以前、ブルック・シールズの『青い珊瑚礁』のことで興味深い情報があるという話を書きました。今日はそのネタ。
ブルック・シールズ主演の映画『青い珊瑚礁』は、主演の2人にはいろいろな俳優・女優がオファーされました。その中には、その後も大いに活躍している人たちもいます。出演した2人(俳優は、クリストファー・アトキンズ)がその後どちらも役者として伸びなかった感があるのはどんなもんかいなという気がしないでもないのですが、実は女の子の役には、ジョディ・フォスターなども候補に挙がっていまして、ほかにこのブログでも写真を特集したダリル・ハンナも候補の1人でした。
それを知った際、私「そうだったのか!」と思いました。
おなじランダル・クレイザー監督の『青い恋人たち』という映画に彼女は主演しているわけです。詳細は知りませんが、たぶんクレイザーがダリルに未練があり、それで彼女を起用したのではないかと思います。
『青い恋人たち』ではダリル・ハンナはふんだんにヌードになっていましたが、ここで私は『青い珊瑚礁』に彼女が出演したらどんな映画になったかなあと想像をたくましくしてしまいます(ジョディ・フォスターの『青い珊瑚礁』にはあまり興味がわきません)。1965年生まれのブルックと1961年生まれのダリルでは、撮影がだいたい同じ時期であれば、肉体というかヒロインの雰囲気もだいぶ違ったはずで、ダリルの主演する『青い珊瑚礁』もかなりアダルトな雰囲気の映画になったかと思います。ダリルその他の女優を押しのけて最終的にブルック・シールズの起用にいたったのは、そのあたりが大きなポイントだったのかもしれません。IMDbによると、この時オーディションに参加した人たちは
>Kelly Preston, Linda Blair, Jodie Foster, Tatum O'Neal, Michelle Pfeiffer, Daryl Hannah, and Rosanna Arquette all auditioned for the role of Emmeline
だそうです。
ちなみにダリル・ハンナは無名時代にはモデルもやっていて、ヌードモデルなどもしていたようですね。その時代の写真を私知っているんですが、今日はちょっと紹介できません。見つけたら、このブログで発表します。
さて、当時はダリル・ハンナは無名でしたし、ブルック・シールズもこれからの存在でしたが、有名俳優が有名な映画に出演する場合、どんな役者が候補だったかと考えるのは興味深いかなと思います。
前にもこのブログで紹介したサム・ペキンパー監督の『ワイルドバンチ』での出演候補、あるいはオファーを受けた俳優たちを調べると、彼らが出演したらどんな作品になったかと想像をたくましくします。
まず、主人公のパイク・ビショップ(ウィリアム・ホールデン)は、ほかに候補となった俳優として、リー・マーヴィン、バート・ランカスター、ジェームズ・ステュアート、チャールトン・ヘストン、グレゴリー・ペック、スターリング・ヘイドン、リチャード・ブーン、ロバート・ミッチャムらがいました。ほとんどリー・マーヴィンに決定していたのですが、けっきょく彼は、違う作品に参加しています。
もとパイクの仲間で、パイクを追っかけるという因果な役柄のディーク・ソートン(ロバート・ライアン)は、リチャード・ハリス、ブライアン・キース、グレン・フォード、アーサー・ケネディ、ヘンリー・フォンダ、ベン・ジョンソン、ヴァン・へフリンが候補になりました。ベン・ジョンソンはパイクの仲間であるテクター・ゴーチをけっきょく演じています。ヘンリー・フォンダのソートンて面白そうだな。
パイクの片腕、絶対の信頼を得ている相棒ダッチ・エングストローム(アーネスト・ボーグナイン)は、ほかにスティーヴ・マックイーン、ジョージ・ペパード、アレックス・コード、ロバート・カルプ、サミー・デイヴィスJr.、チャールズ・ブロンソン、リチャード・ジャッケルが候補でした。
正直グレゴリー・ペックのパイク・ビショップなんて面白そうだとか、スティーヴ・マックイーンやロバート・カルプのダッチってどうよと思いますが、そう考えるとホールデンにライアン、ボーグナインと、妥当な線でキャスティングされたのかなと思います。
他の有名な映画を例にしますと、「ダーティハリー」のハリー・キャラハンは、もともとフランク・シナトラを意識していましたが、彼が降りたあと、スティーヴ・マックイーンやポール・ニューマン、マーロン・ブランドらがオファーされています。ちなみにアンディ・ロビンソンが演じた犯人役は、ジェームズ・カーンが念頭にあったとか。
こういったような話はすればするほど面白いですが、また次の記事のネタにしましょう。それにしても面白いですね。キャスティングというのは、ギャラの問題もあれば、俳優の趣向に合うか合わないかも問題だし、いろいろです。何が成功するかは、映画が完成して観客が見てくれなければわかりません。このブログでもおなじみの「愛のコリーダ」の阿部定役には、かのひし美ゆり子も候補でした(彼女は、当時成人映画に出演していました)。彼女が定を演じて本番シーンをやっていれば面白かったかもしれませんが、「幸か不幸か」(?)彼女は起用にいたりませんでした。大島映画では、「戦場のメリークリスマス」のセリアズ役は、ロバート・レッドフォードも候補でした。レッドフォードは受けませんでしたが、しかし彼が演じたらどんな映画になったか個人的には興味があります。ビートたけしが演じたハラは、勝新太郎、緒形拳が最初の候補でした。また、ヨノイ役は、沢田研二がオファーされていました。はてはて、彼らの方がやっぱりいい演技をしたんでしょうかね? たぶんしたのでしょう。勝といえば、「影武者」での降板騒動も有名です。
このネタは面白いので、また記事にします。なお、上の情報の出典は、主に英語版・日本語版wikipedia、IMDbからいただきました。「ワイルドバンチ」の写真も英語版からです。