すいません、かなりすごい誤植を見つけてしまったもので。
別に石原裕次郎を好きなわけでもないのですが、たまたま図書館からこちらの本を借りて読みました。
で、『黒部の太陽』の制作について書かれた章で、1967年当時の新聞記事から引用をしているのですが、次のくだりで私は「おいおい」と思いました。別に断る必要はないでしょうが、引用文中の「三船」とは三船敏郎のことです。
>ところが、東宝が数千億円の借金をした三船の共演に「このままでは三船の将来を危うくする」と同情、(以下略)(p.187)
いくらなんでも
>数千億円の借金をした三船
はないでしょ(笑)。そんな借金があったら、天下の三船だって大変です。将来が危ういどころの話ではありません。
今の時代だって、個人で数千億円の借金をする人がどれくらいいるのか知りませんが(いや、三船も実際には「三船プロダクション」で金を借りたのか)、1967年度の日本の一般会計歳出当初予算額は5,242,521,065,000円、決算額が5,113,035,412,000円です(笑)。もちろんこれに特別会計の予算が加わるので、実際の額ははるかに膨大になります。予算額は、こちらのHPからダウンロードしたエクセルの表で数字を拾いました。
なお、この本については、Amazonのレビュー(この記事執筆時点では唯一のレビューです)にも
>誤植が多いのが難点。
と指摘されています。ほかにもかなりお粗末な誤植がありましたが、それらについては略します。
また、この本が再版されているかは確認していませんが、2刷目以降でこの誤植が訂正されていたらその件はご了解ください。
もっとも考えてみると、私原典の新聞記事に当たっていないので、厳密には新聞の誤植か本の誤植かは確認していません。新聞のそれなら当然(ママ)とでも注釈がつくでしょうから、本の誤植でしょうけど。