先日の記事を。
>無期懲役に検察控訴=千葉女児殺害
千葉県松戸市のベトナム国籍の小学3年レェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9)=が殺害された事件で、千葉地検は18日、リンさんが通っていた小学校の元保護者会長で殺人などの罪に問われた渋谷恭正被告(47)を無期懲役とした千葉地裁判決を不服として、控訴した。無罪を主張していた弁護側は既に控訴している。
6日の判決で千葉地裁は、弁護側の無罪主張を退け、「犯行は卑劣で悪質」と非難する一方、「残虐性が高いとは認められず、殺害に計画性がない」と指摘。検察側の死刑求刑に対し、無期懲役を言い渡していた。(2018/07/18-12:50)
かつて私は、こういう記事を書きました。
そんなことを言うのであれば、検察は今後裁判員裁判では、量刑不当の控訴はしないのかという話になる
その記事で私は、東京高検の主張の次のくだりを引用しました。
> 東京高検は25日、「一般市民の量刑感覚を個々の裁判に反映させるという裁判員制度の趣旨を損なう」とする上告趣意書を最高裁に提出し、要旨を報道機関に公表した。
そして私は、
>こんなこと言っていたら、今後検察は、裁判員裁判に関しては、量刑不当による控訴をすべきでない、っていう話になりますよ。でも量刑不当で今後も控訴するんだろ?
と批判しました。それで予想通り2016年ですが、
>福岡地検小倉支部は13日、殺人罪などに問われた内間利幸被告(47)を無期懲役とした福岡地裁小倉支部の判決を不服として控訴した。検察側は死刑を求刑していた。
ということがあったわけです。量刑不当で控訴しているじゃないですか(呆れ)。これは福岡地検小倉支部でのことだ、東京高検のものとは関係ないなんてことではないでしょう。
それで今回の控訴はとうぜん東京高検と協議のうえでのものですから、東京高検も、かつての主張は撤回したんでしょうね。毎日新聞によれば
>死刑を回避した千葉地裁の判断は、「市民感覚」が反映される裁判員裁判においても、遺族の処罰感情も考慮した上で、過去の裁判例との公平性を重視する姿勢を鮮明にしたといえる。
とのことですから、この判決をどう評価するかはともかく、判例を重視した判決なわけで、つまりは量刑不当による控訴なわけです。いやー、ほんと検察ってデタラメなところですね。なにをいまさらながら、こういうその場しのぎのいい加減なことをされると本当にいろいろと迷惑です。