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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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浅田真央と羽生結弦は、日本選手権に出場する意味が低いと思う、あと高橋大輔は結果が義務付けられた

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フィギュアスケートの日本選手権の際は、私は日本にいなかったしまた録画もしなかったのでその演技を見ることはありませんでしたが、オリンピック出場選手は、男子が羽生結弦、町田樹、高橋大輔、女子が鈴木明子、村上佳菜子、浅田真央に決まりました。

女子のほうは、文句なしの決定でしょう。浅田が3位というのは予想外の順位の低さですが、でも3位なのだから問題がない。村上が4位で、宮原知子が僅差の3位なら連盟はどうしたのかなという疑問はありますが、浅田の実力と3位という順位なのだから関係ない。

で、やはり男子のほうは高橋の選出がやはり議論を呼ぶわけですが、これはあとで話を書くとして、個人的な意見を書くと、浅田と羽生に関しては、この日本選手権に出場する意味が乏しいんじゃないんですかね?

前回はGPファイナル優勝者は優先的にオリンピック出場権をもらえましたが、今回はそれはなしです。だから日本選手権には出ざるをえないわけですが、そうすると実質たった2週間でこの大会に出場せざるをえないわけで、不必要に調整が大変じゃないですかね。

スケート連盟の出場の条件は、下に引用した記事の表現を借りれば、

>※すべて全日本参加が前提

です。これは明らかにGPファイナル優勝者が全日本選手権を棄権することを防ぐためでしょう。しかしそれって、選考のためというより興行の都合ですよね。実際問題として、2週間でふたたびピーキングをもっていくのは大変です。

2人ともGPファイナルで優勝したのだから、オリンピックで好成績を取れる選手という観点からすれば、代表確定でしょう。わざわざ全日本選手権に出なくてもその間彼(女)なりに調整をしていればいいんじゃないんですかね。そちらのほうがオリンピックに勝つためにはいいでしょう。

でも…。もちろんそういうわけにはいかないよね(笑)。特に浅田真央が出なければ、ファンも中継するテレビ局も激怒の極致でしょう(笑)。浅田真央にしても羽生結弦にしても、極論すれば3位までに入ればいいという精神でやればいいのかもしれませんが、浅田真央などはそういうことはしなそうな人間だから、やっぱりしなかったんでしょう。キム・ヨナあたりならやりそうな気がしますが、どうなんですかね? 韓国のフィギュアスケート界ではヨナさんの力は抜きんでていますから、現実的な仮定ではありませんが。

さてそう考えると、やはり問題というか話題になるのは、高橋大輔の選出でしょう。彼は5位で、3位の小塚崇彦より2つ順位が下ですから、やはりその選出にはいろいろ問題を指摘されてもやむをえません。

>高橋五輪選出の“逆転”はなぜ起きたか “言葉足らず”のフィギュア選考基準
デイリースポーツ 12月25日(水)17時4分配信

フィギュアスケート男子シングルのソチ五輪代表選考。残る1枠を争った2人の表情は、一夜にして入れ替わった。

 大会直前に負った右すねの負傷により全日本5位に終わった高橋大輔(27)=関大大学院=と、同3位で選考対象へと浮上した小塚崇彦(24)=トヨタ自動車=。悔しさから男泣きした高橋は、翌日、銀盤の上で喜びの涙を流した。一方で確信したような笑みを浮かべていた小塚は、代表発表後「(選考に)思うところはある」と言い、目を赤く腫らし会場を後にした。

 ただ、選考後に会見した日本スケート連盟の小林芳子フィギュア強化部長によると、選手を選考する強化委員会では満場一致で高橋が推されたという。なぜこのような“逆転現象”が起こったのか。

 今回のソチ五輪代表選考で、日本スケート連盟が定めた代表選出方法は次の3点。

 (1)1人目は全日本選手権の優勝者が決定。

 (2)2人目は、全日本の2、3位、GPファイナルの日本人表彰台最上位者を含めて選考する。

 (3)3人目は、(2)で漏れた選手と世界ランク日本人上位3人、ISU公認の今季ベスト日本人上位3人の中から選考を行う。

 ※すべて全日本参加が前提。

 ちなみに4年前のバンクーバー五輪の代表選考基準は次の通り。

 (1)GPファイナル3位以内の日本人最上位者を、その時点で内定。原則として全日本選手権への出場が条件。

 (2)全日本優勝者は、原則として、選考するものとする。

 (3)残る派遣枠については、全日本3位以内の者、GPファイナル進出者、全日本終了時点での世界ランキング日本人上位3人を選考の対象とし、競技会での獲得ポイント、演技内容、世界ランキング等を総合的に比較して、選考する。

 ※なお、過去に世界選手権6位以内に入賞した実績のある選手が、シーズン前半にけが等で上記(3)の選考対象に含まれなかった場合は、五輪時の状態を見通しつつ、選考の対象に加えることがある。

 2つを比べると、変わったのは、主に以下の2点だ。

 ・GPファイナル最上位のメダリストが、内定ではなくなったこと。

 ・総合的、実績、けがなど、実力者の救済を意味するような文言が外されたこと。

 まずソチの代表基準の文面から感じられるのは、全日本の優位性だ。(3)である程度、実績のある選手の救済を意図していることは分かる。ただ。GPファイナルの日本人最上位メダリストの内定がなくなったこと、1人目の選考を全日本優勝者にしたことで、全体的に全日本の成績が優先される印象を与える。

 また、シンプルな条件だけを明記し透明性を高めているようで、逆に言葉足らずとなってしまった。今回、高橋を選出した理由の中には、選考基準の世界ランク、今季ベストだけでなく、基準にはない「五輪時におけるケガの状態」や、「精神的主柱としての役割」なども総合的に考慮されたという。優劣をつける際に必要になる要素を省いたことで、選手にとって、それぞれ自分の「立ち位置」は極めて見えにくくなっていたように感じた。

 故障を言い訳にせず攻めて失速し「終わった」と思った高橋と、全日本3位という結果に可能性を見出した小塚。ともに全身全霊を込めた演技が巻き起こした劇的なドラマだったのは間違いない。

 ただ、もっと明確な基準で己の「立ち位置」が把握できていれば、高橋はあそこまで4回転で攻め、右足にさらに負担を掛けることはなかったかもしれないし、小塚も高橋のベストスコアを上回りにいくなどさらなる“大勝負”に出ていたかもしれない。戦略の選択肢は広がり、双方が納得いく形で決着がついたのではないか。

 フィギュアスケートの一時代を築いたスター選手のほとんどが今季限りでの引退を表明している。4年後は男女ともさらなる混戦となる可能性は高い。フィギュアの競技性から誰もが納得する基準を設けるのは難しいだろうが、より分かりやすく明確な基準を作ってもらいたい。

(デイリースポーツ・大上謙吾)

あいまいな基準ですと、上の記事でも指摘されているように、戦術の選択する問題が生じますね。

>ただ、もっと明確な基準で己の「立ち位置」が把握できていれば、高橋はあそこまで4回転で攻め、右足にさらに負担を掛けることはなかったかもしれないし、小塚も高橋のベストスコアを上回りにいくなどさらなる“大勝負”に出ていたかもしれない。戦略の選択肢は広がり、双方が納得いく形で決着がついたのではないか。

特に小塚に関しては、それならもっと大技を出していたというところでしょう。安全策では五輪がねらえないというのなら、当然勝負をかけてきますから、小塚陣営からすれば「それは後だしジャンケンみたいなものだ」でしょう。高橋は、演技後自分は選出されないみたいなコメントもしていましたし、マスコミなども小塚有利と伝えていましたから、やはり小塚の思い込みでなく誰もが「小塚だろう」と考えたわけです。そうなると、この大会での高橋は、成績も出さないとまずいですね(笑)。もちろん出せなければ仕方ありませんが、これで悪い成績でしたら、あえて自分を選んだスケート連盟に申し訳ないし、小塚に対しては、一生の負担を感じてしまいます。

もちろん高橋を選んだのはスケート連盟ですから、高橋の成績が悪ければその責任はスケート連盟でしょうが、悪い成績をとれば高橋の場合「やはり小塚を選べばよかった」といわれます。浅田真央や鈴木明子、羽生結弦らなら、正直どれだけ本番で成績が悪くても他の人間を選ぶという選択肢はありませんが、高橋は言われます。言われれば、たぶん高橋にとっても小塚にとっても一生の傷になるでしょう。それは仕方ないことでしょうが、しかしどうかです。

なお、安藤美姫と織田信成も引退しました。

2人とも正直オリンピック出場は厳しいことは予想できていましたが(安藤に関しては、万が一にも難しいというレベルでしょう)、特に会場を去る安藤が車に乗り込む際の笑顔が印象的でした。たぶん責任のない立場だから気楽に演技ができたということでしょう。彼女の場合、未婚の母騒動以外にもけっこうひどい誹謗中傷を受けたりして気の毒だったところもあります。

で、織田はあんまりオリンピックとは相性がよくなかったですね。06年は、代表だと思っていたら得点計算ミスで出場できず、10年は靴の具合が悪く不十分な演技しかできず、14年は力が及びませんでした。

彼の場合、バイクを飲酒運転して検挙されちゃったりと、やや軽率な行動もありましたね。あと、これは個人的趣味の問題ですが、私は前にも書いたように泣かない人間なので、そのような(感受性や感情の起伏の乏しい?)私には、織田の涙はだいぶ違和感がありました。いい歳した大人が泣かなくてもいいだろと。いや、もちろん善悪ではありませんけどね。

いずれにせよ、今回のオリンピック代表のシングルの選手のうち、少なくとも3人(高橋、鈴木、浅田)は今シーズンで引退です。日本のフィギュアスケートのひとつの時代が終わるのだと思います。


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