8月6日の産経新聞に、こんな記事が載りました。
>2017.8.6 12:00
那覇地検が依田啓示代表を傷害罪で起訴 基地移設反対派の男女を殴り、けがさせた罪状で 依田氏「とことん闘います」
那覇地検は6日までに、沖縄県東村高江に予定されていたヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設に反対し、村道を封鎖し検問していた基地移設反対派の男女2人を殴ってけがをさせたとして、傷害の罪で沖縄県東村平良、カナンファームの依田啓示代表(43)を在宅起訴した。起訴は7月31日付。
起訴状などによると、依田代表は平成28年9月17日午後0時10分ごろ、沖縄県東村高江の東村立高江小中学校東北東約640メートルの道路上で、反対運動をしていた同県大宜味村の男性(51)の首を手で押して転倒させ、全治3日のけがを負わせた。また、活動家の女性(55)の顔を殴打するなどの暴行を加え、全治3日のけがを負わせた。
依田代表は起訴事実を否定している。傷害容疑とともに送致されていた器物損壊容疑は起訴猶予、窃盗容疑は嫌疑不十分で不起訴。
依田代表は自身のツイッターで起訴状とともに投稿。「僕には力強い全国の皆さんがいます。とことん闘いますので、これからもよろしくお願い致します!」とツイートした。
依田代表を支援している「琉球新報・沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表運営委員で、専門チャンネルキャスター、我那覇真子さん(27)は自身のツイッターに「活動家に私的検問されその被害にあった依田さんがなぜ? 依田さんはあの時、お客さんを観光案内していました。後ろに座っていた子供達も泣き始め、地元民だから通してくれと言ったのに一方的にUターンを命じられた。過激派の私的検問は許されるの? 運転中に襲われたらあなたはどうしますか? 」とツイート。不満を示した。
依田代表は事件があった日、外国人の親子を後部座席に乗せ、村道を通行中、高江のヘリパッド建設現場に向かう沖縄防衛局などの関係車両を通さないため、私的に検問し、Uターンを命じられ、大声で恫喝されるなどしたため、後部座席にいた子供が泣き出し、抗議するために車外に出た。
また、相手に先に押されたもので、携帯電話で女性から写真を撮られ、取り上げようともみ合った際に手が当たったものと主張している。
依田代表は被告だが、那覇地検の処分は在宅起訴で、逮捕や拘置をされていないため、他の例にならって、肩書き呼称とした。(WEB編集チーム)
これ一般紙ですよ(呆れ)。いわゆる刑事被告人に対してこんな記事を載せますかね。
たとえば共産党員の公務員がビラを配ったとかで刑事訴追されて、所属する政党の機関紙である「赤旗」にその人の言い分が掲載されるとかならともかく、これ公安事件ですらない暴力事件じゃないですか。この人が有罪かどうかについては、ご当人が否認している以上推定無罪の原則のもとに裁判所が判断することになりますが(ただこのような人物に対しては、警察も検察もあんまりかかわりあいたがらないでしょうから、それなりの悪質さと重大さがあると判断しているのでしょう)、あまりの非常識さにちょっと絶句しますね。少なくともこのような暴行事件は、起訴された以上、被害者の言い分も紙面に掲載するのは常識でしょう。また産経は、
>依田代表は被告だが、那覇地検の処分は在宅起訴で、逮捕や拘置をされていないため、他の例にならって、肩書き呼称とした。(WEB編集チーム)
と書いていますが、他の人間でもそういう対応なのか怪しいものです(呆れ)。
ところで記事に
> 依田代表を支援している「琉球新報・沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表運営委員で、専門チャンネルキャスター、我那覇真子さん(27)
という人が登場しています。この人は、この種の件でよく登場する右翼活動家です。国家基本問題研究所によく出てくるインドの国際政治学者で反中国の態度を取るチェラニー氏同様ほかにこんなことで協力してくれる人があんまりいないのでしょうが、それもどうかです。
また記事の写真を撮った人は、
>三枝玄太郎撮影
とあり、この人は、日本報道史に残るデマ記事、東京都特別区の複数の区が自衛隊によろしくない対応をした(仮にこの報道が事実だとしても、それって自治体側と自衛隊で合意の得られている話じゃないかと思いますが)という記事の筆者です。あんな記事即懲戒解雇当然の論外な代物ですが、現在はこんな記事のグループの一員ですか。これまたひどい話です。もちろんこれはご当人だけでなく産経本体のことです。
で、その同じ日、「放送法遵守を求める視聴者の会」なるところから、次のような記事が発表されています。
>放送法遵守を求める視聴者の会は新体制に移行します
いつも「視聴者の会」を応援していただいてありがとうございます。 新しく事務局長に就任しました、経済評論家の上念司です。 今後とも変わらぬご支援をよろしくお願いいたいたします。
さて、これまで当会は呼びかけ人を中心とした任意団体として、これまでテレビ局に対して放送法を遵守するよう働きかけて参りました。しかし、今回残念ながら歴史上最悪に属すると思われるの偏向報道(加計学園を巡る一連の報道)がなされてしまいました。このような活動に従事しながらテレビの偏向報道を止められなかったことに忸怩たる思いです。
これまでの呼びかけ、情報開示は偏向報道を正すという目的を達成するためには不十分であった言わざるを得ません。このことについて大変遺憾に思います。
そこで、当会はこれまでのような呼びかけ人を中心とした任意団体から一歩進んで、体制を整備し、最終的には一般社団法人を目指して活動することにしたいと考えております。その目的は、法人格を有することにより、放送局やスポンサー企業の株主になり、株主総会等で経営者に直接偏向報道の問題点とリスクについて訴えていくということです。こうすることでしか現行制度において実効性のある提言をすることは不可能ではないでしょうか?
もちろん、当初は私もここまでやる必要はないと思っていました。しかし、今回の加計学園を巡る一連の偏向報道は余りに酷く、今後の抑止の観点から考えたとき、やはりこの「武器」を持つ以外実効性のあるプランは存在しないという判断に至りました。放送法が「倫理規定」だと言い張り、それを破ることに何の罪悪感も感じない人々の目を覚ますためには、「毒をもって毒を制す」という考え方も必要であるということです。
会員および当会をご支援していただいている皆様におかれましては、このような事情をご理解の上引き続きご支援を賜れば幸いです。
平成29年8月6日
放送法遵守を求める視聴者の会
事務局長 上念 司
>しかし、今回残念ながら歴史上最悪に属すると思われるの偏向報道(加計学園を巡る一連の報道)がなされてしまいました。
加計も「偏向報道」ですか・・・。ほとんど狂信右翼にしか思えませんね。「集団的自衛権」「共謀罪」とかだったら、まだこういうことを主張する連中が出てくるというのも理解しないではないですが(支持するということではありません。念のため)、「加計」なんてそういうレベルですらない。つまりは単に、自分たちが支持している安倍晋三のことを悪く報道するなという話じゃないですか。馬鹿も休み休みいえです。はっきりいって狂っていますね。
私見では、昨今の例で言うと、森友と加計と稲田朋美の件で安倍晋三をかばう(森友も加計も稲田も大した問題じゃないと称して安倍を免責しようとする連中もふくむ)人間(組織)は、安倍狂信者、安倍盲従分子、安倍(精神異常者を示す差別俗語)と言っていいのではないか。どれもさすがにかばえるようなものではないし、最低レベルの常識があれば、「ここでかばってもしょうがない」「自分たちの常識や見識が疑われる」「嵐が過ぎ去るのを待とう」くらいの対応になるでしょう。
ところでこの組織の賛同人に、以前はフリーライターの溝口敦氏が名を連ねていたのですが、お名前が消えていますね(笑)。よくわからないで名を連ねてそれで会の正体に気づいて逃げたのか。いずれにせよ軽率な話です。また上念の手下である勝間和代は(当然ながら)まだ名前がありますね。彼女だって、こんなものに本気で賛同するほどの馬鹿じゃないと思いますけどね。
まあそれにしても産経の記事といいこの「放送法遵守を求める視聴者の会」といい、きわめてひどいですね。産経の記事は最低レベルの報道の常識もないし、もうひとつのほうは恣意的に放送局批判をしているわけではない、などと糊塗しようとする姿勢すらないですね。こういう連中は、私がここで書いたようなことは全部承知かそうでなければ本気で自分は正しいと考えているような手合いですからお話にもならんにも程があるというものです。