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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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車1台でこれだけのテロができてしまう

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バルセロナのこの事件は怖いですね。

バルセロナでテロ13人が死亡100人負傷…メッシ、ネイマールが追悼

8/19(土) 7:03配信 スポーツ報知

 スペインのバルセロナ中心部にある繁華街で17日午後5時(日本時間18日午前0時)ごろ、ワゴン車が歩道に突っ込み、観光客らを次々と殺傷した。地元のカタルーニャ自治州政府によると、少なくとも13人が死亡、約100人が負傷した。スペイン政府はテロと断定、過激派組織「イスラム国」(IS)が系列ニュースサイトで犯行声明を出した。サッカーの「リーガ・エスパニョーラ」の開幕を前に世界中から観光客が集まる中でのテロに、怒りと悲しみの声が相次いだ。

 観光客でごった返す目抜き通りが、1台のワゴン車の暴走で恐怖のるつぼと化した。

 事件があったのは、バルセロナ旧市街のランブラス通り。カタルーニャ広場から地中海に面したコロンブス塔を結ぶ約1キロの通りで、屋台やストリートパフォーマンスで知られる。白いワゴン車は歩道に突っ込むと約700メートルにわたってジグザグに走行。大きな衝突音を発しながら観光客らを巻き込んでいった。警察は4人を拘束したが、運転していた実行犯は逃走。夫婦で現場近くにいた日本人観光客は「みんなが泣いていて何が起きたか分からなかった」と振り返った。

 年間を通じて人気観光地のバルセロナだが、「リーガ―」開幕で特に注目が集まる時期だった。20日には事件現場から4キロほどしか離れていないスタジアム「カンプノウ」でFCバルセロナの開幕戦(対ベティス戦)が予定されている。10万人近い観客が集まるだけに、警備を大幅強化しても緊張感が高まるのは必至だ。

 同チームは公式ホームページ上で追悼声明を発表。当日は半旗を掲揚し、喪章を付けてプレーするほか、試合前には1分間の黙とうをささげると発表した。チームのスターであるFWリオネル・メッシ(30)はフェイスブックで「犠牲者の家族、友人に哀悼の意と全面的なサポートを送り、いかなる暴力行為も完全に拒絶する」。パリSGに移籍したFWネイマール(25)も哀悼のメッセージを寄せた。

 ISは17日、系列ニュースサイトで「ISの戦士が攻撃を行った」と犯行声明を出した。シリアなどでIS掃討作戦を行う米軍主導の有志連合への報復としている。7月にイラク政府がISの拠点だった北部モスルの解放を表明して以降、欧州での大型テロは初めて。車を使い、不特定多数の「ソフトターゲット」を狙ったテロは各地で相次いでいるが、完全に防ぐことは困難で、テロの連鎖は途切れる気配がない。

 警察は逃走した実行犯の特定と身柄拘束に全力を挙げるとともに、背後関係の解明に向け調査。18日未明には、バルセロナの南西約120キロのリゾート地・カンブリスで5人の容疑者が乗用車で群衆に突っ込み、1人が死亡する事件が発生した。同一グループの犯行とみられ、大がかりなテロ計画の疑いが浮上した。16日にはバルセロナの南西約150キロのアルカナーの家屋で爆発があり、1人が死亡。警察はテロとの関連を捜査している。

 ◆バルセロナ スペイン北東部カタルーニャ自治州の州都でスペイン第2の都市。人口約160万5000人(2015年)で商工業が盛ん。住民の多くがスペイン語とカタルーニャ語を話す。地中海に面し、建築家ガウディの代表作サグラダ・ファミリア(聖家族)教会やグエル公園、住宅カサ・ミラなどが観光客に人気。1992年に夏季五輪が開催された。

それでけっきょく書くことはいつもと一緒ですけど、こういうことは止めようがないですね。銃もない、爆薬もない、刃物すらない、という状態で、これだけのテロを起こせてしまうのですから。どうしようもないにもほどがあります。

私がかつて、ずいぶん以前の自動車免許取得で教習所に通っていた時、学科の指導員(あとで聞いたところによると、もともと自衛隊の運転の教官だったとのことでした)がこんなことを言ったことがあります。以下、もちろん録音はしていないので、大意ということで。

指導員「いいですか、ピストルでは6人しか殺せませんよね。車で歩行者天国とかに突っ込んだらどうなりますか! それどころでない被害が出るんですよ!!!」

まさにその通りになってしまいましたね。今回の事件では、

>白いワゴン車は歩道に突っ込むと約700メートルにわたってジグザグに走行。

だそうですから、怖いったらありはしません。それで今回の事件は、車ですから、実に簡単に用意ができます。日本でも、こんな事件があったじゃないですか。

秋葉原通り魔事件

Wikipediaから引用すれば、事件は

>トラックではねられる(5人、死亡3人・負傷2人)

>ナイフで刺される(12人、死亡4人・負傷8人)

というわけですが、トラックは、

>2トントラック(いすゞ・エルフ)が西側の神田明神下交差点方面から東に向かい、中央通りとの交差点に設置されていた赤信号を無視して突入、青信号を横断中の歩行者5人をはねとばした。このトラックは交差点を過ぎて対向車線で信号待ちをしていたタクシーと接触して停車。

わけで、もっとひどい事態にならなかったのは幸いだったかもしれません。

犯人の男は、

>犯行に使用されたトラックは犯行日前日に静岡県沼津市でレンタカーとして借りた車であった。当人はより大きな車両を借りたいと考えていたが、借りるにはクレジットカードが必要であり、当人は所持していなかったため犯行に使われたトラックになった。

とのこと。つまりもっと大きなトラックで、さらにひどい事件になっていた可能性も高かったわけです。

でもこれ、バルセロナのテロは、複数の人間の謀議によっておこなわれたものでしょうが、秋葉原の事件は、まったく個人の頭の中で考え出され、さらに車や武器の手配、入手が行われ、実行にいたったものです。inti-solさんはこちらの記事で、

>秋葉原の無差別殺人(一般に「テロ」とは言われませんが、実質的にはテロと同等でしょう)

とお書きになっています。個人が、車と刃物を用意するだけでこれだけの事件を起こしてしまえるのだし、バルセロナの事件では、刃物すらなくてもひどい被害が生じたわけです。

たとえば日本だって、渋谷駅前のスクランブル交差点でいきなり大きな車が急発進して(何回か周遊して、信号の先頭になったときに実行すればいいのです)なぎ倒したらどうなるか、センター街に突っ込むなどという最悪の事態だってあり得ます。

そうでなくてもラッシュアワーの時間の新宿駅などで、ガソリンを入れた容器を投げて火をつけるなんてことだってできます。ガソリンの持ち運びは危険ですが、ラッシュ時の山手線でだってできます。爆発でも起きたら願ったりかも。地下鉄だったらさらに最悪です。テロではないみたいですが、新幹線に放火した人間だっています。地下鉄サリンのよに、サリンなんていう毒ガスを使うほどのこともありません。

いずれにせよこれらは防ぎようがないですね。中国の地下鉄などは荷物検査(空港にある機械を各駅に配置してある)をしていますが、まあ完璧なものではないしね。日本はJRも主要私鉄も地下鉄とつながっていますから、それらの駅すべてで荷物検査なんかできないしね。

車という、よかれあしかれ現代を象徴するきわめてありふれたもので、こんなひどい事件が起こせるのです。今日や明日起きなくても、それは起こす人間がいないからです。いれば簡単に起こせます。事件にあうあわないは、単なる運の良しあしです。気をつけようもないですが、私もあなたも、自分やその周囲には、このようなことが起きないことを祈りましょう。事件が起きて犯人が殺されたり逮捕されても、特に死んでしまえばなんの慰めにもなりません。


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