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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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大阪での維新の強さにいまさらながら驚く(関西をのぞいても、維新の比例の獲得票数は共産党の全国の獲得票数を上回る)

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だいぶ日にちが立ちましたが、今回の選挙は自民党が予想以上に議席を確保しましたね。私は、自公で260議席くらいではないかと予想していました。いや、各社の世論調査の数字を見て、だいたいこんなもんでっかいなと適当に予想しただけですが、「自民230+公明30」くらいの数字を予測していたわけです。しかし自民261、公明32で、私の予想を自民だけで賄ってしまいました。が、しかし今回の選挙で、事前に予想はされていたとはいえやっぱり驚いたのが、日本維新の会(以下「維新」)が40議席取ったということです。にご紹介した産経新聞の表を再掲します。

維新が伸びるということはどこのマスコミも予想していますが、40議席という数字を予想範囲に入れたのは共同通信のみです。これだって最大41ですから、やっとこさっとこ予想に入ったというところであり、共産党の10議席だって予想したのは朝日新聞のみ、これだって最低9議席という幅広い予想です。国民民主党の11だって、朝日と共同が予想したのみで、これだって最大に入ったくらいで自慢するほどのこともない。公明の32ですら、朝日と共同のみ範疇です。ところで朝日新聞は、幹部がこんなツイートをしています。

朝日新聞の情勢調査は、大まかには外れませんでした。オートコールが主流のなかで唯一、異なる数字が出ましたが、朝日の矜持はあらかじめ準備した予測モデルの数字を、思い込みでゆがめないこと。世論調査部に数学の専門家を擁する朝日ならではの手法です。いずれ理解される日が来ると信じます。

— 前田 直人 (THE ASAHI SHIMBUN) (@Nao_Maeda_Asahi) October 31, 2021

いや、こういう話はしてもしょうがないんですが、今回たまたま当たったというだけの可能性も高いんじゃないんですかね。最低2~3回くらいの選挙での世論調査をしたうえで結果をみないと、滅多なことは言えないんじゃないか。また朝日が馬鹿にするほど、他紙(テレビ、通信社ほかをふくむ)も無能でもないでしょう。いろいろな手を打って、次の選挙での正確さを競ってくるはず。

それはともかく、特に関西での維新の比例の票の上積みは、正直すごい。こちらの表をご覧になってください。

大阪にいたっては、これくらいです。自民党にダブルスコアで勝っています。公明を足しても全く及ばない。

そして私が調べた限りでは、大阪では、全市町村で、維新は、自民党あるいは公明党にダントツで差をつけて、比例1位の票を得ています。これでは、小選挙区で全勝も当然です。そして大阪での議会に対応するために、公明党が小選挙区で出馬する選挙区では、候補を出さない余裕まである。出れば維新が勝つでしょう。しかし出さない。これは以前からですが、今回に関してはまさにそれだけの余裕があるということです。

それで、今回の選挙での全国での党派別獲得票数の票がこちら。Wikipediaより。

これでお分かりの通り、維新の票から、関西の票をひいても、まだ500万票弱くらいの票を得ているわけで、共産党よりずっと多くとっているわけです(!)。いくらなんだって、維新よりは共産党のほうがはるかにまともな政党だろと思いますが、どうもそうとも思われていないようで、これまた困ったものです。というわけで、今度は、私が作った特製の表をご覧いただきます。

旧民主党の流れをくむ政党は、集合離散が激しいので略しました。自民党と公明党、共産党は、21世紀以降で、自民党についてはある程度の動きはありましたが、基本的にそんなに変化はないという解釈で、一応形ができている党という意味で出しました。維新は、2016年以降の選挙を表にしています。

自民党はここ数年わりあい安定した得票率で、共産党が2014年と16年の選挙でわりと得票率がよかった、公明はやや下がり気味とかいろいろ興味深いですが、しかし維新の伸び方はかなりのものですね。さすがに維新の、比例800万票越えというのは、私としては維新の獲得しうる票のマックスに近いのではないかとは思うのですが、どんなものか。本来維新は、右派系の野党(「ゆ党」「なんちゃって野党」とか罵られていもいますが)で、政治のポジション的には、民社党に近いのかな? 一応労働組合をバックにして「社会主義」を標榜していた民社党と違い、維新は完全に反労働組合でしょうが、どんなもんかいなです。ちなみに民社党が比例代表でどれくらい票を得ていたかというと、解党前の選挙では、1989年の参議院選挙が200万票強、92年が225万票くらいで、そんなに票を取っていたわけではないですから、現段階では維新のほうが民社党よりずっと強力です。

それにしても社会党がそれなりに候補者を出し票も得ていた時代なら、さすがに維新のような政党がここまで力をつけることもなかったのでしょうが、今はもちろんそんな時代ではない。そして地元の大阪で、これくらいの支持を得ているということは、やっぱり維新というのは、それなりの能力のある政党なんでしょうね。正直当方のような人間は、「維新? あんなのキワモノ政党じゃん」と馬鹿にしていた人が多いのでしょうが(はい、私は馬鹿にしていました)、とてもそんな状況ではない。しかしそれにしても大阪での強さはすさまじいですね。いくらなんでもそこまで勝たせるほどのことはないじゃんと私は思いますが、現状では来年の参議院選挙も、大阪で2議席取るでしょうね。2016年の大阪府選挙区では、定数4のところを2人候補者を出して総計140万票弱で2位と4位の当選でしたが、19年は、投票率が落ちたので、総得票数はわずかに落ちましたが、得票率は上げて1位2位当選です。このままでは、来年もそうなりそうです。維新は、ここ最近の選挙では、大阪では、大阪府知事選では、200万票を超える票数を取る力があり、参議院の選挙区では140万票、比例代表は、前回の選挙では120万票以上をとっています。この時の得票率が35.14%だそうで、これは今回の衆議院選挙の42.5%よりだいぶ低いですから、これは来年の選挙ではもっと取りそうに思いますね。

うーん、こういう記事を書いていると、あらためて昨今の日本の国政選挙は、リベラル勢力、左派には厳しい時代だと感じざるを得ないですね。ともかく今回維新は、日本で3位の議席数を誇る政党となったわけです。いろいろと脅威が大きくなるのだろうなと今から私は、覚悟しています。


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