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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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拉致問題を特定機密に指定すれば、たぶん「家族会」「救う会」「拉致議連」がダメージをうける

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過日ちょっとコメント欄で指摘したことをあらためて記事に書きます。なお、最初に断っておきますが、私は「特定秘密保護法」には反対です。

特定秘密保護法で、拉致問題も特定機密にふくまれるという認識を、自民党および政府は示しています。以下引用を。

自民、「拉致問題」も特定秘密に
ホームページで例示、関係者から懸念も

 自民党はホームページ(HP)で、7日審議入りした特定秘密保護法案に関する特集を組み、漏えいを禁じる「特定秘密」として北朝鮮による核・ミサイル・拉致問題に関するやりとりやテロ情報を収集するための情報源などを例示した。関係者からは「外国から情報を得るためには必要」とする声の一方、「拉致被害者の家族らが関連情報を得ることもできなくなる恐れがある」との懸念も聞かれた。

 拉致問題を特定秘密とすることについて、拉致被害者の救出活動に取り組む「救う会全国協議会」の西岡力会長は「こうした法律がないために外国から北朝鮮に関する情報を得られないケースもある。情報をオープンにすれば北朝鮮国内にいる情報源の安全が脅かされることも考えられる」とした。

 「秘密保護法に反対する新潟の会」の斎藤裕弁護士は「拉致担当大臣が交渉の状況を被害者家族に説明することさえできなくなる可能性がある」と指摘。「今回例示されたものは全体の一部にすぎない。さらに多くの事項が秘密とされる」と懸念を示した。

 自民党が特定秘密の具体例として挙げたのはほかに、潜水艦のプロペラの材質や形状▽誘導弾の性能▽領域保全に関する外交交渉の対処方針▽外国がミサイルを発射した場合の措置▽重要施設の警備の実施計画▽外国情報機関から提供を受けた国際テロ組織関係者の動向―など。

【政治・行政】
2013/11/07 22:47

「拉致」も特定秘密 政府が答弁書で例示

2013.11.22 17:12

 政府は22日の閣議で、特定秘密保護法案で、特定秘密に指定される「特定有害活動」の具体例として、「外国の工作機関が日本人の拉致を行う活動」を例示する答弁書を決定した。北朝鮮による拉致事件を念頭に置いたものとみられる。山本太郎参院議員(無所属)の質問主意書に答えた。


で、これを考えてみると、おそらく法律が制定されるとなると、たぶん拉致問題の関係でダメージを受けるのが「家族会」「救う会」(=「巣食う会」)「拉致議連」でしょうね。他はともかく、少なくとも北朝鮮との対話、あるいは関係改善を求める勢力にはさほど関係はないと思います。

ていいますか、この件で拉致問題を特定秘密に指定するということは、事実上「家族会」「救う会」「拉致議連」などの拉致問題をテコにして対北朝鮮強硬姿勢をとろうとする勢力を黙らせることが目的でしょう。それ以外に理由がない。北朝鮮との対話を求める側は、すでに拉致問題は過去のこと、あるいは国交樹立と並行して問題を論じていけばいいというスタンスです。である以上、拉致問題を特定秘密に指定すれば、たぶん「家族会」「救う会」「拉致議連」などが痛手をこうむります。

さて、上の記事で西岡力は

>こうした法律がないために外国から北朝鮮に関する情報を得られないケースもある。情報をオープンにすれば北朝鮮国内にいる情報源の安全が脅かされることも考えられる

と語っています。つまりスタンスとしては、あからさまな反対はしていないわけです。しかし荒木和博は…。

> 前にも書いたように拉致問題が解決していない理由の一つにわが国防諜体制の欠陥が関わっていることは間違いありません。その意味で、私は政府の秘密を保護する法案もスパイを防止する法案も(それが国民の権利の一部制限を伴うものだとしても)必要だと考えます。今回の法案に反対している人たちの中で、工作員の活動や情報の漏洩が従前通り続けられるべきだと考えて反対する人もいるようですが、そのような勢力とは全く立場が異なります。「国民を守るためにスパイは絶対に排除する」という方針は法律以前の問題として必要不可欠です

としたうえで、

>そういう問題には頬被りしておいて、政府の秘密を守ると言っても国民の信頼を得ることは難しいでしょう。まだ参議院の審議が残っています。政府は本気ならばその覚悟を示す責任があることは明らかですし、野党もその点はしっかりと追求してもらいたいものです。そして何より、賛否どちらであれわれわれ国民自身がこの問題をしっかり考える必要があることは言うまでもありません。

書いています。そういう問題とは、連中の主張する

>山本美保さんと山形の身元不明遺体

などのことです。

非常にスタンスがあいまいですね。法律に反対するのなら反対、賛成なら賛成でしょう。つまり荒木は、自分たちの活動に支障が出ることを懸念しているわけです。

荒木の反対論は、しょせん「ほかに適用するのならいいが、自分たちには適用されたくない」というレベルの主張にすぎませんが、つまりは荒木は、この法律が制定されたら、自分たちの活動が完全にターゲットになりかねない(たぶんなる)と予想しているのです。で、私もたぶんそうなる可能性が高いと思います。少なくとも、拉致問題を特定秘密に指定するということは、そういうことです。

それにしても荒木は、昨年12月17日付の記事

>自民党が圧勝したので、あえて申し上げたいのですが、拉致問題をこれまで何十年にもわたって放置してきたのは自民党政権です。金丸訪朝団も、北朝鮮への大規模コメ支援も、飯倉公館事件も山本美保さんに関わるDNAデータ偽造事件も皆自民党政権時代のことです。救出運動をやってきた人(認定未認定を問わずご家族も)は今回政権交代に期待している人も多く、私自身もがんばってもらいたいとは思うのですが、根本的な問題から眼を逸らしては元の木阿弥になりかねません。

 本当の闘いはこれからです。何十年も続いてきた拉致問題隠蔽の構造を今回の政権交代で根本的に建て直してもらいたいと切に希望します。もちろん人任せにするのではなく、こちらが主体的に努力することがその前提であることは言うまでもありませんが

と書いていましたが、実質は安倍からかなり露骨に厄介払いされかねない、というレベルの事態になりました。なんとまはやです。つまりは、連中のやっていることがあまりにひどすぎて、安倍晋三だろうが自民党だろうがもう相手にしきれない、という次元の話でしょうし、それはごもっともですが、今後どういう風に話が進むのか、私なりに見守っていきます。

この記事を書くにあたって、bogus-simotukareさんの記事を参考にしました。感謝を申し上げます。


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