昨日プロ野球のパシフィックリーグに詳しい方についての記事を書いたので、ついでですからパシフィックリーグネタを。
あるスポーツライターの死を追悼する埼玉西武ライオンズという野球チームは、1979年から国土計画(後コクド。2006年にて解散)をオーナー企業としたわけですが、それ以前は2年間「クラウンライターライオンズ」なる名前でした。これは「クラウンライター」なる会社がオーナー企業だったというわけでなく、ネーミングライトを取得した企業だったというわけです。それ以前は「太平洋クラブライオンズ」という名前を3年間名乗りましたが、これもネーミングライト取得企業だったわけで、実際に運営していたのは、「福岡野球」なる企業です。
この会社の正式名称は、「クラウンガスライター」でしたので、本来ならこの野球チームは、「クラウンガスライターライオンズ」なる名前であるべきでしたが、名前が長ったらしいという判断とかで、「クラウンライターライオンズ」となりました。ネーミングライトをせっかく取得したのに、そんな精神でいいんかよという気がしますが、けっきょくその名前でチームが発足、2年この名前が続き、上記のように国土計画に売却されたわけです。
それでこの「クラウンガスライター」という会社ですが、81年に廣済堂(出版社や印刷業などを営むあの会社です)に吸収され、まもなくライター製造稼業をやめてしまいました。つまり、野球稼業から撤退したあと、たった数年しかライター稼業を継続しなかったようなのです。
それで考えます。やる気がねえな(苦笑)と。
どっちみちクラウンガスライターに明るい未来なんかなかったのかもですが、数年後に事業をしなくなってしまう会社だから、そんな程度のやる気のなさだったんだろうなという気はします。いや、実際のところはよく知りませんけどね。
それ以前の「太平洋クラブ」という会社も、スポンサー料が滞り、やむなくユニフォームの前面が大きな背番号だったことすらありました。つまり企業名をユニフォームに載せることができなかったわけです(笑)。アメリカンフットボールじゃないだろうと思うし、後にこの会社は会社更生法を適用されたくらいで、どっちみち経営が安定していない会社だったのでしょうが、つまりはその程度の企業しかネーミングライトの話にのってくれなかったということでしょう。いまなら、たぶん本拠地名とかを出してしのぐでしょうが、当時は肩などには入れても、そのような前面に出す発想がなかったのでしょう。
プロ野球の世界も、かつての大映みたいに、矢つき刃折れみたいに、ほぼどうにもならなくなってチームを手放したところもありますが(事実倒産しちゃったくらいですから)、ネーミングライトを取得したのにその名前すら、適当に済ませている企業もあるわけです。付き合いとかいろいろでしょうが、いずれにせよそれもどうかという気はします。