こんな記事がありました。
生まれの年は「西暦」と「元号」どちらで答える? それぞれの主張
>そこで、20~50代の成人男女200人にアンケートを実施。以下、その結果である。
Q.生まれの年は「西暦」と「元号」、どちらで答えますか? 以下の中から最もあてはまるものを一つ選んでください。
読者の皆さまはいかがですかね。私はもちろん鉄板で西暦ですが、社会一般はどうなのか。もちろんこれは、統計学的に処理されたものではないでしょうから、あくまで参考でしかありませんが、しかしそれなりに興味深いものはあります。
>・「元号」で答えることが多い 22.5%
・どちらかといえば「元号」で答えることが多い 19.5%
・どちらかといえば「西暦」で答えることが多い 23.5%
・「西暦」で答えることが多い 34.5%
やや西暦が多いというところですかね。それで西暦を使っている人、元号を使っている人の様々なコメントをちょっと読んでみます。まずは西暦から。
>「西暦だと昭和生まれも平成生まれも共通ですし、何歳か計算しやすいですが、元号だとややこしい」(39歳・男・兵庫県)
「元号で答えても平成生まれの人にはピンと来ないから」(43歳・男・大阪府)
「世界共通だから。外国の人にも伝わりやすい」(38歳・男・千葉県)
「元号は続けて計算できないから」(36歳・女・神奈川県)
「ネットで普通に使われているのは西暦。元号は日本ローカルでネットでは使わない」(50歳・男・埼玉県)
「昭和だと64年と平成元年がかぶって微妙に計算しにくい」(39歳・女・千葉家)
いっぽう元号派はというと、
>「言い慣れてるから」(57歳・男・福岡県)
「元号のほうが親しみやすい。西暦だと歴史的出来事を彷彿とされるから」(44歳・男・埼玉県)
「若いコに聞かれたら、昭和で答えるとしばらく年齢がバレない(笑)」(35歳・女・山口県)
「わかりやすいでござる」(56歳・男・京都府)
「なんとなく、周りの人も皆、昭和生まれだから」(42歳・女・群馬県)
「年齢が上の人には元号のほうが伝わりやすい」(48歳・男・東京都)
「日本人なら元号で当たり前」(50歳・男・香川県)
とあります。
それでこの記事の執筆者の方(1975年生まれとのこと)は、
> 一概には言えないが、40代以降のほうが「元号派」は多い傾向にある。「容易に世代を認識しやすい」(44歳・女・岐阜県)というように、やはり「昭和世代」という意識が高いように思える。
と書いています。私もだいたいそういう風に感じます。それで上の意見で、元号賛成者の方の話で、
>「若いコに聞かれたら、昭和で答えるとしばらく年齢がバレない(笑)」(35歳・女・山口県)
というのには笑ってしまいます。つまり若い世代には、元号というのはあまり理解されにくくなっている、ましてや安倍晋三の地元ですらそうだということです。
で、これはある程度予想ができます。上にも指摘されているように、
>昭和世代
というのがポイントです。
つまり1989年に昭和から平成になり、いま2018年です。つまり現段階、ほぼ30歳未満の人の大多数は「平成」生まれだということになります。
そうすると、今の30歳以下の人は、「昭和」なんて歴史の存在ということになり、またこのころから新聞なども(産経新聞のような特殊な新聞以外は)西暦記載になりました。さらにネットの広まりも、元号使用にかなりの生涯になったかと思います。
2018年のこの記事を書いている時点で、満年齢で40歳以上なのは、1978年2月初旬に生まれた人たちです。そうなると、それより下の年齢の人たちが元号に興味がないのもわかりますね。役所や産経新聞が大好きな人以外で、元号はあんまり利用価値がない。
現天皇死亡以前に元号が変わる見込みになったということで、私もこのブログで次の記事を書きました。
たぶん次の元号になったら、元号の衰退はさらに進むだろう(くだらん追記あり) 日本人の脳みそに元号がしみついているのも困ったものだ(ついでに保険と保険レディの話)昨今出生数が少ないし、平均寿命はいまだ長くなっていますから、「昭和生まれ」というのはいまだ人口の過半数であり当分そのままですが、まさに最初の記事で私が指摘したように、
>それで私の個人的意見では、たぶん次の元号の変更で、日本人の元号離れ、元号の衰退はかなり決定的に進むと思います。つまりこれから、昭和××年生まれの人が何歳かというのが、換算するのがかなり面倒になるわけです。
ということになろうかと思います。確実に、平成生まれの人、子どもを持っている親は、自分の年齢や子どもの年齢を換算するのが面倒になって、ただでさえ西暦志向が強いのに、それがさらに加速します。これは間違いない。
ここまでは客観的な話ですが、「日刊SPA!」の記事は、最後にこうあります。
> 昭和生まれに頻出する無意識な「世代意識」が妙な軋轢を生むこともあるようだ。最近巷で「生活に必要な年号は西暦に統一すべし」の声が増えているのもそのせいだろうか。「西暦統一に賛成? 反対?」に関する意識調査は、次回(近日公開予定)、お届けする。
当方は西暦統一に賛成ですが、日本には元号法なる時代錯誤な法律があるので、なかなか現実問題としては統一はされにくいと思います。ただ元号の衰退は確実ですから、私たちはそれを見守る所存ということになるでしょう。