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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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やはり海外旅行ガイドブックの世界も、相当な岐路に立っているのだろう(「地球の歩き方」の売却)

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先日(11月9日)関係する記事を書いていますが、現時点でこのような事態になるとはさすがに思いませんでしたね。

旅行に行ける見通しがないと、ガイドブックもあまり読む気がしない(私以外の人もそうらしい)

「地球の歩き方」事業譲渡 コロナで海外旅行状況が変化
滝沢文那

2020年11月17日 14時00分

 旅行ガイド「地球の歩き方」などのシリーズを発行してきたダイヤモンド・ビッグ社が、出版事業などを来年1月1日付で学研プラスに事業譲渡すると発表した。

 ダイヤモンド・ビッグ社はダイヤモンド社の子会社で、1969年の設立。海外旅行ガイドブックの出版を中心に事業を展開してきた。訪日観光客向けのウェブサイトや自治体のパンフレットなどインバウンド向けの事業も手がける。

 「地球の歩き方」は79年に発行を始め、現在は122タイトル、169の国・地域のガイドブックをそろえる。今年9月には、「創刊40年で初」という国内版のガイドブックとして、「東京」を刊行し、注目を集めた。

 しかし、今年は新型コロナウイルスの世界的流行で海外旅行関連の状況が大きく変化。事業の維持と発展を図るため、「地球の歩き方」を中核とする出版事業やインバウンド事業を事業譲渡するという。

 1月以降は、学研プラスがつくった子会社で、「地球の歩き方」シリーズの刊行を続ける予定。学研ホールディングスの広報部によると、出版事業だけでなくオンライン英会話などの教育事業との相乗効果も見込んでいる。

 旅行書は、コロナ禍で大きな打撃を受けた。出版科学研究所によると、今年4月~6月の旅行書の店頭売り上げは、対前年40%を切るほど激減した。ただ、「Go To トラベル」が始まった7~9月は約55%まで戻り、10月も回復傾向にあるという。(滝沢文那)

正直11月半ばの時点で、来年早々付の事業譲渡というのは想像していませんでした。ただ海外旅行ガイドブックの売れ行きが相当悪いことは、容易に想像できるというものです。上の記事でも

>今年4月~6月の旅行書の店頭売り上げは、対前年40%を切るほど激減した。ただ、「Go To トラベル」が始まった7~9月は約55%まで戻り、10月も回復傾向にあるという。

とありますが、これはあくまで旅行書全般の話です。こと海外旅行ガイドブックだけにかぎれば、これをはるかに上回るひどさなのは間違いないところです。40%を切った4月~6月の時期などは、2割とか、そういうレベルだったんじゃないんですかね?

詳細な数字はわかりませんのでこれくらいでやめておきますが、インターネットの発達やスマートフォンやタブレットの普及で、かつてほど海外旅行ガイドブックにも神通力、絶対的な必要性が見いだせなくなったのも確かでしょう。個人のサイトやSNSなどのほうが、ガイドブックより役立つことも多々ある。私などは古い人間ですので(苦笑)、ガイドブックは持っていきますが、これからの時代は、そうでもなくなる方向にあるのではないか。そういう時代において、海外旅行自体も、今年はもう駄目だとして、来年どうなるかが全く見通せないですからね。私としては、もちろん早急に海外旅行が再開できるようになってほしいと望んでいますが、来年も厳しいように思います。私の予想が外れてくれればうれしいですが、正直あまり期待していません。

来年の旅行がどうなるかは現在予想がつかないのでこれ以上議論してもしょうがないですが、問題は、「地球の歩き方」の今後ですね。新会社が設立されて、そこから新たに発売されるということですが、ラインアップの整理とかもなされるのか。これは「地球の歩き方」にかぎったことでもありませんが、このようなガイドブックのシリーズは、売れるガイドブックで稼ぎ、そこから売れない(マイナーな)旅行先のガイドブックでの赤字を補填します。当方のような人物は、当然マイナーな旅行先のガイドブックについて「地球の歩き方」シリーズへは期待しているわけで、そういったところが整理、出版打ち切りとなったら、これまた「どうもなあ」です。たとえばミャンマーのガイドブックも、「るるぶ」からも出ていますが、個人旅行するのなら「地球の歩き方」の方が役に立つわけで、こちらがおしまいになったらやっぱり困ります。ミャンマーはあるいは大丈夫かもですが、他の旅行先は大丈夫かどうかわかりません。しばらくは継続するとしても、その後はよりシビアに打ち切ることもあり得ます。

そう考えると、やはり今回の譲渡は、コロナウイルスの関係だけでなく、旅行ガイドブックの見通しが必ずしも明るくないという考えが前提にありそうで、それも「どうもなあ」です。ビジネスとしては、じゅうぶん合理的な判断なのだと思うし、「地球の歩き方」のラインアップ整理もある程度は覚悟しなければいけないなという気がしています。もちろんそうならなkれ場、それにこしたことはありません。

海外旅行関係の界隈も、いろいろ景気の悪い話に事欠かなそうです。


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