私がちょいちょいこのブログで記事にしている「名古屋闇サイト事件」関係の記事に、ある方が
>このままで行くと本当に死刑になると言われて慌てて謝罪の言葉を 口にしたと考えるのは自然です。
とコメントされたことがあり、で、私はそれにたいして次のようにコメント返しをしました。
>まあ、これは仕方ないでしょう。人間ですから、仮にそうであっても非難してもしょうがないでしょう。
この方は、さいしょから反省していなければだめで、死刑になるかもと考えてあわてて反省したのでは意味がないとお考えなのかもしれません。確かに私もそう考えないでもないですが、でも仕方ないですよね。そういった行動を批判したり非難したところで何がどうなるわけでもないし。被告人が反省しないよりは反省した(態度を示す)ほうがずっといい。どうせこんな極悪人は、反省しなければ態度が悪いと非難されるし反省すれば「心からのものでない」と非難されます。それはある程度は仕方ないことでしょうが、でも
>このままで行くと本当に死刑になると言われて慌てて謝罪の言葉を 口にしたと考えるのは自然です。
とまで非難したってしょうがないですよね。検察官や裁判官、被害者遺族の人たちが非難するのなら「仕方ない」とは思いますが、善意の第三者である他人が被告人をそのように罵倒したってしょうがない。どんな極悪人だって人間なんですから、それは死刑になる危険性を知ってあわてて謝罪したところで非難するには値しないでしょう。ていいますか、この事件の場合判決は死刑か無期懲役のどちらかであり、無期懲役の可能性もじゅうぶんにある(大阪教育大学付属池田小学校や秋葉原の事件のような、ぜったい死刑確実の事件ではありません)。被告人が謝罪すれば刑が軽くなる可能性がそれなりにあるわけで、減刑をねらうのは刑事被告人として当然の権利ですし、そういった行動は(不愉快ではあっても)批判したり非難したりするのは検察官や遺族、裁判官にまかせればいい。
基本的にどんな極悪人だろうと、裁判で可能な限り自分の刑を軽くしようと努力するのは当然の権利だし、それを批判するのは極悪人にだってあまりに気の毒です。別に私は彼(女)らを許せとか主張しているわけじゃないですよ。そんなこと私は考えていないし、仮にそんな主張したところで誰も許してはくれないでしょう。しかし憲法や刑事訴訟法その他で認められている被告人の権利やそれ以前の自分を守る権利の行使すら批判したり非難するのはどうかと思います。よく「被告人の権利ばっかり・・・」とか主張する人がいますが、べつに刑事被告人に特別の権利を与えろとかは言わない(ていいますか、特別の権利を与えられている被告人なんているんですかね? 田中角栄氏については、ずいぶん裁判所も遠慮したなんて話もありますけど)。ただ、法律で認められている権利の行使程度のことを罵ってもばかばかしいと思うだけです。
どんな極悪人にも弁護士くらいはつけてあげる権利、法廷で嘘をついても許される権利(偽証罪は、被告人には適用されません)、判決が不服であれば上級裁判所に上訴するくらいの権利、再審を申し立てることができる権利、ほかにも書けばきりはありませんが、それくらいは人間として当然の権利だし、保証してあげなければいけないことだと思います。
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どんな極悪人であろうと、善意の第三者がそこまで罵倒することはない
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