懲りない馬鹿には事欠かない

過日の報道より。

＞17.7.11 21:06

【近大ボクシング部 監督セクハラ】
日本連盟の山根会長「反省の言葉一切ない。悲しく悔しい」

　日本ボクシング連盟の山根明会長は１１日、２０１２年ロンドン五輪代表だった近畿大ボクシング部の男性監督（２９）が、教え子の女子選手にセクハラ行為をしたとされる問題で取材に応じ「（本人から反省の言葉は）一切ない。悲しく悔しい」と話し、セクハラ行為を認定して近く除名処分とする方針を強調した。

　山根会長によると、６月２８日に選手の母親から連盟に訴えがあった。母親から受け取った文書をもとに選手にも確認したところ、監督は昨年から日常的に性的行為を求める言葉を発していたほか、後ろから抱きつくなどの行為や「言うことを聞かなければ練習を見ない」という趣旨の発言もしたという。同会長が監督に電話でただすと「冗談で言った」と話したという。

　近大や山根会長によると、近大ボクシング部ではことし３月の練習中、男性総監督が男性コーチをしかる際に暴力を振るったとして、６月に辞任しているという。

もうひとつ。

＞ボクシング

近大監督セクハラ、所属女子選手に　連盟、懲戒処分へ

毎日新聞2017年7月11日　東京朝刊

　全日本大学ボクシング王座決定戦１０回優勝の近畿大ボクシング部の男性監督（２９）が教え子の女子選手にセクハラ行為などをしたとして、大学から自宅待機を命じられた。男性監督は２０１２年ロンドン五輪代表で、昨年４月就任。日本ボクシング連盟は事実関係を把握しており、懲戒処分を下す方針だ。

　同連盟や大学によると、男性監督は同部の特定の女子選手に対し、性的行為を求める発言を日常的に行い、拒否した女子選手をいじめるなどパワハラ行為もしたという。

　山根明・同連盟会長は「選手の親から訴えがあった。（セクハラ発言を）録音した音声もある。指導者としてあり得ない行為」と認めたうえで「連盟幹部会議で処分を協議したが、除名する方針」と明かす。大学広報部は「（問題行為の）期間など事実関係を調査中。事実なら厳正に処分する」と説明し、男性監督は先月２９日から自宅待機中という。

　同部は関西学生リーグで３６連覇を含む３７回優勝の名門。０９年に部員２人の強盗事件を受けて廃部になったが、１２年１０月に復活。現在は男子２６人、女子４人の選手が所属している。

　男性監督は東京の大学を卒業後、社会人選手として活躍。昨年のリオデジャネイロ五輪代表の有力候補だったが、近畿大監督に転身した。【来住哲司】

・・・ほんと懲りねえ人間ですよね（呆れ）。こういうのはまだまだ日本のスポーツ界に蔓延しているのかもですが、それにしたってねえ。他大学出身で、しかもオリンピックにまで出場した人が、こんな愚にもつかないことで「除名」なんていう事態にならなくてもいいじゃないですか。本当に救いがない。

＞監督は昨年から日常的に性的行為を求める言葉を発していたほか、後ろから抱きつくなどの行為や「言うことを聞かなければ練習を見ない」という趣旨の発言もしたという。

そういうことをほざいてトラブルにならないと本気で考えていたのでしょうか。あまりに危機意識も社会常識も欠けていますね。これって自衛隊や体育会という極端な階級社会でろくでもない目にあっていたが故の反動みたいな側面があるのですかね。そうだとしたって論外にもほどがありますが、だとしたら自衛隊体育学校とかこの人物が所属していた拓殖大学のボクシング部とかいうところは、最低レベルの人間教育もできていなかったということになりかねません。

ずいぶん以前、こんな記事を書いたことがあります。 

ここで問題となった当時の女子代表監督の園田氏という人物は、当時警視庁の警官です（おいおい。現在は退職）。どうでもいい話ですが、私は警察の柔道や剣道とかの武道指導枠で採用される人って、事務職採用だろうと以前考えていたのですが、あるいは他の道府県警はちがうのかもですが、警視庁って警官なのですね。待遇の問題でそうなのかもですが、昇進とかも別枠のはず。梶原一騎のマンガに父親が登場したのでも知られる（あれはフィクションですけどね）棟田康幸は、現在警視庁の警部補です。彼は1981年生まれで現在36歳とすると、その年齢ではそう簡単になれる階級ではない。本来それなりの勤務成績と昇進試験合格を必要とするはずですが、彼の昇進はたぶん特例枠のはずです。そんな話ははともかく、園田氏は警官というより本業は柔道家だったのでしょうから、あんまり彼を「警官のくせに」とか「警官てのは、そんな態度で日々仕事しているんかよ」とか非難してもしょうがないのかもですが（実際のところ、警察というのもかなりめちゃくちゃなところはあります）、公務員(当時）がそんな態度ではよろしくないなと思います。

そういえば同じ柔道界で、こんな不祥事があったじゃないですか。

この人物は、オリンピックで連覇しているくらいです。つまり柔道家としては、最高レベルの実績があるわけです。それで、この人が素行ほか相当な問題があることは、柔道界だって重々承知だったはずですよねえ。そして彼が、女子柔道の指導者になるという時点で、「それまずいんじゃないの」と考えた人も、たぶん1人や2人ではないと思います。そして想像以上に言語道断なことをしでかして実刑判決を受けました。つまりは、柔道界は、まさに日本柔道の歴史に金字塔を打ち立てた人物をろくに教育できずに最低最悪の不祥事を起こさせてしまったわけです。あまりに事態が重大すぎて、ちょっとどうしようもない件でしたが、当事者である柔道界ばかりでなく、他のスポーツ界も、この件は大いなる反省材料になったはずです。ボクシングだって、同じ格闘技であること、指導者が男性が多い、など柔道と共通する点も多い。今回のコーチについては、人間性とかを大学側がどう判断していたのか不明ですが、最低レベルの常識も欠如していたといわれても仕方ないでしょう。ご当人についてはもうどうしようもないとして、大学側ももう少しご当人の素行について考えたほうがよかったんじゃないんですかね。

で、このコーチについて考えてみると、園田氏や内芝某のしでかしたような不祥事に全然学んでいませんね（呆れ）。この人だって、そういう不祥事があったということを知らないわけでもないでしょうに。それで程度はあれ実にばかばかしいことをしでかしてこのような事態になる。ほんと過去に学ばないし、懲りませんね。オリンピック選手のようなアスリートは人格者であれとまでは言いませんが、あまりに勘違いと馬鹿の程度がひどすぎる。自分が馬鹿をみるだけでなく、学生らは当然として、このコーチの周囲の人間にいたるまで取り返しのつかない迷惑をかける。本当に困りますね。私がこのブログで何度も記事を書く、社会人時代に不祥事（性犯罪）を起こして会社を追い出され、ドラフトで忌避されたにもかかわらず、なんとか努力の末にプロ野球選手の座を勝ち取ったのに、またまたほとんど意味不明の性犯罪を起こして逮捕・実刑になった野球選手（堂上隼人）を思い出します。堂上だってどれだけ周囲の人間が失望し、迷惑がかかったか分かったものじゃないですが、今回の不祥事は刑事事件になっても実刑にはならないかもですが、これまた関係者に取り返しのつかない迷惑をかけたと思います。

それにしても近畿大学のボクシング部というのもちょっと不祥事が多すぎますね。これではどうしようもありません。廃部にしろとまではいいませんが、関係者は猛省してもらいたいものです。