前回の記事がロバート・ショーで終わっていたので、今回は彼からまた書いてみます。
「ジョーズ」でのクイント役は、彼の起用が決定する前は、リー・マーヴィン、スターリング・ヘイドンの起用が考えられていましたが、2人から拒否され、けっきょくショーに落ち着きました。どうも「スティング」とプロデューサーが重なっていたのが大きな理由のようですね。
またリチャード・ドレイファスのフーパー役は、ジョン・ヴォイト、ティモシー・ボトムズ、ジョエル・グレイ、ジェフ・ブリッジスが候補でしたが、最終的にスティーヴン・スピルバーグの友人でもあるジョージ・ルーカスの意見が取り入れられてドレイファスとなりました。「アメリカン・グラフィティ」での活躍が認められたわけですね。また主人公のブロディ署長役は、ロバート・デュヴァルにオファーがありましたが、これはデュヴァルが断り、チャールトン・ヘストンが役に興味を持ったものの、これはスピルバーグが受け入れず、最終的にこの役に興味のあったロイ・シャイダーが役を演じました。
ところで、「スティング」でフッカー役の候補だったジャック・ニコルソンは、「カッコーの巣の上で」の大成功で歴史的スーパースターになりましたが、このマクマーフィー役にはマーロン・ブランド、ジーン・ハックマン、バート・レイノルズらも候補でした。誰が演じても、なかなかすごかったかも。レイノルズは、ちょっと演技力に難かな。ほかにもジョン・ヴォイトも候補でした。さらにジェームズ・カーンもオファーを受けています。ジェームズ・カーンについては、いろいろ面白いエピソードがあるので、これもおって紹介します。ルイーズ・フレッチャーの看護婦役は、コリーン・デューハースト、ジェラルディン・ペイジ、アン・バンクロフト、エレン・バースティン、ジェーン・フォンダ、アンジェラ・ランズベリー、リリー・トムリンらが候補でした。個人的に意見を申しますと、バンクロフトのラッチェッド看護婦はなかなかはまったかも。また、リリー・トムリンを除くと、ほかの候補女優はフレッチャーよりだいぶ年上ですね。
また同じ時期の超大作「タワーリング・インフェルノ」では、ジェニファー・ジョーンズの演じたリゾレット・ミューラーは、オリヴィア・デ・ハヴィランドにオファーされていました。結果としてこの映画が、ジョーンズの最後の出演作品になります。また監督のジョン・ギラーミンによると、もともと消防隊長役はそんなに大きな役ではなく、はじめはアーネスト・ボーグナインが演じる予定で、スティーヴ・マックイーンはポール・ニューマンの建築家を演じるという構想だったそうです。またニューマンの恋人を演じたフェイ・ダナウェイの役は、ナタリー・ウッド、キャサリン・ロスが候補だったとか。マックイーンは、「華麗なる賭け」で共演したダナウェイとは、この映画ではかかわらなかったそうです。あまり人間関係がよくなかったんですかね。確かに、2人が絡むシーンは、写真のシーン(ラスト)以外ないはず。ほかにもロバート・ヴォーンの演じた上院議員役は、アンソニー・フランシオサがはじめ候補でした。なお、ジョーンズと一緒に写っているのは、別に説明の必要はないでしょうが、フレッド・アステアです。彼は、この映画でアカデミー助演男優賞にノミネートされましたが、受賞はなりませんでした。これが彼の唯一のオスカー候補でした。この映画でも(観客へのサービスシーンとして)、軽くダンスをしていましたね。
ほかにも「フレンチ・コネクション」では、ジーン・ハックマンの主人公役は、ポール・ニューマンやジャッキー・グリースン(「ハスラー」でニューマンの相手役をやった人)、ピーター・ボイルも候補でした。ボイルの話は、前に記事にしました。彼が主人公だったら、よりハードな主人公になったと思います。ハックマンでは少し人の好さが出ちゃっているところもあります。ほかにスティーヴ・マックイーン、ロッド・テイラー、チャールズ・ブロンソンも候補です。マックイーンは、「ブリット」と役が重なるところをいやがったとか。フェルナンド・レイが演じた悪役は、本来ならカトリーヌ・ドヌーヴ主演の「昼顔」に出ていたフランシスコ・ラバルが演じるはずだったのですが、手違いで(「哀しみのトリスターナ」など、ブニュエル作品の常連だったせいもあり)レイが起用されたわけです。残念ながら、シャイダーについては情報を仕入れることができませんでした。
「サタデー・ナイト・フィーバー」では、ヒロイン役のステファニーを演じる女優として、ジェシカ・ラング、キャスリーン・クインラン、キャリー・フィッシャーが候補でした。個人的な意見では、この3人の中ならクインランがいちばんステファニーのイメージに合うんじゃないかな(ラングではちょっと個性があわないのでは)という気がしますが、カレン・リン・ゴーニーが抜てきされました。彼女はこの映画以外あんまり印象がありませんが(公開当時のポスターを見ればわかるように、この映画での彼女は脇役ではなく副主人公くらいの格を製作者側は期待していたと考えられます。現在では、気の毒にもトラヴォルタ単独の写真が使われることが多いようです)、今でも芸能活動は続けています。エイミー・アーヴィングは、ステファニー役の最終選考まで残っていました。また、ジョン・トラヴォルタの主人公役は、レイ・リオッタやデヴィッド・カルーソもオーディションを受けていました。これは、トラヴォルタでなければやはりだめだったでしょうね。
この「映画の出演者が「あの人だったら・・・」と想像するのは、最高の楽しみかも」はすごい面白いですね。これからも情報を仕入れて、また記事にします。なお、上の情報の出典は、英語版WikipediaとIMDbからいただいています。