あ、すみません。本来この記事のカテゴリーは音楽関係(CD、コンサート、歌手その他)であるべきですが、記事のタイトル通り、映画関係の話になりますので、このカテゴリーとします。
記事にするのが遅くなりましたが、ソウルシンガーのアレサ・フランクリンがお亡くなりになりましたね。引用します。
>AP通信によると、ソウル音楽の「女王」と呼ばれた米歌手アレサ・フランクリンさんが16日、膵臓(すいぞう)がんのためミシガン州デトロイトの自宅で死去した。76歳。 テネシー州メンフィス生まれ、デトロイト育ち。67年、オーティス・レディングのカバー曲「リスペクト」で全米1位となり、一躍注目を浴びた。ゴスペルの影響が色濃い、パワフルな歌声を持ち味に、カバー曲でさえも独自の世界観に染め上げた。グラミー賞を18回受賞し、87年には女性として初めて「ロックの殿堂」入りしたほか、米国の音楽誌「ローリング・ストーン」の「歴史上最も偉大なシンガー」に選ばれるなど、ジャンルを問わず米国を代表する歌手となった。代表曲に「ナチュラル・ウーマン」「小さな願い」など。
80年の映画「ブルース・ブラザース」にも食堂のおかみさん役で出演、圧倒的な声量で歌い踊り、観客に強い印象を残した。クリントン、オバマ両元大統領の就任式でも歌声を披露した。
日本にもファンは多かったが、飛行機嫌いもあり来日公演は実現しなかった。(ニューヨーク)
記事からすると、彼女は民主党の支持者だったようですね。記事にもあるように飛行機嫌いのため、意外と収入は多くなかったなんて記事もありました。
あるいは彼女は、そんなに金に固執するタイプではなかったのかもしれません。
それで私が彼女について強烈な印象があったのが、上の記事にある『ブルース・ブラザース』での彼女の歌唱です。動画を貼り付けます。
The Blues Brothers - Aretha Franklin
正直私は、ソウル系の音楽というのにはあまり強くないのですが、しかしこの映画を観ていると、それだけで「うーん、すごいなあ」という気分になります。ジェームス・ブラウンとレイ・チャールズ、アレサ、ジョン・リー・フッカー、さらにはキャブ・キャロウェイまでご登場と、こんな大勢の超大物ブラック・ミュージシャンを集めた映画はいうまでもなく空前絶後です。今後集めることに成功した映画が製作されたとしても、この映画の楊に成功する映画になるのはかなり難しいと私は思います。『ローマの休日』のような映画が、同じようなものを作っても全然面白くないのと同様、この映画も同じものを作って面白い映画になるかというとたぶんそうはならない。小林信彦が、この映画を大要、現代(80年代初頭ですが)において無邪気なスラップスティック映画を作れた奇跡のような映画と評していた記憶がありますが(すみません、記憶で書いています)、まさに天の配剤、映画の奇跡というものだったのでしょう。
それでこの映画も、公開後40年近くなっているのですから当然といえば当然ですが、多くの出演者が亡くなっています。ジョン・ベルーシは公開後まもなくドラッグで亡くなり、ジョン・キャンディ、キャリー・フィッシャー(彼女らは、ベルーシらとドラッグにおぼれていたようです)らは若くして亡くなりましたし、またシスター役のキャスリーン・フリーマンなどは年齢的に仕方ないところもありますが、出演した大物ミュージシャンたちも、アレサの死で皆この世の人ではなくなりました。
まさに『ブルース・ブラザース』も歴史の中の映画、永遠の古典になっていきつつあるのでしょう。なおこの映画について、私がいつも勉強させていただいている『居ながらシネマ』でこの映画のロケ地が調べられていますが、養護施設のあるあたり、キャリー・フィッシャーが吹っ飛ばすホテル、そして当のアレサらが経営していたという設定の店のあたりほかも当時の面影はないとのことです。長い年月がたったということです。
なんだかこの映画をしばらくぶりに観たくなりました。アレサ・フランクリンさんのご冥福を祈ってこの記事を終えます。