ここ数日、拙ブログのアクセスで、この記事がよく読まれているので、ちょっと不可解でした。下のスクリーンショットは、昨日(12月7日)の拙ブログと管理画面から。
マリア・シュナイダーが亡くなったたとえばこのブログで取り扱った女優の出演作品がテレビ放送されたとき、1日その女優の記事が高いアクセスとなることはよくあります。しかしマリア・シュナイダーの場合数日続いているので、え、彼女についてなにかあったのかいと思ったわけです。いかんせん5年も前に亡くなっているし、また彼女が本当に女優として活躍できたのは、正直70年代の数年間くらいでしょう。その彼女がいまさらなぜ、と考えたわけです。そうしたら次のような事情だったわけですね。
>俳優たちが激怒! 映画『ラストタンゴ・イン・パリ』のレイプシーンは本物だった
ELLE ONLINE 12/6(火) 21:20配信
マーロン・ブランド演じる中年男性が、マリア・シュナイダー演じる若い女性をレイプするシーンが物議を醸し、上映禁止になった国もあった映画『ラストタンゴ・イン・パリ』。ベルナルド・ベルトルッチ監督が2013年にこの映画について語ったインタビュービデオが公開され、衝撃の事実が明らかになった。
ベルトルッチは「撮影現場でブラントと朝食をとっているとき、バゲットとバターがあった。お互いに何も言わなかったが、何を思いついたのかはわかった」「ある意味、マリアに対してひどいことをしてしまったのだろう。彼女には事前に何も話していなかったから」と、バターを使ってレイプシーンを撮ることをマリアに知らせなかったことを告白。彼女の合意を得ずに撮影された本物のレイプだったことを認めた。
俳優たちが激怒! 映画『ラストタンゴ・イン・パリ』のレイプシーンは本物だった
この作品を撮影後、心を病み、その後自殺も図ったこともあるマリア。レナ・ダナムは精神病院に自ら入ったマリアと恋人の写真をインスタグラムにアップし「R.I.P. アートがあなたを解放するものではなく、痛みになってしまったことを本当に気の毒に思う」と2011年に亡くなったマリアに追悼の気持ちを表明。
怒りの声は男優からも。クリス・エヴァンスは「この映画をもう二度と見られない。ベルトルッチもブランドもこれまでのようには見ることができない。不愉快なんてものではない。怒りを感じる」とツイート。
ベルトルッチ監督はインタビューで「後悔してはいないが、罪悪感はある」「女優としてではなく、マリアの女の子としての反応、彼女の屈辱を撮りたかった」とも。この監督の姿勢、そして作品そのものへの評価について論議が続くのは間違いなさそう。
(text : Yoko Nagasaka)
>「ラストタンゴ・イン・パリ」合意なしの強姦シーンをハリウッドスターが非難
映画.com 12/6(火) 23:45配信
ベルトルッチ監督の3年前の 発言が物議を呼んでいる
[映画.com ニュース] イタリアを代表する巨匠ベルナルド・ベルトルッチの問題作「ラストタンゴ・イン・パリ」(1974)をめぐり、ハリウッド俳優たちから非難の声が上がっている。過激な性描写でセンセーションを巻き起こした同作の強姦シーンが、当時19歳だった仏女優、故マリア・シュナイダーさんの合意に基づいていなかったことをベルトルッチ監督が認めたためだ。
米ELLE誌が、2013年に仏パリのシネマテーク・フランセーズ開催されたイベントでの動画を取り上げたことが騒動の発端。この動画でベルトルッチ監督は、主演の故マーロン・ブランドさん(当時48歳)とともに、強姦シーンの詳細を事前にシュナイダーさんへ知らせなかったことを肯定。「女優としてではなく、ひとりの少女としてのリアクションが欲しかった」と弁明し、「何をするのか伝えなかったという意味で、マリアにはひどいことをしたと思っている」が、「後悔はしていない」と語っていた。
3年前の発言が発掘された形だが、ELLE誌の記事を見た女優ジェシカ・チャステインは、「この映画を愛するすべての人へ。あなたが見ているのは、48歳の男にレイプされている19歳の少女です。監督は計画的に彼女を襲ったのです。吐き気がするわ」とツイート。この意見に女優エバン・レイチェル・ウッドも賛同し、「言語道断で、胸が痛む。これがまかり通ると思うなんて2人とも異常だわ」と非難した。
その他、俳優クリス・エバンスは、「ベルトルッチやブランド、この映画に対して、2度と同じ見方はできない。不愉快の域を通り越している」と激怒。女性の権利を常々訴えているエバ・デュバーネイ監督も、「映画監督として、まったくもって理解できない。ひとりの女性として、ゾッとするし、不快だし、激しい怒りを感じる」と糾弾した。米バラエティによれば、ベルトルッチ監督に授与された賞の剥奪や、起訴を求める声も上がっているようだ。
シュナイダーさんは同作で一躍有名になるが、その後作品に恵まれることはなかった。薬物依存や精神疾患を抱え、11年に58歳の若さで死去。07年の英デイリー・メール紙のインタビューでは、問題のシーンについて「屈辱だったし、正直に言うと、マーロンとベルトルッチに性的暴行を受けた気分だった」と告白。「あのシーンの後、マーロンから慰めや謝罪はなかった。1テイクだけですんだのは、不幸中の幸いだった」と語っていた。
>映画 「ラスト・タンゴ・イン・パリ」の暴行場面めぐる非難に監督反論
BBC News 12/7(水) 12:24配信
1972年の公開当時から性描写が議論になった映画「ラスト・タンゴ・イン・パリ」の撮影で強姦場面の撮影が女優の同意を得ていなかったのではないかとインターネットで騒ぎになったことを受け、ベルナルド・ベルトルッチ監督(76)が「ばかげた誤解だ」と反論した。
映画の撮影があらためて物議を醸すきっかけになったのは、ベルトルッチ監督の2013年のインタビュー。強姦場面でバターを使うと決めたのは、撮影当日の朝で、強姦される役の女優マリア・シュナイダーさんの同意を事前に得ていなかったと話していた。このビデオが今月初めになって再び浮上し、ソーシャルメディアで映画関係者を含めて大勢が怒りを表明した。シュナイダーさんが実際に強姦されたと思い、怒る意見も多く飛び交った。
ベルトルッチ監督は5日に反論の声明を発表。強姦場面は脚本に含まれていたのだからシュナイダーさんは事前に知っていた、知らせなかったのはバターを使うという点だけだったと説明し、実際の性行為はなかったと言明した。
映画では、マーロン・ブランドさん演じる主役ポールがシュナイダーさん演じるジャンヌを強姦する際、バターを潤滑剤として使う。
2011年にがんのため58歳で亡くなったシュナイダーさんは、2007年に英紙デイリー・メールとのインタビューで、実際の性交はなかったものの、場面は脚本になかったため、撮影は「屈辱的」で、「マーロンとベルトルッチの両方に少し強姦されたような気分だった」と話していた。またシュナイダーさんは、自分が後に薬物依存症となり自殺未遂を繰り返したのは、この映画でいきなり世界的な注目を浴びたせいだと述べていた。
2013年のインタビューでベルトルッチ監督は、バターを使う場面についてシュナイダーさんと十分な事前打ち合わせをしなかったと認め、理由として、演技ではなく本物の「屈辱」を表現してもらいたかったからだと説明していた。この中で監督は、「ある意味でマリアにひどいことをした。何がどうなるか言わなかったので。なぜかというと、女優ではなく女の子としての反応が欲しかったからだ」と話し、「罪の意識は感じる」ものの撮影手法について「後悔はしていない」と述べた。
さらに2013年のインタビューで監督は、シュナイダーさんはその結果「その後一生、僕を憎んでいた」と認めた。
「ラスト・タンゴ・イン・パリ」は公開当時、イタリアで上映禁止となり、米英など複数の国で検閲を求める訴えが起こされた。
2013年の監督インタビューを取り上げた2日付の女性誌記事に反応して、米女優ジェシカ・チャステインさんは「この映画を愛する全ての人に。あなたたちは、19歳が48歳の男に強姦されるのを見てるんですよ。暴行は監督の計画だった。胸が悪くなる」とツイートした。
米ドラマ「ウエストワールド」の女優エヴァン・レイチェル・ウッドさんも、「同意。胸が痛いし、とんでもない話。そんなことをして大丈夫だと思うなんて、2人はすごく病んでる」とツイートした。
米マーベル映画シリーズのキャプテン・アメリカとして人気の米俳優クリス・エバンズさんは、「この映画もベルトルッチもブランドも、二度と前のようには見られない。これは気持ち悪いなんてことじゃ収まらない。激怒してる」とツイートした。
○ 監督 「マリアはすべてを知っていた」
5日に発表した声明で、ベルトルッチ監督は「ばかげた誤解をはっきりさせて、決着をつけたい」と書いた。
「(バターを)このような不謹慎な形で使うことに、彼女の生の反応が欲しかった。誤解はそこから生じている」
「自分が受ける暴力についてマリアは知らされていなかったと、そう思った、そして今でも思っている人たちがいる。それは違う!」
「脚本にはすべて描かれていて、マリアは脚本を読んでいたのだからすべて知っていた。新しい要素は、バターのアイディアだけだった」
「このことがマリアを動揺させたのだと、私は何年も後になってから知った。映画の脚本が描き、あの場面が描いた暴力ではなく」
○ シュナイダーさん 「本物の涙を流していた」
2007年の英紙インタビューで、シュナイダーさんは問題の場面は「最初の脚本にはなかった」と話している。
デイリー・メールに対してシュナイダーさんは、「本当のことを言えば、思いついたのはマーロンだった。撮影する直前になって初めて聞かされて、私はものすごく怒った。エージェントに電話するとか、弁護士にセットに来てもらうとかするべきだった。脚本にないことをゴリ押しするのは許されないので。でも当時の私は、そんなこと知らなかった」と話した。
「マーロンは私に、『マリア、心配しないで。ただの映画だから』と言った。でも場面の間中、マーロンのやってることは本当じゃなかったけれども、私は本物の涙を流していた」
(英語記事 Last Tango rape row a 'misunderstanding')
(c) BBC News
最終更新:12/7(水) 12:24BBC News
個人的な意見を書きますと、ベルトルッチのような人間なら、そういう撮影をすることはじゅうぶんありえるみたいな気がしてしまいます。実際「ドリーマーズ 」では、 エヴァ・グリーンの性器を画面に映しているくらいです。