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マリア・シュナイダーをマーロン・ブランドに襲わせ、エヴァ・グリーンのすべてを撮影したベルナルド・ベルトルッチが亡くなった(11月26日更新)

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ベルナルド・ベルトルッチ監督が亡くなったとのことですね。記事を。

>映画『ラストエンペラー』(1987)など数々の名作で知られるイタリアの巨匠映画監督ベルナルド・ベルトルッチが、2018年11月26日(米国時間)、がんのため死去した。77歳だった。米Varietyほか複数のメディアが伝えている。

ベルトルッチ監督は1941年、イタリア・パルマ生まれ。詩人アッティリオ・ベルトルッチの息子で、21歳にして自身の詩が評価されたのちに映画監督を志している。同じくイタリアの詩人で、脚本家・映画監督として活躍したピエル・パオロ・パゾリーニの長編デビュー作『アッカトーネ』(1961)で助監督を務めたのち、1962年に自身のデビュー作『殺し』を発表した。

代表作には、作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの小説『裏切り者と英雄のテーマ』を映画化した『暗殺のオペラ』(1970)や、アルベルト・モラヴィアの小説『孤独な青年』を映画化した『暗殺の森』(1970)、アカデミー監督賞にノミネートされた『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972)などがある。坂本龍一が俳優・音楽家として参加して話題となった『ラストエンペラー』は、第60回アカデミー賞にて作品賞・監督賞・脚色賞・作曲賞など9部門で栄冠に輝いた。


ベルトルッチ監督の最後の作品となったのは、2012年に公開された『孤独な天使たち』。2016年には『ラストタンゴ・イン・パリ』の強姦シーンが女優の同意を得ていなかったとするインタビューがSNSで話題を呼び、多くの映画ファンや業界関係者から激しい批判を浴びた。のちにベルトルッチ監督は、シーンについては脚本に描かれていたため本人も知っていた、同意を得ていなかったのは一部の演出だけであるとの声明を発表している。

Source: Variety, BBC

写真は2016年の彼ですが、この数年来車いすだったようですね。がんだから当然ですが、あまり体調は良くなかったようです。

この記事の中の、

>2016年には『ラストタンゴ・イン・パリ』の強姦シーンが女優の同意を得ていなかったとするインタビューがSNSで話題を呼び、多くの映画ファンや業界関係者から激しい批判を浴びた。のちにベルトルッチ監督は、シーンについては脚本に描かれていたため本人も知っていた、同意を得ていなかったのは一部の演出だけであるとの声明を発表している。

というのは、私にも1つ想い出があります。下の

なぜ女優マリア・シュナイダーの記事が読まれているのかと思ったら・・・

の記事に書きましたように、2016年の12月に、数日その記事のアクセスが高く、どうしたのかなと思ったら、この件が騒動になったためということですね。その時のマリア・シュナイダーについての記事はこちらです。

マリア・シュナイダーが亡くなった

彼女も、どうも『ラストタンゴ・イン・パリ』に出演したことが、相当に精神に悪い影響をもたらしたようですね。ベルトルッチは、

>同意を得ていなかったのは一部の演出だけである

と語りますが、その「一部の演出」が、決定的なものだったのでしょう。

それでこの映画の姉妹作品というべき『ドリーマーズ』もすごい映画でした。エヴァ・グリーンの性器が、しっかり映っちゃっているくらいです。日本版ソフトでは修正されていますが、ネットで流れている動画などでも観ることができます。

さて、彼の代表作というと、『ラストエンペラー』は当然外せませんが、考えてみるにあの映画は(なぜか)中国人が英語を話す映画でしたが、いま愛新覚羅溥儀を主人公にする映画を作るとなったら、やっぱり英語を話す溥儀というわけにはいかないのでしょうね。当時は、英語を話す溥儀がありの時代でしたが。ジョン・ローンは英語が達者だったことが、この役をつかんだ大きな要素だったのでしょうが、彼ももう10年以上俳優家業はしていません。

ベルトルッチという人も、そう考えると、やはり天才となんとかは紙一重の人間だったのでしょうね。激しい性描写で若い女優をほんろうしたり、そして『ラストエンペラー』や『1900年』のようなすごい歴史大作も作ってしまう。大作を制作、監督するバランス感覚と、一般の劇映画としてはほぼ限界の性描写を追求するという違ったベクトルで双方ともすごい才能の持ち主だったのだと思います。どちらがすごいという話では必ずしもありませんが、黒澤明にしてもゴダールにしても、ここまで相反する映画を作れるわけではない。

余談ですが、大島渚監督『戦場のメリークリスマス 』の制作で日本では知られている英国人プロデューサーのジェレミー・トーマスは、ベルトルッチの映画をいろいろ制作しています。上にあげた『ラストエンペラー』、『ドリーマーズ』のほかにも、『シェルタリング・スカイ』『リトル・ブッダ』も、彼の制作です。

正直、彼の映画は好きですが、人間としては「ちょっと・・・」というところがあります。あるいは、前に記事にした溝口健二みたいな人だったのかもですね。映画監督としては超一流、人間としてはどうも・・・といったような。いずれにせよ、ベルナルド・ベルトルッチ氏のご冥福を祈って、この記事を終えます。下の写真は、『ラストタンゴ・イン・パリ』で、演出をしているベルトルッチ監督と主演の2人の写真です。彼は、帽子をかぶるのが好きだったようです。私みたい(苦笑)。「マリア・シュナイダーが亡くなった」の記事の上から2枚目にも、同じ映画で帽子をかぶって演出指導をしている彼と2人の主演俳優の写真があります。なおこの記事は、追悼記事ですので1日1記事の鉄則を破って、日付を先んじて発表します。


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