またまた「おいおい」の事件ですね。
>ネットカフェ立てこもり男「刑務所に戻れると思った」12年にも愛知の信金で人質立てこもり事件
[2022年6月22日11時55分]
埼玉県川越市のインターネットカフェ「快活CLUB川越脇田新町店」で、男が店員の女性を人質に立てこもった事件で、県警は22日午前3時15分ごろにカフェの個室に突入、逮捕監禁の疑いで住所、職業不詳の長久保浩二容疑者(42)を現行犯逮捕した。人質になった県内のアルバイト店員の女性(22)は保護した。けがをしているが、命に別条はないという。
県警によると、長久保容疑者はカッターナイフのような刃物を所持していた。「自分の人生に嫌気が差した」と供述しており、事件に至った経緯を調べている。
捜査関係者によると、長久保容疑者は2012年11月にも愛知県豊川市の豊川信用金庫支店で人質立てこもり事件を起こしていた。13年4月、名古屋地裁豊橋支部で人質強要処罰法違反などの罪で懲役9年の判決を受けた。今年4月に刑務所を出所し、「事件を起こせば刑務所に戻れると思った」との趣旨の供述をしている。
逮捕容疑は21~22日、カフェの個室で女性を脱出できないようにして監禁した疑い。
長久保容疑者は、自身がいた部屋と隣接する個室に女性が清掃のために入った際、押し入って、鍵をかけたという。個室に窓はなかった。捜査員がインターホンなどを通じてやりとりし、説得した。
21日午前、客として会員カードを提示して入店。午後10時過ぎ、店の従業員から「女性店員が客のいる個室に入ったが、戻ってこない」と110番があった。当時、店内には人質になった女性を含めて店員が2人、客は約20人いたという。(共同)
私もたまにはインターネットカフェは利用しますし、またこの事件の舞台になった「快活CLUB」も会員です。最近は使っていませんが。大阪で北京の冬季五輪関係の記事を更新をしたのが最後かな。
それでこれもいつもの言葉ですが、
>自分の人生に嫌気が差した
>事件を起こせば刑務所に戻れると思った
ってのもねえ。
地裁で死刑判決となり現在控訴中である事件(三春町ひき逃げ殺人事件)は、2人の人間を盗難車ではね殺して、Wikipediaから引用すれば
>取り調べで「社会生活に不安があり、刑務所に戻った方がましだと思った。」「誰でもよかった。車なら簡単に殺せると思った。」と供述した
ですからね。人なんか殺さなくていいだろうと思いますが、そういう話が通用しないのだからどうしようもない。この件では、以前記事を書いています。
死刑になるかどうかはともかく、このような人間は本当に始末に負えない(どんな判決であろうと、生きて刑務所を出るのは難しそうだ)つい先日私が執筆した記事
日本の大量殺人は、犠牲者5人以上というのがひとつの指標かもしれない(個人的には、犠牲者4人から「大量殺人」になるかと思う)(追記あり)で私は、死刑問題や犯罪に詳しいライターである村野薫氏による
>また通り魔的な無差別殺人は、薬物中毒や病的幻覚症状にまつわる発作的犯行や、社会に対する敗北感・疎外感・被差別感を背景として起こされる近年とみに多い大量殺人の一パターン
という指摘を引用しました。それは、この事件にも当てはまりそうですね。逮捕後の犯人の様子を見ていると、かなり精神の状況が悪そうです。
それにしても、かつて監禁で9年もの懲役判決を受けて、満期出所したらしい人物が、出所後まもなくまた似たような事件で逮捕で、その理由が刑務所に戻りたいとか、あるいはNHKの報道にあるように、死刑や無期懲役になりたいとか言っているのでは、これでは何でもありになってしまいます。ご当人この事件で実刑は免れないとして、今回もいずれ出所はしますが、出所したらまた似たような事件を起こしかねないなと思います。万引きや詐欺(無銭飲食やタクシー代踏み倒しなど)などの微罪でお茶を濁すといったことでは済まないのではないか。それもまた怖い話です。
そして、これがさらに暴走してひどい殺人事件が起きないとも限らない。ネットカフェのような狭い空間でガソリンで放火などされたらどうしようもない。非常に危険です。もちろんそこまで行きつく人間がそんなに多いわけでもありませんが、だれが行きつくかは、なかなか予想がつかない。附属池田小事件の犯人などは相当悪質でひどい前歴がありますが、京都アニメーション放火殺人事件、北新地ビル放火殺人事件、相模原障害者施設殺傷事件などは、前歴がある人もいますが、池田小の犯人ほどひどくはない。そう考えると、今回は、ビルの中のトラブルという点で、最悪北新地の事件のようなものになりかねない可能性があったかと思います。
そう考えると、今回の事件は、上で例示したすさまじい大量殺人事件とそんなに距離が遠くないような気もしますね。相模原の事件は、一応障害者を殺害するという目的がありましたが、京都アニメーションや北新地の事件などは、村野氏の指摘する敗北感や疎外感、被差別感などが問題となりそうです。今回の事件は、発達障害や精神障害、知的障害などの影響もあるのではないか。ひき逃げ殺人事件の犯人は、明らかにそういったものを感じます。今回も似たようなところがあるのではないか。そのあたりは、すでに前回の事件の際に行われているでしょうが、ご当人の精神鑑定などで確認するしかありませんが、繰り返しますが、刑期を満了すればこの人物は社会に戻ります。戻った際暴走する可能性は、かなり高いと思います。大量殺人とまではいわずとも、決してそんなに楽観はできないと思います。