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興味深い記事を読んで、北アイルランドの強い方言を思い出す

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朝日新聞に面白い記事が載っていました。

>自閉症の人、方言話さない傾向 弘前大教授らが調査
朝日新聞デジタル 7月31日(金)3時22分配信


. 自閉症スペクトラム(ASD)の人は方言を話さない――。教育・医療現場のこんな「印象」が国内各地で共通することが、弘前大教育学部の松本敏治教授(特別支援教育)らの調査でわかった。方言には相手との距離感を表現する側面があり、社会性の発達障害であるASDには習得が難しいのではないかと松本教授らは考察。研究結果は療育支援などに役立つ可能性があるとしている。

 松本教授らは地元の教育・医療関係者に「自閉症の人は津軽弁でなく、共通語を使う」と聞き、2011年に青森、秋田両県の特別支援学校の教員に、地域の一般的な子ども▽知的障害児・者▽ASDの話し方の印象をアンケート。ASDはほかの2者より「方言使用が少ない」との回答が多く寄せられた。

 そこで京都、高知、鹿児島など全国6地域に調査範囲を広げたところ、同様の傾向がみられた。

で、毎日新聞にも、2013年の時点で同じことを書いた記事がありました。

>コラム
余録:なぜ人は方言をしゃべるのか
831日前

 なぜ人は方言をしゃべるのか。「共通言語教育で20世紀中に方言は消える」と言われたこともあったそうだが、東北弁も名古屋弁も九州弁も絶滅しそうにない。関西弁に至っては21世紀になった今もお笑い番組などで隆盛を極めている▲では、自閉症の子が方言をしゃべらないのはなぜか。関係者の間で長らく「謎」とされていたことを松本敏治弘前大教授らが調査した。たしかに自閉症などの発達障害児は方言をしゃべらない確率が高い、ということが立証された▲(1)方言をしゃべっているのだが、発達障害特有の発音や音韻が方言らしく聞こえない(2)方言の音韻や音調の特徴が障害児の情報処理能力を超えている(3)「?んだなし」「?だがや」「?ばい」など方言独特の終助詞を理解できない(4)メディアの影響、など諸説ある▲松本教授らが推すのは社会的機能不全説だ。方言には、仲間への帰属意識、他集団との差異化を表す機能、緊張を緩和する機能などがあり、社会性にハンディのある発達障害児はこうした方言の機能を理解し使うことが苦手というのだ▲年齢による濃淡もあり、一般的には中学生のころが最も方言を使うという。家族より同世代の仲間への帰属意識が旺盛になる時期だ。商売や町内会の活動を通して地域との関係が濃密になる35歳前後も多いらしい▲ひきこもり、孤独死、児童虐待の要因に社会的孤立があることを思うと、方言はなんとも貴重な存在だ。かつて標準語を身につけさせるため、先生が方言を話す子の首に罰として「方言札」を下げた地域もあったという。方言の魅力はもっと評価されるべきである。

2013年04月21日 00時12分

自閉症の人たちが方言を使わないというのは初耳でしたが、いろいろ興味深いですね。私も自閉症の人たちを知らないでもありませんが、確かにその人たちはあまり方言が強くないように思いました。私の経験ではあてになりませんが、テレビなんかでも自閉症の人が話しているのを聞いた限りでは、あまり方言を話していた記憶がありません。読者の皆さまの印象はいかがですかね?

で、当たり前といえば当たり前でしょうが、上の記事の次の指摘は面白いと思います。

>方言には相手との距離感を表現する側面があり、社会性の発達障害であるASDには習得が難しいのではないかと松本教授らは考察。

>松本教授らが推すのは社会的機能不全説だ。方言には、仲間への帰属意識、他集団との差異化を表す機能、緊張を緩和する機能などがあり、社会性にハンディのある発達障害児はこうした方言の機能を理解し使うことが苦手というのだ

同じ方のお考えですから、同じことが書いてあるのは当たり前ですが、方言というのは帰属意識や距離感の縮める役割があるというのは当然といえば当然でしょうけど、やはり興味深いですね。あんまりかっちりしたなまりのない話し方をすると、冷たい印象があるという部分もあります。

BBCや米国三大ネットワーク、あるいはCNNなんかのアナウンサーの話し方とくらべると、ロンドンなまりとか米国南部の英語のほうがやはり「人間味」(?)はあるのかもです。NHKのアナウンサーのような、鼻濁音をがしがしにきかせた発音はどうも好きじゃねえというような私みたいな人間は、やっぱり方言が好きなのかも。私は、もちろん鼻濁音は使いません。嫌いなもので。

青春18きっぷなんかで長距離移動をしていますと、徐々に言葉が変わってくるのが面白いですね。東海道線をよく私は移動しますけど、「・・・へん」という表現が地元の人から出てくると、ああ文化圏が変わったなと思います。

しかし私がこんど行くアイルランドなんか、ほんとに方言がものすごかったですね。といっても私が行ったのは北アイルランドのみですが、2009年に行った時はともかく、それ以前に行った際は、正直「これが英語か」と思ったくらいです。何がなんだかさっぱり分かりません。私は、英語の聞き取りは苦手ですが、いくらなんだって聞いていればそれが英語かどうかの区別くらいはつきます。

つまりアルスター博物館とかいうところに行ったのですが、今はともかく当時はアジア人(というか非白人)は当地ではあまり見かけなかったみたいで、めずらしがられて職員の女性が私にぺらぺら話しかけてきたのですが、自慢じゃないですがさっぱりわかりませんでした。あそこまですごい英語を聞いたのは、その後もありません。

これは話の趣旨と全然違いますが、私がベルファストで地元のバスに乗っていたら、地元の女子高校生3人が、私のほうを好奇心いっぱいの目で見つめていたことがあります。我が人生でそんな経験ないぞ(苦笑)。彼女らの視線は、映画「イージーライダー」に出てくるダイナーのシーンを思い出してください、だいたいあんなものです。私はさすがにそのあと殺されたりはしませんでしたが。

あ、いまは(たぶん)そんなことはありませんよ。じゃ自分も行って、なんてつまらぬ期待はされないように。

ただ私のような英語の素人と違うネイティヴの英語の人(シアトル出身者)に聞いても、やはり非常に理解が難しいといっていましたので、やっぱりアイルランドの英語は難しいみたいですね。今度の旅行では、北アイルランドに行くつもりはありませんが、ダブリンあたりはまだしもわりと強い方言を聞くことになりそうです。

いずれにせよ、英国はやはり米国などより方言が強いようですね。

もっとも日本でも、「仁義なき戦い」の広島弁(ですよね?)を聞かされたら理解は難しいですよね。ましてや外国人はお手上げです。

英語が第一言語の国に行くのは、2009年の英国以来です。多少なりともストレスなく旅ができるかどうか、期待しています。

ただ拙ブログでの旅行の記事はどうなるかですね。2013年年末年始の旅行がいつ終わるか未定ですが、なんとか2015年中には、アイルランドの記事を発表したいと思います。私としても、最大限帰国後早い時期に旅行の記事は書きたいわけです。印象がフレッシュな時のほうが当然ながら面白い旅行記になると思いますので。


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