ちょっと興味深く思った記事を。
>横領罪などの元巡査長 4年前にも窃盗罪で懲戒処分と判明
05月27日 18時42分
交番で落とし物として預かっていた財布から現金を抜き取ったなどとして、業務上横領などの罪に問われた元巡査長が、4年前にも窃盗の罪で罰金刑となり、懲戒処分を受けていたことが分かりました。
警察は、当時の処分が適正だったかについて「発表基準に満たないため答えることができない」としています。
鹿児島中央警察署の元巡査長(36)は、去年12月、交番で落とし物として預かり保管していた財布から現金4万円を抜き取ったなどとして業務上横領などの罪で起訴されました。
この裁判のなかで、元巡査長が4年前にも窃盗の罪で罰金刑となったことが明かされ、NHKが情報公開請求や元巡査長の関係者への取材を行ったところ、懲戒処分を受けていたことも分かりました。
当時の処分が適正だったかについて、25日の定例の記者会見で問われた鹿児島県警察本部の飯田洋明警務部長は「発表基準に満たないため、答えることができない」として回答しませんでした。
一方、元巡査長が警察官を続けていたことに問題はなかったかという質問に対しては「地方公務員法では禁錮以上の刑に処せられたものは職員となることができないと記載されており、罰金刑は失職要件には値しない」と説明しました。
その上で「具体的な懲戒処分は当該行為の対応、動機、過去の事情なども勘案して決定していくことになる。ただちに前科のある者が警察からいなくなるわけではない」と述べました。
この元巡査長の裁判が、27日鹿児島地方裁判所で行われました。
中田幹人裁判長は「警察への業務の信頼を害する大変悪質な犯行で、発覚を防ぐために虚偽の文書を作成したことについても酌量の余地は皆無だ」などと指摘しました。
そして「4年前にも窃盗罪で罰金刑を受けたのにも関わらず今回の犯行にも及んでいて強い非難に値する」として懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。
ここでの鹿児島県警の対応については問わないとして、この元巡査部長の態様というのはきわめて興味深いですね。それをどう評価するかはともかく、鹿児島県警側は
>ただちに前科のある者が警察からいなくなるわけではない
といっているわけで、おそらくですが、この窃盗の罪というのは、罰金刑どまりだったことをかんがみても、そんなに悪質なものではない(と少なくとも鹿児島県警は判断した)ということなのでしょう。
私は、こういった刑事処分を受けたら、書類送検か何かをされた時点で減給あるいは停職になり、その時点で依願退職するものだと思っていましたが(一般の行政公務員や教員、消防、自衛隊などとくらべても、警察はこういった不祥事には厳格です)、この鹿児島県警の巡査長(当時)は、その時点では退職は免れたわけです。
そしてこれが本当に興味深いのですが、この元巡査長は、そういう温情措置(でしょう、おそらく)を受けても、またまた不祥事を犯しちゃったわけで、これでは鹿児島県警の側も「これじゃ、こんな野郎に情けなどかけなければよかった」と後悔するというものでしょう。しかもその犯罪が
>交番で落とし物として預かり保管していた財布から現金4万円を抜き取った
ですからねえ(呆れ)。そんなんすぐばれるです。前にこんな記事を書いたことがあります。
あらためてギャンブルほかの依存症の危うさに驚く(3月14日0時00分ごろ更新)その記事でもご紹介したように、
>流用で処分歴ある市職員、部署多忙で再び現金扱う業務に…4か月後には横領始める
ということもあったわけで、それは全員が全員そうだとまではもちろん言いませんが、世の中質の悪い人間の中には、一度(理由や事情はともかく)人事関係で情けをかけてもらったのに、それを平然と(かどうかはわかりませんが、「平然」と書かれても仕方ないでしょう)裏切って再度同じようなことをする人物がいるということです。そしてまた、これは再犯ではないのでしょうが、大阪府警の警官のこのような不祥事もあります。
拾得物や現金を扱う仕事というのは、いろいろトラブルがおきやすいその記事ではほかに、鉄道会社関係の職員の取得物横領の件も紹介さしました。上の記事の警官や鉄道会社の社員などは、職場を懲戒解雇されたでしょうから再度ということはないかもですが、次なる職場では大丈夫か。心配してもしょうがないのですが、やはり非常に危険な気がします。
あ、そうそう思い出した。これの世界的なアスリートあるいは元プロ野球選手はどうか。
それはちょっと違うんじゃないのと思う。また、JOCも全柔連も、内柴を注意しなかったろ 人間落ちればここまで落ちる(元プロ野球選手の少女買春および対価不払い)(3月15日更新) 犯罪傾向がかなり進んでいるようで、けっこうほんとにやばい気がする(元オリックス バッファローズ所属の野球選手奥浪鏡の犯罪) プロ野球界を去った後、素行不良がひどくならないか心配だ おそらく球団から見捨てられたのだと思う(埼玉西武ライオンズの相内誠)内柴正人も奥浪鏡も相内誠も、たとえば内柴は2008年の北京オリンピックの前に、渡瀬恒彦の付き人に後遺症の残るようなけがを負わせ、しかしオリンピックで金メダル候補だというので、特別に示談で済ませてもらったわけです。内柴がまともな人間なら、さすがにこの特例にはきわめて恐縮し、以後はおとなしくなるものでしょうが。どうも彼は、自分は治外法権の人間であると勘違いしたらしく、今度は引退後に女子柔道の指導者になったら、指導する学生に対して性事件を起こしてしまい、実刑の懲役刑しかも求刑通りの厳しい判決を受ける始末です。だいたい初犯なら反省の弁を述べて慰謝料を支払えば、実刑は免れなくても多少は懲役を割り引かれますが、内柴は無罪を主張したし、たぶん慰謝料も積極的な支出はしなかったんじゃないんですかね(この件に関しては、ちょっとよくわかりませんでした)。奥浪と相内については、ご興味のある方はご自分で拙記事ほかをお読みになってください。また元プロボクサーの青木勝利氏なども繰り返しの非行でほぼアウトローの人生を送ってしまった感があります。
この本はなかなか面白そうだ(「あしたのジョー」の主人公のモデルとなったと推定される人物についての本) 元プロボクサーの青木勝利氏と元予備校講師である佐藤忠志氏は、人間性などパーソナリティが似ていたと思う(どちらも相当ひどい晩年を過ごしたらしい)こういうのは、性格が根本的にだらしない、発達障害(精神障害?)である、ギャンブル依存である、なんてことも指摘されそうですが、その真偽はともかくほんと始末におえないですね。こういうのが、精神科に行ってなんらかの治療を受けられるのかどうかですが、たぶん自分の力だけではだめな段階なのでしょう。アルコール依存症、浪費癖、性依存症などと同じです。
そういうことを言い出せば、死刑囚なんてのは、前科を繰り返したあげくに死刑になる決定的な犯罪をした、無期懲役で仮出獄(現在は難しいですが、かつては十何年くらいの服役で仮出獄した人もいました)をしたら、出獄後まもなくまたまた殺人をして死刑、なんて人もいるわけです。これといった前科がないのに、いきなりなんかすごい犯罪をやらかしてそれで死刑になる人というのもいないわけではもちろんありませんが、前振りの犯罪というのもいい表現ではありませんが、そういうことをやらかしている人間が多い。
横領の話から死刑にいたるまでだんだん話がひどくなってきましたが、ともかく世の中懲りない人間というのはいて、そういう人間は実にひどいというわけです。ご当人に改善する意思があるかも定かでないし、また改善するかも怪しい。本当に困ったものです。