しばらくぶりに拉致問題関係の記事を書きます。「北朝鮮・拉致問題」のタグで記事を書いたのは、
拙職場にはられたポスター
以来で、この記事が昨年の12月10日、その前の記事が10月28日発表の
展転社から本を出すようでは、荒木和博も相当なものだと思う(追記あり)
だから、なかなか毎月1記事を書くにも至っていません。
さてそれはともかく、このような記事がありました。NHKのHPより(魚拓)。
>蓮池薫さん 政府に戦略的な交渉求める
2月13日 18時16分
北朝鮮に拉致されたあと帰国を果たした蓮池薫さんが講演し、北朝鮮が拉致被害者らの調査を全面的に中止すると発表したことについて、「被害者は管理下に置かれており、調査するしないは問題ではない」と話し、北朝鮮に帰す決断を促すための戦略的な交渉を政府に求めました。
蓮池薫さんは、昭和53年に新潟県の海岸から北朝鮮に拉致され、平成14年の日朝首脳会談のあと24年ぶりに帰国を果たしました。
13日、千葉県市原市で講演した蓮池さんは、「拉致問題に一向に進展がない。この数日の間にもいろいろなことが起きている」としたうえで、「北朝鮮にとって拉致被害者は表に出たら困る存在で、ひた隠しに隠して徹底的に管理している。正式なものではないが、政府が認定している拉致被害者を含め、複数の方々の生存情報もある」と話しました。
そして、北朝鮮が拉致被害者らの調査を全面的に中止するなどと発表したことに触れ、「調査するしないは問題ではなく、北朝鮮のトップが被害者を帰す決断をするかどうかだ。そのためには、被害者の帰国と身の安全の確保を要求し続けるとともに、『帰す場合には核やミサイルの開発につながらない範囲で経済協力などの見返りを出す用意がある』と示さなければならない」と指摘し、戦略的な交渉を政府に求めました。
この報道は、私も13日の7時のニュースだったかで見ました。その時も感じたのですが、私が興味を持ったのは、こちらのくだりです。
>調査するしないは問題ではなく、北朝鮮のトップが被害者を帰す決断をするかどうかだ。そのためには、被害者の帰国と身の安全の確保を要求し続けるとともに、『帰す場合には核やミサイルの開発につながらない範囲で経済協力などの見返りを出す用意がある』と示さなければならない
救う会(私の表記では「巣食う会」)、
家族会らは、
>見返りを出す
ということを徹底否定しますが、当の拉致被害者である
蓮池薫さんが、はっきりこのように明言しているのは非常に興味深いし、また思い切った発言だなと思います。つまりは、彼ができる範囲のぎりぎりの発言というべきかもしれません。
それにしても本来なら家族会、巣食う会などは、この発言を徹底非難するのが筋(もちろん私がそれに賛成するわけではありません)ですが、いまのところそういう話は聞きませんね。蓮池兄を家族会から追放したことが評判が悪いので、拉致被害者である薫氏まではまずいという計算が働いているのかもですね。
たとえば救う会(巣食う会)のHPにある2月17日付のメールニュースにはこの関係の記事は発見できませんでした。家族会自体のHPなるものはないみたいなので(つまりは、巣食う会と一体なのだということなのでしょう)、幹部である増元照明氏のFB(最近閲覧していなくて知らなかったんですが、私が以前よく引用していたHPは閉鎖されたみたいですね)は更新していませんし(14年暮れの彼が出馬した選挙以降は未更新)、それで当ブログでもいろいろ批判している荒木和博はと言いますと、
蓮池薫さんの講演 【調査会NEWS2121】(28.2.17)
という記事でとりあげています(上のリンクは、荒木のブログ)。読んでみましても、上の発言については触れられていませんね。つまりは故意に避けているということでしょう。やはり上で私が指摘したように、
>蓮池兄を家族会から追放したことが評判が悪いので、拉致被害者である薫氏まではまずいという計算が働いているのかもですね。
ということなんですかね。もちろんこれは、現段階ではということであり、これから変わっていく可能性は十分あり得ます。蓮池薫氏が変わる可能性もふくめた話です。
蓮池兄弟の語っていることは、兄弟の間でさほど異なっているわけではないと思いますが、お兄さんが罵倒されていることとの違いは、透氏が著書を発表していることなのどもあるのでしようが、薫さんについての運動への利用価値その他さまざまな側面から考えているということなんでしょう。地村さん夫婦なんか、ほとんどマスコミに登場することもないしね。
さて、利用価値うんぬんというと、やはり横田さん夫婦ですよねえ。なにかというと引っ張り出されます。ていうか、これはそもそも論ということになるでしょうが、だいたい横田さんたちと荒木和博や西岡力らの「巣食う会」や「家族会」が関係を保ち続けていること自体変な話じゃないですかね。だって横田さんたちがお孫さんとモンゴルで面会した時点で、この人たちの関係は本来だったら決裂しているでしょう。
横田さんたちがお孫さんと会うことを決意した背景は、つまりは荒木や西岡らの言っていることはあてにならん(だからそんなことは、はじめっからわかっていることじゃん)と最終的に判断したということでしょう。連中のいうとおり会わないでいたら、お孫さんと会うことは死ぬまで絶望的だと考えたのでしょう。その判断は正しいですね。だって荒木も西岡も、横田さんたちのことなんて別に考えちゃいないんだから。連中の考えは、徹頭徹尾横田さんたちを反北朝鮮運動に徹底利用することだけです。そうだから、お孫さんと会うなとか平然と主張してきたわけです。
で、巣食う会とか家族会の人たちは、横田さんたちにお孫さんと会うなと求めてきたわけじゃないですか。その理由はいろいろでしょうが、つまりは横田さんたちがお孫さんと会わない方が、自分たちの運動に都合がいい(本当に都合がいいかは、私には判断できません)と考えたからでしょう。上にも書いたように、別に横田さんたちにとって、お孫さんと会わない方がよいと考えていたわけではない。そんなことは、連中の思考の外にあります。
実際横田さんたちがお孫さんに会えたのは、別に「巣食う会」「家族会」のおかげではありません。つまりは外務省が手配してくれたわけです。横田さんたちが「会いたい」と意思を正式に表明すれば、外務省が「会うな」というわけがないし、事実意思を表明したから会えたわけです。
それで私見では、これは「巣食う会」「家族会」にとっては、重大な裏切りだと思います。いままで「訪朝しない」「会わない」ということで話がまとまっていたのに、第三国とはいえお孫さんと会ったんだから、これは許しがたい裏切りじゃないですかね。まあ「家族会」の人たちが本音でどう考えているかは私には判断しかねる部分がありますが、荒木とか西岡みたいな連中は、正直なところ「あいつら裏切りやがって」と激怒しているんじゃないですかね。連中の性格の悪さや非常識さを考えれば、当然そう考えているでしょう。
そう考えると、横田さんたちも話は同じだと私は思うわけですよ。横田さんたちも、表面的な態度はともかく、荒木や西岡らのことを「あてにならない連中だ」と思っているんじゃないんですかね。何をいまさらと私は思いますが、そう考えたからこそ、横田さんたちもお孫さんと会ったはず。
てことはですよ、お孫さんと会った時点で連中とは縁を切るのが通常の態度だと私は思うわけです。現実問題として、横田さんたちが荒木や西岡みたいな連中と付き合って、なにがしかの利益があるとは私には思えません。
これが、「巣食う会」「家族会」が、横田さんたちを追い出さないのは、理解はできます。それがいいとか悪いとかはともかくとして、連中は横田さんたちに大きな利用価値を見いだしているから、蓮池透さんみたいには実質的な除名処分にしたりしないのでしょう。それは、理解できます。でも、横田さんたちは、この期に及んでしまったら、もう「巣食う会」「家族会」と関係を保っていても、仕方ないですよね(笑)。いまさら横田さんたちには、「巣食う会」も「家族会」も付き合う価値はないでしょう。
で、こういうのは全くもって内心の問題なので、他人が類推できるような話ではありませんが、横田さんたちが連中と関係を保っている最大の理由は、たぶん夫の滋さんのほうは、奥さんにひきずられているだけでしょう。情けないと思いますが、彼は優柔不断な弱い人間なのでしょう。で、奥さんのほうがなぜこんな連中と付き合っているかというと、これはもちろん私の単なる推測ですが、奥さんの方の人間関係なんでしょうね(笑)。荒木も西岡も、性格うんぬんということを言いだせば、最高レベルにどうしようもなく性格の悪い連中だと思いますが、西岡も荒木も、そして家族会の他のメンバーも、横田さんたちをちやほやしてくれる(表面上の話ですけどね)、そういう点で離れがたく心地よい相手なんでしょう。それはそうでしょうね。奥さんのような傲慢な態度や発言をしていたら、普通世間では通用しませんよ。私も彼女の発言を批判したことがあります。彼女が家族会を離れたり、「巣食う会」と絶縁したら、蓮池透さんのようになる。いや、蓮池さんは、自分の考えをしっかり持っている人間だから、絶縁されたら絶縁されたで仕方ないと考えられるわけですが、横田の奥さんはそういうことが耐えられない人なんでしょうね(笑、いや笑っちゃいかんですよね)。事実彼女は、「反物事案」とか、論外の馬鹿話にも付き合っているし、たぶん性格も通じ合うのかもですね。
荒木といい西岡といい、とても人間として付き合いかねる連中だと思いますが、ある意味家族会の人たちは、連中に意見のひとつもいえなくなっていると思います。連中の主張は、私が家族会のメンバーなら、「てめえ、馬鹿も休み休み言え!!!」と怒鳴りたくなるような代物です。北朝鮮への自衛隊の突入なんて話だって、「国会答弁でも否定的だったし、産経新聞にも無理だという社説が出た。もうそういう話をするのはやめよう」くらいの意見は出ないんですかね。出ないんでしょうけど、「所在が確認できない」「平壌で、拉致被害者を救出するのは現実性がない」くらいの常識を、拉致被害者家族が理解できないとは私には思えませんけどね。
でもこういう話を書いていると、実にむなしいですね(笑)。けっきょく単なる愚にもつかない政治運動でしかないじゃないですか(笑)。まあ世の中そんなもんだとは思いますが、そう考えると、今日の拉致問題のあまりに無残な現状は、まさに蓮池さんみたいなまともな人間が追い出され、横田の奥さんみたいな非常に困った人間がちやほやされるということに象徴されているということかと思います。おんなじ話をさんざん繰り返しますが、拉致問題が悪質な政治活動家連中に徹底的に食い物にされたということです。外務省の某官僚氏が増元照明氏に言ったという
>運動団体の人間と一緒にやらない方が良い
という発言がいかに正しかったかということです。某官僚氏はたぶん今頃、
「ほれみたことか、こっちの話を聞かないからだ。馬鹿どもめ」
くらいの考えでいるんじゃないんですかね。本当に世話になった小泉純一郎氏や田中均氏を罵って、利用ばかりした安倍晋三や荒木・西岡みたいなクズ連中に依存するからこういう事態になるのです。馬鹿の極致です。なんとも無様で無残な光景です。
なお、この記事は、bogus-simotukareさんのこちらの記事などを参考にしました。感謝を申しあげます。