プーチンがロシアの大統領に再選となりました。記事を。
>プーチン氏再選、得票7割…長期政権四半世紀へ
2018年03月19日 12時44分
【モスクワ=畑武尊】ロシア大統領選(任期6年)は18日即日開票され、同日深夜(日本時間19日朝)、ウラジーミル・プーチン大統領(65)が7割を超す得票で再選を決め、勝利宣言した。
2000年の初当選から通算4選となった。実権を維持した首相時代(2008~12年)も含め、ほぼ四半世紀に及ぶ長期政権が可能になった。国民の信任を背景に強権政治を続けるとみられる。
プーチン氏は18日深夜、モスクワ中心部クレムリンに隣接する広場で開かれた支持者集会に姿を見せ「成功が我々を待ち受けている」と述べた。5月7日の就任式で、大統領通算4期目が正式に始まる。
中央選管の最新集計によると、開票率99・36%でプーチン氏の得票率は76・65%。共産党のグルディニン氏(11・81%)ら2位以下に大差をつけている。投票率は中間発表で67%。プーチン陣営は「投票率と得票率、70%」を目指してきた。
つまりプーチンが、あと6年間は、任期途中に大統領職を継続できない何らかの理由が生じない限り、彼はロシアの大統領ということになります。つまりは、いろいろな交渉ごとの総元締めは、すくなくともしばらくはこの人になるわけです。そうなると北方領土の問題も、継続してこの人が最高責任者となります。
昨今の政治情勢ですと、事実上そうなる見込みはなさそうですが、何ら話題になっていませんけど、北方領土ってたしか、安倍晋三が首相である間にどうこうするっていう話でしたよねえ。それで現況どうなったんですかね? 2月の記事より。
>2018.2.7 12:59
安倍晋三首相「平和条約問題は私とプーチン大統領が終止符を打つ」 北方領土返還大会で
安倍晋三首相は7日、東京都内で開かれた「北方領土返還要求全国大会」であいさつし、「戦後72年が経過してもなお、日本とロシアの間に平和条約がないのは異常な状態だ」と述べた上で「この課題に私とプーチン大統領が終止符を打つ」と強調した。
首相は今年5月に予定されている自身の訪露にも言及し、「首脳会談を行い、平和条約問題も取り上げる考えだ」と述べた。
返還大会には河野太郎外相も登壇し「北方四島にかける日本国民の思いを明確に示し続けることが重要だ」と訴えた。
つまり安倍も、それを引っ込めてはいないということですね。それでこのような記事はどうですかね。北海道新聞より。
>四島返還合意後の安保除外「検討の事実なし」 政府答弁書
02/03 05:00
政府は2日の閣議で、ロシアとの平和条約締結交渉に関連し、ロシアが北方領土の返還に合意した場合、日米安全保障条約の適用地域から除外することについて「検討したとの事実はない」とする答弁書を決定した。
安保条約第5条は、適用地域を「日本国の施政の下にある領域」と規定し、北方領土が返還されると日本の施政下に入り、米軍が活動できるようになる。このため2016年12月のプーチン大統領の来日以降、ロシア側からは日米安保条約に基づき米軍が展開する可能性があることを懸念する意見が相次いでいた。日本政府は同趣旨の答弁書をプーチン氏の来日直前にも決定していた。
今回の答弁書は、16年11月にモスクワで行われた谷内正太郎国家安全保障局長とパトルシェフ安全保障会議書記との会談でも「北方領土への適用に関するやりとりは行っていない」とした。
立憲民主党の逢坂誠二衆院議員の質問主意書に答えた。
個人的な意見を述べますと、北方領土の日米安保除外は返還のための必須条件でしょうね。これを逃げていたら北方領土の返還なんて永久にありません。極端な話、ロシアだってグアンタナモ基地のようなものを(元)自国に置かせるわけにはいかないでしょう(笑)。
ロシア側が「どうせできないだろう」という前提でそういう話をしているかどうかは詳らかでありませんが、でもどちらにせよこれは大きなポイントですね。ロシア側からすれば、領土を譲ってやって、それで日米安保の最前線になる? 馬鹿いうなということになります。
私見では、たぶん北方領土に現在の情勢で米軍基地がおかれる可能性は はなはだしく低いと思いますが、しかしこれは何らかの確約がないとしょうがないでしょう。ロシア側が確約を要求するのは当然だし、日本側がつっぱねることができるようなことでもないでしょう。
それでそういう問題について日本は、それなりにまじめに対応しているんですかね。上の記事によると、検討していないとのことですが、米国側・ロシア側と何らかの交渉をしなければ事態は動かないでしょうに。答弁通りなら、ろくにこれといったことをしていないということになります。いや、実はしているというのなら、そのこと自体は(国会軽視とかの問題はともかく)悪いことではありませんが、ロシア側を納得させるだけの条件を提起できるか、はなはだしく疑問です。
もちろんこの件が解決できればそれで返還OKということでもありませんが、2016年秋ごろでしたっけ、安倍がひところやたらぶち上げていた「北方領土問題の解決」「ロシアとの平和条約締結」なんて、現在のところではとてもとても、入口に入っているかどうかすら怪しいんじゃないんですかね。
さてさて、北方領土が返ってくるとすると、一体全体、北方領土はどういう扱いになるのでしょうか。
事実上日本は、1国2制度になりませんかね。ちょっと考えただけでも、学校教育(日本語かロシア語か)、国家資格(少なくともその一部は事実上ロシアの国家資格を是認せざるを得ないでしょう)、議会、司法その他どうすんのよという気がします。おそらく日本政府はこの件で、特にシミュレーションのたぐいをしていないんじゃないんですかね。いや、わかりませんけど。しかし見込みが低いことを一生懸命するというのもあまり期待はできません。
しかし本当に返ってくることになったら、日本にとっては空前絶後(絶後かどうかはわかりませんが)の大規模な行政の対応となりませんかね。「戸籍」なんていうことすら、ロシア住民にはどうするかという問題があります。沖縄返還など問題にならないいろいろ難しい問題が続出でしょう。
現状まったく日本側が本気でないという結論に私は達しましたが、このあたりはどうなのか、読者の方々も一緒にみていっていただければと思います。なおこの記事は、bogus-simotukareさんの記事を参考にしました。感謝を申し上げます。