現天皇の退位を可能とする法が先般の国会で可決になりました。
皇室や宮内庁などの直接の関係者、あるいは右翼ほか極端な天皇支持者はともかく、この関係で一般の生活でいちばん影響があるのが、たぶん元号の変更だと思います。これは私たちの日常生活にいろいろ影響がある。
それで私の個人的意見では、たぶん次の元号の変更で、日本人の元号離れ、元号の衰退はかなり決定的に進むと思います。つまりこれから、昭和××年生まれの人が何歳かというのが、換算するのがかなり面倒になるわけです。
実際には大正15年=昭和元年は1926年ですから、「昭和」と西暦を換算するのは西暦下2桁から25をマイナスすればいいのですが(昭和はすべて20世紀ですからそれでいいわけです)、「平成」は20世紀と21世紀にまたがっていますので、西暦と元号を換算するのにいちいち1988を引く必要があるので面倒です。ていうか私は、脳みその構造が完全に西暦でできているので、もう昨今はいまが「平成」何年であるかもよくわからなくなってきました、というのは大げさですが、役所もどこもみんな西暦に統一すればいいのです。面倒でしょうがない。
元号と西暦の換算式(ただし年途中の元号変更には注意)
明治○年=○+1867
大正○年=○+1911
昭和○年=○+1925
平成○年=○+1988
いわゆる換算表というのはあるし、スマートフォンがあればそれで検索できるし、なくても上の式で自分で計算すればそれでいいわけですが、こんなことに無用に頭を使うのもつまらんことです。だいたい1989年は、1月7日まで昭和64年で、1月8日以降は平成元年だなんて、知っているか調べなければ分かりはしないのだから、不合理きわまりない。これなんか「昭和64年」は7日だけだから(これは「昭和元年」もご同様)まだ「1989年生まれの人の大多数は平成元年生まれだ」と換算できますが、たとえば6月30日とか7月1日に改元があることもありうるわけで、そこまでいかずとも年がある程度過ぎた時点ではそういった類推もできません。まったく不便です。
余談ではありますが、元号を西暦に換算する場合、元号の最後の年の前の年を利用することになります。前の元号最後の年=次の元号最初の年です。
「昭和57年」に生まれた人は今年何歳かなんて、西暦なら2017-1982=35と簡単に答が出ますが、元号で計算すると極端な方法なら29+63-57なんて計算を必要とします。現実にはたいていの人が、換算表とかあるいは西暦に置き換えて計算するでしょうが、明治25年は何年前かなんて話は、29+63+14+44-25=125なんて面倒で仕方ありません。2017-1892=125のほうがずっと簡明だし私のような凡人でも簡単に計算できるわけです。
それで最近の若い夫婦は、子どもが生まれてもだいたいその生年を西暦で把握していることが多いような気がします。平成26年生まれの子どもは今年何歳かなんて話は、次の元号になったら数えるのがさぞ面倒になりますから、2014年生まれと認識していれば、引き算ができればより簡単に自分の子どもの年齢も確認できるということです。こういった流れは止まらないでしょうね。つまりは元号なんてものに固執するのが不合理なだけです。
それで「平成」生まれの人って、厚生労働省の統計から調べると、四千万人にも遠く及ばないわけで、つまり日本の人口の半分にもまるで届きません。とすると当面日本の人口の過半数を「昭和」生まれの人、1927年~1988年生まれ+α(1926年と1989年生まれの一部)が占めるわけで、この人たちの年齢を元号をもとに計算するのは非常に面倒です。そういうわけで、社会はますます西暦にシフトするだろうなと考えます。そうなったほうが私のような人間にはいいわけです。産経新聞あたりは嘆くでしょうが、連中の嘆きは私の喜びです。
ていうか、もともと「元号法」なんて法律を作ったことがあまりに時代錯誤であり実用的に不便だったわけです。これでは台湾で使っている民国紀元のほうが、はるかにましです。あれは辛亥革命の翌年の中華民国建国から数えているから、まだ分かりやすい。
いずれにせよ「元号法」というのは、日本は不合理な道を行く、ということを決意しちゃった法律だと思います。ああいったことを突き進むのは、決してお利口さんな態度ではないし、またそういったことがどんどん現実性を失っていくことが事実によって証明されるのだと思います。
同日のくだらない追記:記事の内容と無関係なヘイト系のコメント(大要そんなに韓国が好きなら住めみたいな)が入ったので削除しました。あしからずご了承ください。どうでもいいけど、ご当人たぶん私を侮辱しようと思ってこういうことを書くんでしょうけど、たとえばニューヨーク大好き人間に、侮辱的な意味で「ニューヨークに住め」なんていうんですかね? あきれた差別野郎です。