このブログの興味と合致する記事がありました。
宝くじ3億円当せんの女性は音信不通に なぜ“一攫千金”は不幸を呼び込むのか?
> ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんは、急に大金を手にした人の多くは、その後いい結果をたどっていないと話す。
「宝くじで3億円当たった40代女性の相談に乗った経験がありますが、彼女は当せん後すぐに仕事を辞めてタワーマンションを契約したり、ブランド品を買いあさったりと無茶なお金の使い方を繰り返し、最終的に音信不通になってしまいました。
(中略)
たとえそれまで堅実な半生を歩んでいたとしても、突然手にした大金の魔力には抗えない。
「退職金と妻の遺産がいっぺんに入って、1億円を手にした60代男性もいました。真面目なサラリーマンとして一生懸命働いてきたにもかかわらず、『いままで地味だった分、残りの人生を派手に謳歌したい。このお金をもっと増やしたい』と考えて、株式投資や信用取引につぎこんでしまったようです。ピタリと連絡が途絶え、1年後、そのかたのお子さんからお金はほとんど残らなかったと連絡がありました」
それでまとめがこちら。長く引用します。
>なぜ“一攫千金”は不幸を呼び込むのか。金融系のウェブサービスを提供するマネーフォワードの創業者のひとりで投資や金融資産の管理に詳しい瀧俊雄さんが解説する。
「同じ“大金”であっても、退職金ならば数十年働いて得たという実感があるうえ、先輩や上司の例を知っているため、浪費にはつながりにくい。ところが“棚ボタ”による大金は、完全なる不労所得のうえ心の準備がまったくない状態で降ってくる。
いわば異常事態なので正常な判断ができなくなり、すぐに浪費してしまったり、投資でもっと増やそうと考えて失敗してしまう。すぐに仕事を辞めてしまう人も多いですが、働いていなければ空白の時間が増え、暇つぶしにもお金を使うことになる。そうなれば年間で1000万円や2000万円は簡単になくなってしまいます」
精神科医の樺沢紫苑さんも、宝くじが当たった人の7割が自己破産しているというデータを挙げつつ、その原因をこう分析する。
「高額当せん者を対象に行った調査でも幸福感が持続するのは当せんからたったの2か月であることが明らかになっています。2か月を過ぎると幸福感は『普通の人と同程度』か『むしろ低い』という調査結果もある。
お金や成功、地位、名誉などを手に入れて幸福を感じると、私たちの脳内では『ドーパミン』という神経伝達物質が分泌され、強い高揚や興奮を感じます。しかし、ドーパミンの分泌時間は短く、せいぜい2~3か月しか続きません」(樺沢さん)
(後略)
この記事の内容は、私が書いている複数の記事にそぐうものですね。家を売った1億円の金で高級自動車を購入して数年後に生活保護受給者になり孤独死した佐藤忠志氏、炭鉱事故の保険金を受け取ったら数年で使い果たし、その後6名もの自分の会社の社員を焼死させて得た保険金1億円を1か月くらいでこれまた使い果たしたすえ逮捕・死刑判決・執行という事態になった夕張の暴力団夫婦、宝くじが当たったらそれをつまらんことに使いつくし、無申告のペナルティで生活も困難になった英国スコットランドの男性ほか。またこれは、莫大な金をもらいながらもやたら破産するという米国のスポーツ選手などにもあてはまるのではないか。
ちょっと正直絶望的な気分になってしまった(元予備校講師である佐藤忠志氏の死について)(10月9日発表) 金銭感覚の狂った人間の末路 このような話はくりかえし読む価値がある(3月1日更新) 「自分は例外だ」なんて考えないほうがいいのかもしれない(米国スポーツ選手の浪費と困窮について)それで、記事の引用はしませんが、金を使わないで地道に過ごしている人も、どうも疑心暗鬼になって問題が生じていることもあるらしい。1億円を拾った大貫さんという人は、大過なく過ごしたようでしたが。
それはともかく上から2番目の記事で紹介した日景忠男の不祥事などもまさに自分の得た大金(保険金)で浪費癖がひどくなったためだし、そういった例もたくさんです。そもそも私もこのような記事を書いています。先月の記事です。
非合法な手段やなんらかの不備、宝くじめいたもので入手した金は、投機性の高い投資や無謀な出店・愚劣な浪費など、あまり有効活用されない(佐藤忠志氏の高級車購入も同じ)確かに宝くじに当たった人には、冊子(しおり?)が配られて、いろいろな注意事項が書かれているという話を聞いたことがあります。宝くじに当たったら、かえって人生の事態が悪くなったということは、めずらしいことではない。
それにしても、根本的に発達障害や精神に何らかの障害があったかと思われる佐藤氏や夕張の暴力団夫婦、日景などはまだしも、上の記事にもあるように、それまで堅実な人生を歩んできた人ですら、よろしくない行動をとることがあるようですね。どうも人間というのは、急に何らかの形で不労所得(に近いもの)を得た場合の頭脳における対応があまりよろしくない生物なのか。たぶんそうなのでしょうが、そうなると私たちもそれ相応に気を付けないといけませんね。宝くじとまではいわずとも、そうそうしょっちゅうあるとはいいませんが、あにはからんや遺産などで大金が入ることもないではない。そうなっちゃうとまさにその財産が一生の問題となりますからね。これといった収入の当てもないのに家を売った金(リバースモーゲージのような形で売却したらしい)で1億円の高級車を買ったり、札幌でデートクラブを開業すると称して(そもそも夕張の夫婦にデートクラブなんか開業して運営するような手腕・才覚なんかありません)いたのに莫大な保険金を受け取ったらそれを1か月くらいで使い果たした(さすがにデートクラブ開業関係のみで使ったわけでもないでしょう)、なんてのではお話にならない。そして彼(女)らは、例外的にひどい人間というわけでもなさそうです。犯罪とか保険金殺人となると論外ですが、大金を手にして無謀な散財に走った例は数多いわけです。
たぶんですが、スポーツ選手や芸能人などの破産状態も、棚ボタ式の収入のためのものが多いためでしょうね。それが大きな要因であることは間違いない。そして1度浪費の習慣がついてしまうと、なかなかそこから脱却できない。前出の佐藤氏などはまさにそれでしょう。だからといって、さすがに家を売った金で1億円の車を買うというのは、気が狂っているといわれても仕方ないと思います。
気を付けるって、気を付けるような趣旨のことでもないような気がしますが、ともかく下らん散財をして損をするのは当人です。最大限注意したいものです。