昨日と同じネタ元から同じシリーズの記事を引用するのも好きでないのですが、これはひどいと思わざるを得なかったので記事にします。
＞2020/11/10 20:00
大学生の命を奪った居眠り運転 生活保護の男が禁止されていた車を借りた理由は「雨にぬれたくなかった」
〈人間スクランブル かごしま法廷傍聴記〉
女性検察官は眉間にしわを寄せ、白いマスク越しにもはっきりと険しい表情が読み取れた。視線の先にいたのは、小太りで黒いＴシャツを着た被告の男（２６）。自動車運転処罰法違反（過失致死）の罪に問われていた。
男はゲームや動画を見て不規則な生活を送っていた。梅雨の真っただ中だったその日、「雨にぬれたくなかった」とレンタカーを借りた。生活保護を受給しているため車の運転を禁じられていたにもかかわらずだ。
向かったのはパチンコ店。兄と１０カ所を巡った。夜が更け、眠気を覚えても休憩しなかった。居眠り運転で横断歩道を渡っていた２１歳の男子大学生をはね、死亡させた。信号は男側が赤。ブレーキを踏んでいなかった。
「尊い命を奪い、大変申し訳ない」と謝罪したが、事件後２度もドライブをしていたことが明らかになった。張り詰めた空気の中、喪服に身を包んだ遺族３人が傍聴席からやり取りを見守っていた。
事故を起こした認識が薄れていったとする被告に、検察官は間髪を入れず「薄れるような出来事か。ご遺族がどんな気持ちで過ごしてきたと思うか」と声を張り上げた。「あなたに無念さが分かるか。生きているから償いたいとか言えるけど、被害者は何も言えないんだよ。分かる？」と一気にまくし立てた。
被害者は大学の特待生だった。県外の広告代理店から内定をもらい、新たな未来へ踏み出そうとしていた。ムードメーカー的な存在で３００人もの友人が通夜に参列。現場には一緒に音楽活動をしていた仲間がＣＤを手向けてくれた。
被害者側の意見陳述では、黒ネクタイを締めた父親が愛息との思い出を回想した。「単身赴任中だった私のもとに遊びに来てくれ、初めて２人で酒を飲んだ。『楽しみにしてたんだよ』って、はにかんだ表情を浮かべて」。言葉を選びながら冷静に語る姿からは、かえって深い悲しみが伝わってきた。
事故３日後に被告から電話があり、名前を間違えられた。生活保護費で賠償したいと言われ、ばかにされていると思った。事件に関するノートの１ページ目に「無念を晴らす」と記した。「息子と幸せな時間をもっと分かち合いたかった。被告への憎しみは日に日に増すばかり。最大限の罰を」と述べ、陳述を締めくくった。
迎えた判決公判。男はまたも黒いＴシャツ姿で臨み、禁錮１年１０月を言い渡された。スーツ姿の遺族が法廷を後にする際、深々と礼をしたが見向きもされず、静かに法廷の扉が閉まった。
これはしかしひどいですね。絶句するほどひどい。池袋の母子をひき殺した交通事故も、レストランの予約に間に合わせるために急いだとか報道されていましたが、この事件は、生活保護受給者がレンタカーを借りて（レンタカーを借りる金はあったんですね）、兄と一緒に10か所パチンコ屋をはしごして、深夜まで（「夜が更け、眠気を覚えても休憩しなかった」とあるからそういうことですよね）車を飛ばして、それで居眠り運転で人身事故、しかも信号無視で横断歩道を渡っていた人をはねたのですか・・・。あまりにひどくて絶句します。
同乗していたらしい兄というのも、この人物も被告人と同居していたのかどうか定かでありませんが、仮に生計を別としていても、そんな生活保護受給者の弟が運転する車に同乗して1日じゅう車に乗って、それで10件パチンコ屋に行っていた人物なのだから、全くもってどうしようもない野郎なのでしょう。まさにこの兄にしてこの弟というレベルです。
それで正直な話、これレンタカーによる事故で正直不幸中の幸いですね。このような最低レベルの常識も欠如している野郎は、たとえば自賠責すら切れているような車を乗りまわすようなことすらもしかねませんからね。自賠責すらない車にはねられて、それで運転している人間が生活保護受給者では今後も賠償がまったく見込めないわけで、お話にもなりません。
それにしても
＞事件後２度もドライブをしていたことが明らかになった。
ねえ。先日記事にした、交通違反をして裁判で執行猶予付きの懲役判決（つまり検察、裁判所ともに、非常に悪質な交通事犯とみなしたわけです）を受けたプロ野球選手は、公判で
＞一生運転はしない
と述べたそうですが、さすがに人を殺しておいて2度車を運転するという神経も、ちょっと異常というレベルでしょう。強い発達障害か精神障害でもあるのかもです。
おそらく球団から見捨てられたのだと思う（埼玉西武ライオンズの相内誠）そのあたりは定かであはありませんが、ただおそらくこの被告人は、ギャンブル依存症の可能性もありそうですね。生活保護受給者といってもいろいろですが、そうとうギャンブルにはまっていないと、たぶんですが10か所もパチンコ屋をまわったりはしないでしょう。同乗していた兄もそうかも。また、野球選手つながりでいえば、無免許で人身事故を起こしたり、少女売春をしたり（しかも金を払わなかった）、特殊詐欺にかかわったりして実刑判決を受けた元プロ野球選手（奥浪鏡）は、
＞「競艇にハマっていて金に詰まっていた。100万円くらいの借金があった」「勝った時の快感が忘れられなかった」などと供述
したとのこと。つまりは、彼もギャンブル依存症だった可能性が高そうです。
プロ野球界を去った後、素行不良がひどくならないか心配だ実際ギャンブル依存症になると、最悪身内を殺してその金でギャンブルをするようなひどい事件も起きます。一例が、こちら。祖父を殺した孫は、無期懲役判決を受けて現在上告中です。
話がとびましたが、このような事件はまさに、単純にこの被告人の個人的な問題ばかりでなく、生活保護の在り方の問題でもあるし、ギャンブル依存症の問題もありそうです。飲酒には抗酒剤がありますが、浪費やギャンブルなどには、それをとめる薬などはない。まさに文字通り暴走されてしまえばそれまでです。ほんと、総合的に様々なことが絡み合ってこのような暴走が生じて、まさに尊い命が奪われたのです。しかもですよ。上の判決はそれで確定したのかもですが（正確なところは知りませんが、記事に控訴したとは書かれていないので、たぶん確定したのでしょう）、1年10か月なんてあっという間ですからね。それで仮にせよ、満期にせよ釈放された後どうやってこの人物は生計を立てるのか。やっぱりまた生活保護を申請してそれで生活することになる可能性が高いんじゃないんですかね。いや、わかりませんけど。しかし短期の禁固刑であろうと刑務所に1度でも入ってしまえばその後の人生は、入る前よりもっといろいろ厳しくなるのは確実ですから、やっぱり生活保護くらいしか食っていく手段はないんじゃないのという気がします。
私もさすがに、こんな野郎が生活保護なんか再度受給するのはおこがましい、野垂れ死にしろとも思いませんが（思ったところで実行はしてくれないしね）、しかしこのような人間をどうにかしなければいけないというのは、社会の相当な責務だと思います。いやー、ほんと困ったものです。
お亡くなりになった学生さんのご冥福を祈ってこの記事を終えます。