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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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実に両立しえない報道だと思う

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昨日NHKの8時45分からの関東ローカルのニュースを見ていましたら、次のような報道(魚拓)がありました。

>うなぎ商戦 国産のこだわり弁当が人気

7月13日 19時41分   今月24日の土用のうしの日を前に、東京都内のデパートではうなぎの弁当のコーナーが設けられ、景気が回復傾向にあるなかで、国内の有名な産地のうなぎにこだわった弁当などに人気が集まっています。 東京・丸の内のデパートでは、およそ30種類のうなぎの弁当を販売するコーナーが今月1日から設けられています。静岡や愛知など、国内の有名な産地のうなぎを使った弁当の品ぞろえを充実させていて、価格は2000円から3000円のものが中心だということです。
国内のうなぎ養殖業者で作る団体によりますと、うなぎの卸売価格は去年の夏とほぼ同じで、高値が続いています。こうしたなかでも、デパートではバイヤーが産地に出向いて育て方などをチェックした、こだわりのうなぎを使っているということです。
うなぎの弁当を買った会社員の女性は「暑いのでスタミナをつけようと思って買った。食べたあとは仕事を頑張りたい」と話していました。
大丸東京店で食品部門の担当をしている石原尚さんは、「景気が回復傾向にあるなかで、少し高めだが商品の価値にあった弁当の品ぞろえを充実させている。うなぎを食べて、暑い夏を乗り切ってほしい」と話していました。 「輸入うなぎ」 やや安くなるか 「輸入うなぎ」を巡って、この夏流通する量が多くなったことなどを受けて、スーパーや外食チェーン店の中に、かば焼きを値下げしたり、うな丼に使っているうなぎの量を増やしたりしている店舗が出ています。
中国などからうなぎを輸入している業者で作る「日本鰻輸入組合」では、この夏、流通する養殖うなぎの価格は、去年よりやや安くなるのではないかとみています。これは、去年、稚魚のシラスウナギが豊漁だったことを受けて、この夏流通するうなぎが多くなり、輸入業者が小売店などに卸す価格が去年の同じ時期より1割ほど安い1キロ3600円前後で推移していることが一因だということです。
ただ、ことしはシラスウナギが不漁だったことから、来年以降、再び値上がりすることが懸念されるということです。
日本鰻輸入組合の森山喬司理事長は「ニホンウナギが絶滅危惧種に指定されるなど、うなぎを取り巻く環境は一層厳しい状況が続いている。輸入うなぎは国産のものよりも安く流通していることもあり、少しでも安くうなぎを食べたいという人のニーズに応えられるように知恵を絞っている」と話していました。   それで、同じ日の報道として、つぎのようなニュース魚拓)もありました。   >うなぎに代わり“さんま”のかば焼き販売へ 7月13日 20時12分   今月24日の土用のうしの日を前に、漁獲量が大幅に減っているうなぎの代わりに、さんまのかば焼きを使ったお重が北海道のコンビニエンスストアなどで14日から販売されることになりました。 さんまのかば焼き重を商品化したのは、北海道のコンビニエンスストア「セイコーマート」で、今月24日の土用のうしの日を前に、14日から販売を始めます。
お重は、ごはんの上に甘辛いたれをかけたさんまの切り身をのせたもので、このコンビニによりますと、各店舗のオーブンで一気に焼き上げることで、うなぎのふっくらとした食感に近づけたということです。
北海道や関東の店舗で、この夏35万食分を用意する予定で、広報担当の遠藤佳代係長は「うなぎの値段が高止まりをしているなかで、比較的価格の安いさんまを使うことで、買い求めやすいかば焼きを提供することにしました」と話していました。
ニホンウナギは、生息数の大幅な減少を受けて、世界の野生生物の専門家などで作るIUCN=国際自然保護連合が去年、絶滅危惧種に指定しています。こうしたなか、漁獲量の減少や値段の高止まりに対応しようと、北海道ではさんまのほかにも、ほっけやあなごの仲間を使ってかば焼きを販売する動きがあるということです。   ついでにこちら(魚拓)も。   >「うなぎ味のなまず」 開発で試食会 7月13日 18時43分   絶滅のおそれがあるニホンウナギの代わりにできないかと、近畿大学の研究グループが、うなぎのような味がするなまずを開発し、13日、大阪で試食会が開かれました。 試食会は大阪・梅田の飲食店で開かれました。蒲焼にしたなまずが用意され、報道関係者など30人余りが参加しました。
このなまずは奈良市にある近畿大学農学部水産学科の有路昌彦准教授の研究グループが、およそ6年間かかって養殖技術の研究を重ねて開発しました。なまずはもともとは淡泊な白身魚ですが、餌の与え方を工夫し、鹿児島県のきれいな湧き水を利用した養殖場で育てることで、うなぎに近い脂ののった味わいや歯ごたえになったということです。
試食した人は「本当にうなぎの蒲焼のようです。おいしい」と話していました。
ニホンウナギは生息数が大幅に減少し、このところ値段が高止まりしていて、有路准教授は「味だけでなく栄養の面でもうなぎに負けないので、今後流通ルートを確立し、広く食べてもらえるようにしたい」と話していました。
「うなぎ味のなまず」は、今月24日の土用の丑の日に大阪と東京・銀座の飲食店で限定30食ずつ販売されるということです。   下の2つの記事は、   >ニホンウナギは、生息数の大幅な減少を受けて、世界の野生生物の専門家などで作るIUCN=国際自然保護連合が去年、絶滅危惧種に指定しています。   >ニホンウナギは生息数が大幅に減少し、このところ値段が高止まりしていて    というように、不十分ではあっても一応うなぎの生息数が大幅に減少しているということを報じたうえで、それにどう対応しようとしてるかということを報道しています。ところが上のものは、   >日本鰻輸入組合の森山喬司理事長は「ニホンウナギが絶滅危惧種に指定されるなど、うなぎを取り巻く環境は一層厳しい状況が続いている。輸入うなぎは国産のものよりも安く流通していることもあり、少しでも安くうなぎを食べたいという人のニーズに応えられるように知恵を絞っている」と話していました。    という発言を取り上げるのみ。言うまでもなく、「日本鰻輸入組合」の理事長氏は、うなぎを売ることしか興味がないわけで、はっきり言って二ホンウナギが絶滅したって、自分は可能な限り商売をしていればいいとしか考えていないでしょう。捕鯨業者が鯨の乱獲をしたようなもので、こういう人たちはそんなことを気にはしないものです。で、上の記事って、完全に暇つぶしネタ、時候ネタであって、この報道からは、うなぎの絶滅の危機なんていう問題意識はみじんも感じられませんよねえ。理事長氏の   >ニーズに応えられるように知恵を絞っている   という発言は、徹頭徹尾うなぎをいかに売るかという話であり、うなぎを絶滅しないようにいかにすべきかなんてことに知恵を絞る気は、この人にはまったくかけらもないでしょう。   上のと下のとでは、取材した人が違うとかそういうレベルの話になりそうですが、公共放送なんだから、そういう絶滅危惧種を食べることをそんなに能天気に視聴者にすすめなくったっていいんじゃないのと思います。別にNHKが、うなぎ業界にそのようなことをしなけりゃいけない義理があるわけでもないでしょうに。   それにしても、うなぎの絶滅を心配して(かどうかはともかく)それにいかに対応するかという報道と、時節ネタとしてなんら批判することなしにうなぎを食することを報道するということも、実に両立しないよね。その問題意識の欠如には、いまさらながらうんざりします。まあ下の2つの報道だって、絶滅を心配するというよりは、いかに安いコストでうなぎもどきの味を楽しむかということに記事の主眼があるわけで、別にほめるような記事では全然ありませんが、しかし無邪気に(?)うなぎを食べることを宣伝する報道よりは、相対的にはましだと思います。あくまで「相対的には」ですよ。

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