先日こんな記事を発表しました。
そもそも日本側に北方領土返還についての「戦略」なんかあったのかそれでその記事の中で私は、
>これが例えば、北朝鮮の拉致問題については、日本は北朝鮮側に「国交回復」「経済援助」という切り札、必殺技、可能な限りの最高の武器で、拉致被害者帰国を勝ち取れたわけです。
と指摘しました。それで、これは私の記事としては、しばらくぶりにいろいろ読まれたようですが、
韓国と良好な関係を保てないで、拉致問題解決や対北朝鮮対応などできるわけもないという記事の趣旨も、結局は戦略の問題ですよね。安倍晋三にしても、家族会にしても巣食う会ほか対北朝鮮強硬派にしても、なんか戦略あるのということです。
たとえば家族会は、現在に至るまで安倍晋三をいまだ絶対支持しているようですが、
安倍が首相に復帰してから6年以上たって、対北朝鮮の関係で、それ以前と比べてどのようなことが改善されたの?
安倍は昨今北方領土にやたら熱心ですが、これって事実上自分の在任中に拉致や対北朝鮮の問題を解決することを断念したってことじゃないの?
巣食う会と家族会は、いまだ混乱時の拉致被害者救出という考えを引っ込めていませんが、安倍が国会でできないという趣旨の答弁をしているが、それなら自分たちの意見を引っ込めるか安倍を批判するなりすれば?
などいろいろ疑問が生じるし、また
横田さんたちは、さんざん「お孫さんには会えない」みたいな話をしていましたが、けっきょく巣食う会にも家族会にも黙って会いに行って、それで何もなかったように家族会にそのままいますが、蓮池透氏や田中均氏に陳謝の1つもしないでそういう態度なのは、人間としてどうかというレベルじゃない?
北朝鮮に圧力圧力っていうけど、北朝鮮が日本ほかの圧力に負けて拉致被害者を返したということを立証する何らかの証言みたいなものってあるんですか?
韓国や中国との協力を嫌がって、北朝鮮との交渉ってできるんですか?
とかいろいろ問いただしたいのですが、まあおそらくこの人たちから
安倍が首相に復活して北朝鮮との交渉で、これこれこういうところが改善された
とか
国会でこのような答弁が政府委員によってされている
なんていうお答えはないんでしょうね、きっと。たとえば安倍が首相に復活して拉致被害者家族への待遇や支援が改善されたということはあるのかもしれませんが(あったのかどうかは、私はしりません)、具体的に北朝鮮との交渉でこういう点がよくなったなんてことはこれといってないのでしょう。
で、これってどういうことかというと、日本政府(安倍晋三)のも家族会も巣食う会も、ぜんぜん戦略がないということです。けっきょく安倍も、かつて北朝鮮に強硬的なポーズをとって、その後これといったことができる見通しが立っていないということだし、家族会も巣食う会も、「強硬派」といいながらも、けっきょくこれといったことがないわけです。
だからこれも前の記事で指摘したように、
>かなり早い段階でボタンを掛け違って、それが今日まで至った、ってことなんでしょうね。安倍をいまさら批判できないという部分が大きいのでしょう。たぶん巣食う会を切り捨てることも。蓮池透氏らに謝罪することなども同じでしょう。いまさら縁を切れない、頭を下げられないというこれまたくだらん話です。
ということなんでしょう。(かつて)安倍や巣食う会は我々に良くしてくれた、その義理がある、いまさら切り捨てたり批判はできない、ということなのでしょう。で、それってけっきょく、拉致問題なりなんなりを、全然まじめに考えていないってことじゃないですか。けっきょくいまみたいな立場のほうが、外務省の役人なども腰の低い姿勢で接してくれている、公金で海外で活動をしたりすることができる、いろいろな特権を享受できるなんて言うたぐいの話じゃないですか。それではどうしようもない。それでその裏返しが、蓮池透氏や田中均氏、あるいは小泉首相(当時)への態度でしょう。これだって、つまりはいまさら頭を下げられない、引っ込みがつかない、彼らに陳謝したら巣食う会や安倍さんを裏切ることになるとかいうこれまたくだらん話です。巣食う会は、安倍に利用価値があると考えればいつまでも支持し続けるでしょうが、家族会の人は何をもって安倍を支持するのか。どうせ(かつて)世話になったとかいう過去の話か、さもなければ北朝鮮が拉致をしたのは日本の憲法が悪い、安倍さんは改憲に熱心だとかいう、これまたすじ違いの「江戸の敵を長崎で討つ」のレベルのことなのでしょう。お話にもならないとはこのことです。
さてさて、それで安倍が、対北朝鮮問題、拉致問題にこれといった成果を出せずに首相を退任することになったら(現状のままではそうなります。そしてその可能性が高いと思います)、家族会なり巣食う会は、自分たちの不明を少しは反省するんですかね?
私の勝手な想像ですが、まあしないんでしょうね。なぜしないかといえば、連中は「自分の誤りを認めたら負け」と考えているからでしょう。それって政治(活動)家の政治行動の話で、拉致問題とかにはそぐわないじゃんと思いますが、連中にそういう話は通用しないでしょうね。通用していれば、さすがに蓮池透氏ほからにもう少しまともな態度をとるでしょう。それでこれはちょうどbogus-simotukareさんの記事からの引用ですが、
> 大体「実質的なこと」をやったら、不当にも因縁つけられて外務省を退官に追い込まれた田中均氏や家族会を除名された蓮池透氏を見て「田中氏や蓮池氏のように救う会や家族会に恨まれても、彼らのためになることをしたい」なんて思う「バカがつくほどお人好しの人間」は普通はいません。
「自分の気に入らないことだと、相手がどんなに善意で動いていても、ただただ悪口雑言する」なんて家族会、救う会のような連中に対して俺も含む大抵の人間がとる態度、それは「適当なことを言っておだてて、反感を買わないようにしながら、できる限りお付き合いは避ける(心にもないおべっかを言うのは不愉快だし、こういう連中はこちらがおべっかを言ったつもりでも『勝手に反感や敵意を募らせ個人攻撃してくる恐れがある』ので)」ですね。つきあったって不愉快になるだけで何のメリットもないのだから当然です。その結果がもちろん拉致敗戦です。俺はそんな拉致被害者家族会には何一つ同情しません。
ということとも通底するかと思います。いずれにせよこれではどうしようもないにもほどがあるというものです。
記事を引用させていただいたbogus-simotukareさんにお礼を申し上げてこの記事を終えます。