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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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コービー・ブライアントの死を知り、あらためてヘリコプターって危険な乗り物だなと思った

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若干旧聞になりますが、今週月曜日(1月27日)の早朝、一連の記事を読んで驚きました。

元NBAのコービー・ブライアントさん墜落死 現地報道
サンフランシスコ=尾形聡彦

2020年1月27日 8時19分

北京五輪でダンクシュートを決める米国のコービー・ブライアント選手=2008年

 米プロバスケットボール(NBA)元選手の大スター、コービー・ブライアントさん(41)が26日朝、ヘリコプター事故で死亡したと米主要メディアが報じた。米紙ロサンゼルス・タイムズなどによると、ヘリはロサンゼルス北西部のカラバサスで墜落し、ブライアントさんや13歳の娘が乗っていたという。

 ロサンゼルスの警察当局は26日午後の会見で、同地区でヘリが落ち、乗っていたパイロット1人を含む、計9人が死亡したことを明らかにした。ただ、検視や家族など関係者への連絡が終わっていないとして、誰が犠牲になったのかは明かさなかった。米メディアによると、現場は事故当時、霧が出ていたという。

 ブライアントさんは、NBAのロサンゼルス・レイカーズで主力選手として長くプレーし、NBAチャンピオンに5度輝いたほか、NBA史上4位の通算3万3千得点以上を記録している。NBA史上、マイケル・ジョーダンさんや、現役のレブロン・ジェームズ選手らと並んで、最も有名な選手の1人だ。(サンフランシスコ=尾形聡彦)

上の写真の引用は、こちらより。

私個人は、バスケットボールはほぼ見ませんので、彼のファンとかそういうことではないのですが、しかしそのような人間でも彼の名前は知っているわけで、まさに世界的なスーパーアスリートだったわけです。ちなみにこれは有名ですが、彼の「Kobe」という名前は、彼の父のジョー・ブライアント氏が神戸牛を好きだったから付けたそうですし、またジョーさんは、日本でもコーチ活動をしています。そういう意味では、彼は多少は日本と縁があったわけです。

で、最初私の読んだ記事の見出しが「事故で死んだ」という趣旨だったので、私は車の事故かなと思ったのですが、飛行機(ヘリコプター)の事故ですか・・・。それはブライアントなら、ヘリコプターでの移動なんて日常のものでしょうが、そしてヘリコプターの安全性も、昔と比べれば非常に高くはなっているのでしょうが、しかしやっぱりヘリコプターの事故というのもちょいちょい耳にするなと思います。

それにしても娘さんまで亡くなったのは気の毒ですね。ただ事故の特性上、乗客の側に何かができるものではないですから、これはちょっとどうしようもないという感があります。

それで、この事故のニュースを聞いて、音楽プロモーターであるビル・グレアムを思い出しました。彼は、サンフランシスコやニューヨークで「フィルモア」というライヴハウスを経営したり、その閉鎖後は、ローリング・ストーンズのコンサートをプロモートするなど音楽関係では有名な人間でしたが(映画「ウッドストック」にも、緑のスウェットシャツを着て、穴を掘って油を流して火をつけるとか、物騒なことをほざくおっさんで、姿を観ることができます)、91年にやはりカリフォルニアでヘリコプターで送電線にぶつかり即死しています。

もちろん日々膨大な数のヘリコプターが、さまざまな用途で運行されているわけで、その中で事故を起こすのは九牛の一毛のたぐいでしょうが、でもやっぱり日本だけでも年間数件事故を起こしているのは確かです。

たとえば県の防災ヘリコプターの事故ですら、この10年だけでも2010年の埼玉県、2017年に長野県、2018年には、群馬県のヘリコプターが墜落しています。これらは、埼玉県が救助中、長野県が訓練に向かっての事故、群馬県が視察に向かっての事故というもので、ヘリコプター運航の危険さというのがよくわかります。

そういえば昨年末こんなニュースも報道されました。

>ハワイで観光ヘリ墜落 6人死亡1人不明
2019年12月28日 13時44分

ハワイ北部のカウアイ島で観光用のヘリコプターが墜落し、乗っていた乗客など7人のうち6人の遺体が見つかり、警察は、残る1人の捜索を続けています。

ハワイ北部のカウアイ島で、乗客6人とパイロット1人の合わせて7人が乗った観光用のヘリコプターが、26日午後、離陸を伝える交信を最後に、予定の時刻になっても戻らず、行方がわからなくなりました。

警察や沿岸警備隊が捜索した結果、27日、島の北部にある山間部でヘリコプターの残骸が見つかり、その後、6人の遺体が発見されました。

警察によりますと、ヘリコプターに乗っていた乗客は2組の家族で、このうち2人が未成年とみられるということです。

警察は、残る1人の捜索を続けています。

ヘリコプターを運航する会社は、30年以上にわたってカウアイ島などを上空から遊覧するツアーを行っていたということで、NHKの取材に対し、「乗客に日本人は含まれていない」と話しています。

カウアイ島は、ハワイで4番目に大きな島で、映画「ジュラシック・パーク」などのロケ地としても知られ、渓谷や滝など豊かな自然が人気で日本人を含め、毎年、多くの観光客が訪れています。

私も1回観光でヘリコプターに乗ったことがありますが、正直あんまり安定していませんでした。それでこの記事を書いていて見つけたサイトによると、

>ヘリコプター事故等は平成 19 年 1 月から平成 30 年 9 月までの 10 年強の間に 73 件(事故 45 件、
重大インシデント 28 件)発生しています。

>・73 件(未公表分含む)の事故等(うち事故 45 件)に対して、87 名の死傷者・行方不明者が発生
・内訳は、死亡者 55 名(63.2%)、重傷者 23 名(26.4%)、軽傷者 7 名(8.0%)、行方不明者 2 名
(2.3%)。死亡者・行方不明者が死傷者数全体の 6 割以上。

とあります。10年強で55名の死者と2名の行方不明者という数が多いとみるかは個人の問題ですが、運輸安全委員会のサイトによると、2020年1月15日現在で、1974年からのヘリコプターの事故は、438件とのこと。2019年は2件です。サイトで確認すると、1980年代初頭は20件近くも事故がある年もあるくらいの件数で、90年代半ば以降はほぼ10件未満になり(ただし2000年は10件、2002年は15件)、最近は、ほぼ5件以下(6件以上の事故があった年が2009年(7件))ですから、安全性は相当に向上しているようです。ただたとえば、Wikipedia東邦航空によれば、2010年代に入ってからも3回この会社のヘリコプターによる死亡事故が起きていて、計14人が亡くなっています。上で紹介した群馬県の防災ヘリの事故も、この会社が運航委託されていました。また、2017年での事故では、4人が亡くなり、この事故のためにヘリコプターを回しきれず、昨年夏にはヘリコプターによる山小屋輸送に関して東邦航空が対応できなくなったということまでありました。なおこの問題については、inti-solさんが興味深い記事をお書きになっているのでお読みください。

登山ブームの影で進行する山小屋のヘリコプター危機

なおその記事の中で、

>以前に、知人で元海上自衛隊のヘリパイロットだった人がいました。本人はある事情から視力が悪化し、途中からパイロットができなくなったのですが、その人が言うに、自分の同期のパイロットで民間に引き抜かれて移った仲間のうち、6人が事故で亡くなったというのです。みんな、電力会社の仕事で高圧電線を張るで墜落した、と。山小屋の物資輸送や遭難救助なども、場所が場所だけに一瞬のミスが即墜落につながることは明らかです。そういう意味では、ヘリが危険というよりも飛ぶ場所が問題なのでしょうけど、ともかく事故の危険が付きまとう乗り物であることは間違いなさそうです。

という記述には驚かされます。

お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りいたします。また、inti-solさんの記事を引用させていただきましたことにお礼を申し上げます。


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