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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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ドナルド・リチーの短編映画を観て感じたこと

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過日拙ブログでこんな記事を書きました。

東京国立美術館 フィルムセンターでの特集上映会が面白い

で、その記事で私は、上映される映画の紹介として、次のような作品をご紹介しました。

>ドナルド・リチー選集(計88分)

2015年7月19日1:00 PM@大ホール 2015年9月4日7:00 PM@大ホール

ドナルド・リチーは、小津安二郎や黒澤明をはじめとする日本映画を逸早く海外に紹介し、研究書を著したパイオニアであると同時に、日本の実験映画/個人映画作家の草分けでもあり、ユーモアとエロスに満ちた作品を撮り続けた。1964年には大林宣彦や飯村隆彦らと共に「フィルム・アンデパンダン」にも参加した。

し(10分, 16mm, 無声, 白黒) SHI

1958 (監・編)ドナルド・リチー

戦争ごっこ(22分, 16mm, 白黒) WARGAMES

1962 (監・脚・編)ドナルド・リチー

ライフ(4分, 16mm, カラー → 白黒) LIFE

1965 (監・編)ドナルド・リチー (出)ウエダ・タカシ、コダマ・チカコ

猫と少年(5分, 16mm, 白黒) BOY WITH CAT

1966 (監・編)ドナルド・リチー (音)マセネ (出)ワタナベ・ジュンイチ

五つの哲学的童話(47分, 16mm, カラー → 白黒) FIVE PHILOSOPHICAL FABLES

1967 (監・脚・編)ドナルド・リチー (撮)ヤマグチ・マコト (出)日本マイム研究会

で、4日金曜日、このドナルド・リチーの短編映画を観てきました。

それで感じたことは・・・

この人、ゲイだなあ、ということです(苦笑)。

もっともWikipediaによると、両性愛者であるとご本人公言していたとのことで、また私も氏が亡くなった際は、喪主が男性だったのを知って、ああ、これ「longtime companion」ってやつかいなと思った記憶があります。だから、氏が男性をも愛する人間であったことは、世間でもそれなりに知られている話です。また正式な結婚(もちろん女性と。もっとも最近は同性婚もだいぶ可能な社会ではあります)もしているので、確かに完全なゲイではなかったのかもです。

で、なぜ私が、リチーをゲイだと思ったかというと、答えは簡単、映画で、女の裸は一向に出てこないのに、男(少年をふくむ)はやたら裸になっているからです。上半身裸とかならまだしも、「五つの哲学的童話」では、その最後のエピソード(題名からわかるように、この映画は5つの挿話によるオムニバス映画です)で、屋外のパーティに出席した日本人の若者(ほかの客は、みな裕福げな白人夫婦ばかり)が、白人の女性の求めに応じて、なぜか衣服を渡して、しまいには全裸になってしまい、全裸で街を歩いたり(ゲリラ撮影のはずです。警察に見つかったら、一発で逮捕されます)、最後は野原を歩いて去っていきます。前衛映画だから、どんなシーンがあったってなんら驚くには値しませんが、こうも男の裸を見せられると、ゲイでない私はだいぶ抵抗を感じます。男の裸と女の裸なら、やはり女の裸のほうがいいと、実に馬鹿馬鹿しいことを考えました。

ところで、「五つの哲学的童話」の3番目の挿話は、3人の男女(男2人、女1人)がピクニックで1人の男を食べてしまうというものです。最後は、骨だけになった男を、ビニールで包んでしまいます。このエピソードは、三島由紀夫が気に入ったそうです。リチーはインタビューで、

>三島さんもやっぱり喜劇が好きでした。
『五つの哲学的童話』の三つ目のエピソード(4人でピクニックに行くが、そのなかのひとりを三人で食べてしまうという話)、あれを何回も見て笑っちゃって、これは傑作だと言ってくれました。

と語っています。三島も両性愛者ですから、相通じるものがあったのでしょうか?


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