さすがにこれひどいニュースですよねえ。朝日新聞より。
＞陸自内で保管の日報「非公表」、稲田氏出席の会議で協議
2017年7月19日07時05分
南スーダンの国連平和維持活動（ＰＫＯ）に派遣されていた陸上自衛隊の部隊が作成した日報が、「廃棄した」とされた後も陸自内で保管されていた問題で、陸自内の文書の存在について対応を協議した省内の幹部会議に、稲田朋美防衛相が出席していたことが分かった。複数の政府関係者が明らかにした。
ＰＫＯ日報、発見後に非公表を指示 幹部間で調整か
政府関係者によると、組織的な隠蔽（いんぺい）があったかを調べている防衛相直轄の防衛監察本部に対し、陸自はこうした経緯を報告しているという。同本部は関係者から聴取するなど事実関係の確認を進めている。
政府関係者によると、この会議は２月中旬に開かれ、稲田氏のほか、黒江哲郎事務次官や陸自幹部らが出席。情報公開請求に「廃棄した」としていた昨年７月の日報が陸自内に電子データとして保管されていたことが判明したため、その事実を公表するかが協議された。
会議では、陸自に残っていた電子データについて「隊員個人が収集したデータであり、陸自の公文書ではない」との認識を共有。最終的に、陸自に保管されていた事実は公表しないことが決まったという。
稲田氏は３月の衆院安全保障委員会で、陸自内でデータが見つかったという報告を受けていたかどうかを民進党議員から問われ、「報告はされなかった」と答弁している。稲田氏は１８日夜、自身が非公表を了承したかどうかについては「ご指摘のような事実はない」とコメントした。
日報は情報公開請求に不開示とした後、昨年１２月に統合幕僚監部で発見。今年２月になって、統幕内でみつかったデータとして公表された。日報には南スーダンの首都ジュバの当時の状況について「戦闘」と記されていた。３月になって「１月に陸自で日報がみつかっていた」などと報道があり、稲田氏は特別防衛監察を指示していた。
■南スーダンＰＫＯと日報をめぐる経緯
【２０１６年】
７月 南スーダンのジュバで「戦闘」と日報に記載
９月 フリージャーナリストが７月の日報の開示を請求
１２月 日報を「廃棄していた」として防衛省が不開示決定
統合幕僚監部に日報の電子データが残っていたことが判明
【２０１７年】
１月 陸自で日報の電子データを確認
稲田氏に統合幕僚監部内での日報発見を報告
２月 統幕内でみつかったデータとして日報を公表
陸自内でみつかったデータの対応を協議した幹部会議に、稲田氏が出席
３月 「１月に陸自内で日報がみつかっていた」などの報道を受け、稲田氏が特別防衛監察を指示
では共同通信の記事を。出典は、東京新聞から。
＞稲田防衛相、組織的隠蔽を容認 陸自にＰＫＯ日報、国会で虚偽答弁
2017年7月19日 朝刊
南スーダン国連平和維持活動（ＰＫＯ）部隊の日報を廃棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、稲田朋美防衛相が二月に行われた防衛省最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非公表とするとの方針を幹部から伝えられ、了承していたことが分かった。複数の政府関係者が十八日、明らかにした。防衛省・自衛隊の組織的隠蔽（いんぺい）を容認した形になる。
稲田氏はその後の国会で、一連の経緯の報告を受けていないとし「改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたい」と答弁。国会でも虚偽の説明をしたことになり、防衛相辞任を求める声が強まり、安倍晋三首相も任命責任を問われるのは確実だ。
稲田氏は十八日、当該の会議で非公表の方針を了承したかどうかの事実関係について、共同通信の取材に「ご指摘のような事実はありません」と書面で回答した。
複数の関係者によると、緊急会議は二月十五日、防衛省で開かれた。稲田氏や事務方トップの黒江哲郎事務次官、豊田硬（かたし）官房長、岡部俊哉陸上幕僚長、湯浅悟郎陸幕副長らが出席。情報公開請求に「廃棄済み」とした日報が陸自に電子データで残されていたことについて、事実関係を公表するか対応を協議した。
陸自は一月十七日、岡部幕僚長に保管されていたことを報告し公表の準備を始めたが、会議では、陸自のデータは隊員個人が収集したもので公文書に当たらないなどとした上で、「事実を公表する必要はない」との方針を決定。稲田氏は異議を唱えず、了承したという。
三月に入り、報道によって陸自に日報が保管されていた事実が明るみに出た。稲田氏は同月十六日の衆院安全保障委員会で、民進党議員から一連の隠蔽行為の報告を受けていないのか問われ「報告はされなかったということだ」と否定した。
日報を巡っては、情報公開請求を不開示とした後、昨年十二月に統合幕僚監部で発見。その後、陸自でも見つかったが、一月二十七日に統幕の背広組の防衛官僚が、報告に来た陸上幕僚監部（陸幕）の担当者に「今更陸自にあったとは言えない」と伝達。二月にデータは消去された。
防衛省は二月六日、統幕で見つかった事実を公表し翌七日、一部を黒塗りで公開。陸自での保管の経緯は防衛相直轄の防衛監察本部が特別防衛監察を実施中で、近く結果を公表する見通しだ。
◆「戦闘」表現巡り議論
＜ＰＫＯ日報問題＞ 南スーダンＰＫＯに、政府は２０１２年１月～１７年５月、陸上自衛隊の部隊を派遣。首都ジュバで大規模戦闘が起きた昨年７月に現地部隊が作成した日報の情報公開請求を、防衛省は昨年１０月に受理。同１２月２日に「陸自は廃棄済み」として不開示決定したが、１２月２６日に同省統合幕僚監部に電子データで保管されていたことが判明、今年２月に公開した。３月には陸自内部にも残っていたことが発覚し、防衛監察本部が特別防衛監察を実施している。日報の「戦闘」との表現を巡って「武力衝突」としてきた政府見解との落差が国会で議論になった。
それで私がちょっと興味深く感じたのが、読売ですら1日遅れでこの件で同じように稲田が報告を受けていることを認めた記事を書いたことです。
2017年07月20日 07時07分
南スーダンの国連平和維持活動（ＰＫＯ）に派遣された陸上自衛隊部隊の日報を巡る問題で、稲田防衛相が今年２月１５日に防衛省内で開かれた会議で、日報のデータが陸自内で保管されているとの報告を受けていたことが、政府関係者への取材でわかった。
稲田氏は陸自内での保管について、「報告はなかった」と国会などで一貫して述べているが、関係者との食い違いが鮮明になり、野党の追及は必至だ。
複数の政府関係者によると、省内で２月１５日、日報問題に関する国会答弁の打ち合わせがあり、この席上、陸自側から、日報が保管されているが「隊員個人が収集したデータで、（情報開示対象の）公文書ではない」との趣旨の説明があったという。また同時期、黒江哲郎次官や岡部俊哉陸上幕僚ばくりょう長ら同省幹部による会議が開かれ、陸自の日報について「個人データのため公表の必要はない」との認識で一致していたことも判明した。
安倍晋三を守るためなら、前川前文科事務次官へのめちゃくちゃなデマ記事を書いた読売ですらこういう記事を発表するというのは、これはもう極端な安倍サポーターも、稲田朋美がきわめて厄介な人物、かばいきれない人間であると認識したということでしょう。安倍の意思に反してもです。産経と読売は、例の都議選での稲田の問題発言の際、朝日ほかが稲田をやめさせろと主張したのに対し、安倍がそれを望まないということでそのような主張をしませんでした。どう考えても安倍政権のためには稲田を切り捨てるほうが得策なのですが、読売と産経は、そんなこと百も承知でそのような主張をしなかったわけです。あんたたち、どんだけ安倍のこと好きなのよとあきれ返りますが、産経はともかく読売がこういう記事を流したのは、積極的に解任しろとまでは主張しないまでも、少なくともこの件で稲田のこの問題を記事にしないわけにはいかないと考えたということです。まあ言外に「いまからでも稲田を切り捨てろ」と安倍に要求しているんでしょうね。産経は、産経だって稲田にはとっくに愛想を尽かしているでしょうが、まだ大要「そういう報道がある」というスタンスですが。それで日本テレビとフジテレビという、上の2新聞社と同系列のテレビ局も、次のような報道をしています。
7/20(木) 12:46配信 日テレNEWS24
南スーダンに派遣されていた自衛隊部隊の日報をめぐる問題で、日報を廃棄したと説明した陸上自衛隊でも実際には日報が保管されていたことについて、防衛省関係者が今年２月に稲田防衛相にも報告したと話していることが明らかになった。国会記者会館から加藤聡記者が伝える。
稲田防衛相はその後も国会で「報告を受けたことはない」と答弁していて、答弁が虚偽だった可能性が出てきている。
防衛省幹部によると、今年２月１５日に、黒江事務次官ら防衛省の幹部が集まり、陸上自衛隊でも日報を保管していた事実が報告され、公表しない方針を確認したという。また、複数の防衛省関係者が同日に稲田防衛相に対しても報告したと話していることが新たにわかった。
一方、稲田防衛相は１９日、記者団に対して「報告を受けた認識はない」としている。
この食い違いについてある防衛省幹部は、「稲田大臣は報告を受けても、ことの重大性を理解できなかったのではないか」と話している。
安倍首相は、来月３日に予定されている内閣改造で稲田防衛相を交代させて問題の幕引きをはかりたい考え。そのため、日報問題をめぐる防衛監察本部による調査についても、近日中に公表して区切りを付けたい考え。
一方、後任の防衛相として、政権幹部は「なぜ防衛大臣にふさわしいのか明確な人をあてたい」としていて、防衛相経験者など安保政策に精通した議員が起用されるものとみられる。
一方、野党側は「安倍首相の任命責任は大きい」として、来週行われる集中審議でも追及していく方針。
7/20(木) 12:17配信 Fuji News Network
南スーダンでのPKO(国連平和維持活動)の「日報」の公開をめぐる問題で、2017年2月、稲田防衛相が陸上自衛隊の幹部から、陸自内に日報のデータが残っていたという報告を受けていたことが、複数の政府関係者への取材でわかった。
関係者の証言や、FNNが入手した資料によると、稲田防衛相への説明は2月13日の夕方に大臣室で行われた。
陸自ナンバー2の湯浅陸幕副長が、パソコンの端末内に日報のデータが残っていたことを説明したところ、翌日に定例の会見を控えていた稲田防衛相は「けしからん。あした(会見で)なんて説明しよう」と述べたという。
稲田防衛相は19日に記者団に対して、「報告があったという認識はない」と否定していて、20日も、事前の報告の有無については一切答えなかった。
7/20(木) 17:23配信 Fuji News Network
Fuji News Network
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南スーダンPKO(国連平和維持活動)の日報問題。
陸上自衛隊が日報を保管していたにもかかわらず、公表しなかった。
隠蔽(いんぺい)ではないかとされる問題だが、この問題の発覚後、稲田防衛相は、「自分自身には報告はされなかった」と繰り返し答弁をしてきた。
19日も、あらためて報告を否定している。
しかし、稲田防衛相は、この前の時点で報告を受けていて「けしからん。あす、なんて答えよう」とまで話していたことが新たにわかった。
新たな証言などによって、これまでの答弁や説明が虚偽だった可能性が出てきたのは確かで、稲田氏は19日も「事前の報告はない」と否定していただけに、さらに厳しい立場に立たされたことは間違いない。
国会では来週、加計学園をめぐる安倍首相出席のもとでの集中審議が行われるが、ここでも稲田氏の問題は、野党の格好の追及材料になる。
稲田氏は都議選の失言が致命的になり、8月3日の内閣改造での交代が確実とみられていたが、今回の問題を受け、与党内からは、内閣改造を待たずに更迭すべきだとの意見も出ている。
政府・与党側からは更迭を求める声が少しずつ強くなっている一方で、8月3日には内閣改造を控えている中で、今、交代させるのは得策ではないという見方もあって、慎重な意見が、現状では大勢を占めているという形。
安倍首相は、近く発表される防衛監察本部の調査結果や世論の動向を見極めたうえで、稲田防衛相の進退については、慎重に判断するものではないかとみられている。
うーん、四面楚歌ですね。特にフジテレビの報道が容赦ないですね（苦笑）。悪いのは稲田だからしょうがないけど（笑）。
＞ 陸自は一月十七日、岡部幕僚長に保管されていたことを報告し公表の準備を始めたが、会議では、陸自のデータは隊員個人が収集したもので公文書に当たらないなどとした上で、「事実を公表する必要はない」との方針を決定。稲田氏は異議を唱えず、了承したという。
いや、そういうことがありえるとは私も考えますよ。でもこれ防衛省の役人（背広か制服かはともかく）がリークしたわけであり、稲田を見放したってことでしょ。とっくに見放していたのでしょうが、まさにサッカーでゴールした後繰り返しボールをゴールにけりこむ、決闘で負けた相手に繰り返し銃弾をぶち込む、プロの野球で終盤大差で勝っている試合に勝っているほうがバントや盗塁をするレベルでしょう。稲田は、いくら安倍に寵愛されているとはいえ、次の内閣改造で防衛相から外れることは分かっている。が、役人はここまでやったということです。しかも1社に流すのでなく、ご丁寧に共同通信と朝日新聞に流しているのがすごいですよね。この2社が同時に報じたということは、たぶん2社とも記事が事実であることの決定的な証拠となる資料を持っているんじゃないんですかね。これだけの重大な内容の記事をちょっとやそっとで断定して書けるわけがない。おそらく裏付け取材もそれなりにされているはずであり、ちょっと稲田は碁でいえば大石を殺された、将棋なら詰んだか必死(逃げ場がなくなる状態）になったんじゃないんですかね。例の選挙の際の馬鹿発言でじゅうぶん稲田は詰んでいるんですが、安倍晋三が助け舟を出したからまだ防衛相の座にいるわけですが、ちょっともう安倍が助けてあげてどうにかという段階じゃないんじゃないんですかね。こんなのはとっくの以前ですが、なおさらです。
稲田が報道を否定するのは当然だし（肯定したら、辞表を出すか罷免されても文句は言えません）、現状官房長官もそれにのっとった発言をするしかないでしょうが、これはちょっと稲田に効果的な反撃の手段はないんじゃないのと思います。共同と朝日が同時に記事を出して読売ですら後追い記事を出したということは非常に重大な事態であり、たぶん稲田が逃げる余地はないと思います。あとはなんとか内閣改造まで待つことしかできないんじゃないか。
そもそも論として、防衛相直属の監察で、防衛相ほか政務三役は監察の対象外で、防衛相ご当人がいちばん怪しいでは、まさに茶番劇にも程があるというレベルじゃないですか。無様で無残にも程があるというものです。公表されたら、野党とマスコミほかからの総攻撃は避けられないわけで、まあみるも無残なことになるかもです。
それで安倍は、無言で逃げるのでしょうが、共同と朝日はたぶん稲田が「アウト」になる資料を持っているはずであり、安倍も8月3日に内閣を改造するまでじっと我慢で逃げるしかないでしょう。しかし安倍が繰り返し稲田をかばった結果がこれですから、任命責任は、他の問題発言をしたりして首になった大臣よりはるかに重大です。だいたい地震が東北で起きてよかったといった人だって、これ自体は社会常識に反する問題発言という次元であって、稲田のさまざまな不祥事とくらべればかわいいものです。
それで考えるに、読売や産経といった安倍政権絶対支持のメディアですら、安倍寵愛の稲田については相当に冷たいというか突き放した態度を取っています。安倍が稲田をかばっているからあからさまに辞職なんていいませんが、しかし連中だって稲田を首にしたほうがはるかに安倍政権にプラスであったことは認識しているわけで、しかし安倍が稲田を徹底的にかばっているからそこまではいわないわけです。それがまさに予想以上のマイナスの結果になりました。
これさすがに稲田に政治家としての明日はないんじゃないんですかね。議員辞職の可能性もあるし、しなくても次の選挙で当選するかも疑わしいし（出馬断念といったこともありえるでしょう）、比例復活でも当選したところでその時の首相が安倍晋三でなければ、その時の首相（自民党の首相だとして）ほか政府自民党の幹部が稲田になんらかの配慮をすることがありえるか。ないでしょうね。ここまでそこら中に迷惑をかける能無し馬鹿とはかかわりあいたくないでしょう。安倍だって、仮に首相を続けてるとしても、在任中に稲田を重用するわけにもいかんでしょう。事実上稲田は首を取られたといっていいんじゃないんですかね。そうだとして、それは稲田とそれをかばった安倍らの不徳のいたすところです。
それにしても安倍も、結果論からすると最悪でも都議選の演説の際に首にしておけばまだ良かったんだけどねえ。稲田が安倍のお気に入りだから（稲田が主導した「百人斬り訴訟」で稲田を気に入ったから、安倍が2005年の衆議院選挙立候補者にスカウトしたのです）、再起を期待して情けをかけたわけですが（うんなもん、稲田でなければ即刻解任です）、まさに「情けは人のためにならず」（これは本来の意味と派生の意味がありますが、どちらにもあてはまります）を地でいくことになりました。
それにしてもひところは、女性最初の首相じゃないかとまで一部報じられていましたが、そんな話は悪い冗談というレベルになりました。すべて悪いのはご当人らの責任ですからしょうがありませんが、安倍晋三も人を見る目のない人間です（笑）。森友の籠池氏もそうですが、危険（無能）な人物に不用意に近づいて容易に手を切れない段階になって、それで自分が危険な目にあうのだから実に度し難い。
私は、安倍は最大限稲田をかばってほしいと考えています。そうすればそれは、安倍のマイナスになる。稲田の苦しみは安倍の苦しみであり、安倍の苦しみやマイナスは、私にとって人生最大最高の喜びです。大っ嫌いな人間が苦しんだり不幸になったりマイナスになることほどうれしいことはない。読者の皆さまは、私の人間性の低さや性格の悪さは重々ご承知でしょうが、ともかく安倍がろくでもない事態に陥ってくれることほど私にとって楽しくて面白いことはないわけです。まーったくあんな馬鹿でクズが首相に復活するから、森友や加計などと同様こういう無様で無残な事態になるのです。どうしようもないとはこのことです。