過日(5月13日)TBSテレビの「バース・デイ」という番組で、伊達公子の特集をしていました。
1970年生まれの伊達は、テニス選手の絶頂期であった25歳(誕生日の直前に引退しました)の1996年に引退、その後結婚しますが、2008年に現役復帰します。それだけでもすごいですが、15年に怪我をして半月板の手術をして、ようやく1年半のリハビリを経て、今年5月トーナメントに復帰します。
さすがにもう引退でいいんじゃない?
と、誰しも思うし、現実今後どれくらい彼女がプレーできるか、どれくらい実績を上げられるかは不明ですが、正直あまり期待できないでしょう。
彼女が選手に復帰したのは子どもができなかったこともあるでしょうし、詳細な理由は知りませんが、ドイツ人カーレーサーの夫とも離婚しました。たぶん彼女が現役を続けていることとこの離婚は無関係ではないでしょう。
40代でテニス選手をしているというのもすごいですが、さすがに怪我をして1年半ブランクが生じたら、ちょっと現役続行は難しいし、したらかなり無理が生じるのでしょうが、彼女は現役を続けることを決意しました。彼女はいろいろテレビの前で語っていましたが、けっきょくやめるタイミングを逃したのでしょう。
テニス選手というのは完全な文字通りの個人スポーツであり個人事業主ですから、野球とかサッカーみたいな所属している球団、クラブからの戦力外通告により現役引退を余儀なくされるということはありません。所属しているチームから追い出されたら、そうしたければ自分で活動すればいいわけです。つまり、続けたければかなりの時点まで現役を続けられる。それはいいことかもですが、引退するタイミングをつかむのが難しいという側面もあります。
彼女のような復帰組ではありませんが、イチローや三浦知良も本来なら引退したほうがいいのでしょう。が、彼らもやはりそのタイミングを逃した感があります。イチローはMLBでプレーすることを望むでしょうから今年いっぱいで引退かもしれませんが、三浦はJ2でプレーですから、調子のいいときや相手によりけりで出場できるし自分のペースでやれます。そうすれば現役は続けられます。イチローもそうでしょうが、三浦は他人が「そろそろ・・・」というのを言いにくいレベルの人間です。ご当人しだいのところがあります。それは仕方ないですが、伊達のように1年半のブランクができてしまって現役復帰というのは、三浦とくらべても相当無茶でしょう。怪我をしてやめるという選択肢が彼女にはなかったのでしょうが、これからはかなり厳しいでしょうね。
余談を申しますと、たぶんですが、イチローは昨年いっぱいで引退するのがひとつのタイミングだったのでしょうね。今シーズン彼の成績はきわめてよろしくありません。本人の自覚しだいですが、来年現役続行するとしてもあまり楽観的にはなれそうにありません。
伊達ががいつ引退するかは分かりませんが、引退するとき彼女は「やりきった」と思えて引退するのか、「長く現役を続けすぎちゃった・・・」と考えて引退するか、私としてはぜひ「やりきった」という引退をしてほしいのですが、どうなることか・・・。
しかしスポーツ選手の引退に限らずほかのことでも世の中タイミングって重要だなと思います。なんでもタイミングを逃しちゃうと、いろいろさしさわりがある。私の勝手な想像ですが、伊達公子って、最初の引退の際、少し早すぎたという後悔があるんでしょうね。ご当人がそういった発言をしているかどうかは知りませんが、自分の最初の引退が適正なタイミングだったとか遅すぎたと考えているのなら、たぶん現在こんなに長く現役は続けていないでしょう。
たぶん子どもができなかったことによる心の喪失感の代替行為という側面も非常に大きいのでしょうが、やはり何かを始めるタイミング、やめるタイミングその他いろいろ大事ですね。人間は、たぶん死ぬタイミングみたいなものも考えなければいけないと思います。不要な延命措置は拒否するとかいろいろありそうです。