出した。【三上健太郎、村上正、渋江千春】

なんであろうと殺さなくったっていいだろうと思いますが、わざわざ遠い東北から大阪まで来て、それで殺されてしまったこの女性は本当に気の毒ですね。ご冥福をお祈りします。もちろんこれは殺人ですから、上の群馬県の事件などと比較しても、悪質さの次元は違いますが、こんなの殺しておいて自分が捕まらないと本気で考えていたのかと思います。やはり後先のことを考えられない状態だったんでしょうね。

こちらの記事の見出しを見ると、

>大阪警官殺人:「別れ話で自分の夢や将来なくなる」と供述
毎日新聞 2015年02月13日 13時01分(最終更新 02月13日 15時31分)

 ◇大阪府警が殺人容疑で逮捕の巡査長を懲戒免職処分に

(中略)

。「別れ話の中で、自分の夢や将来がなくなると考え、手や革製のベルトで首を絞めた」と供述しているという。

(後略)

殺すほうが、お前の夢も将来ももっとなくなるだろ、という以上の話ではないでしょう。

さて、現職警官の最悪の事件と言ってもいい事件に、1978年に起きた勤務中の警官による女子大生殺人事件があります。

制服警官女子大生殺人事件

この事件については、犯人は少年時代から非行を繰り返しており(こちらのサイト参照)、警官になってからも窃盗を続けていたくらいの人間で、上の大阪府警の警官と比較しても、ちょっと別格に悪質な人間と言わざるを得ませんが、なんでこんなクズが警視庁に採用されたのか不可解です。志願者の身内に共産党員がいることは警戒しても、非行は不問だったんですかね? 最近は、当時よりはそのあたりは改善されているのでしょうが、それもどうかです。

なお犯人は死刑を求刑されましたが、無期懲役でした。1978年の事件ですが、最近は無期懲役でもなかなか釈放されないので、たぶんこのクズもまだ刑務所(千葉刑務所あたりですかね)にいると思います。死ぬまで懲役していろです。刑務所では警官出身の懲役囚は相当やられますので、本人そうとう地獄の苦しみを味わってはいると思います。不徳のいたすところです。

それはともかく、しかし3人とも後先のことを考えないよね(馬鹿)。もう少し自分の行動の重大さを考えろよと思います。衝動的な犯行じゃないんだから、損得を考えろと思います。大阪の警官は、既婚者であることと、警察は不倫とかにうるさい(他の公務員は、不倫とかは個人の問題とされる)ということが犯行の一因かと思いますが、それにしたって人を殺すことのマイナス面を補って余りあるものではないでしょう。いろんな意味で困ったものです。


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