これはさすがに「おいおい」の件ですね。わりと詳細に報道されているスポーツ紙の記事より。
>村田兆治容疑者の逮捕詳細「どかしただけ」特別会員向け保安検査場で30代の女性検査員に暴行の疑い
[ 2022年9月23日 19:00 ]
プロ野球ロッテで通算215勝を挙げた「マサカリ投法」で知られる村田兆治容疑者(72)が23日、暴行の疑いで現行犯逮捕されたことが分かった。
本紙の取材で現行犯逮捕されるまでの詳細が明らかになった。
事件の発端は23日午後2時前に保安検査場の職員から通報を受けた羽田空港からの「男性が暴れている。女性検査員がトラブルになっている」という110番通報だった。
村田容疑者は午後1時すぎに羽田空港第1ターミナル北ウイングにある日本航空特別会員向け保安検査場で30代の女性検査員に暴行を加えた疑い。
金属探知機に何度か引っ掛かったことに腹を立てたとみられ、女性検査員の左肩を右手で押した。通報を受けて現場に駆け付けた署員が現行犯逮捕。村田容疑者は「左肩を押していない」と容疑を否認。「前に立ちはだかれたので、どかしただけ」「殴ったり蹴ったりはしていない」などと話しているという。
警視庁は現在、詳しい状況を調べている。
村田容疑者は25日に北海道・芦別市民球場で開催される「宝くじスポーツフェア ドリーム・ベースボール」のドリームチーム監督として、芦別市選抜チームと対戦する予定だった。
◇村田 兆治(むらた・ちょうじ)1949年(昭24)11月27日生まれ、広島県出身の72歳。福山電波工(現近大福山)から67年ドラフト1位で東京(現ロッテ)入団。ダイナミックの投球フォームは「マサカリ投法」と呼ばれ、75、76年に2年連続最優秀防御率、81年に最多勝に輝いた。翌82年に右肘を故障し、85年には17勝を挙げカムバック賞。年に現役引退。通算成績は604試合で215勝177敗33セーブ、防御率3・24。95~97年はダイエー(現ソフトバンク)投手コーチを務めた。05年に野球殿堂入り。右投げ右打ち。
ネットでニュースを観たとき、「村田容疑者」とあって、かの張本勲氏がコメントをしていたので、野球関係者だろうとは思いましたが、村田という名字の野球関係者も複数(たとえばこちらの人物)いるので、誰かと思ったら、一番の大物ですか。村田兆治がねえです。考えてみれば、張本氏がコメントするのなら最高の大物になりますから、ご当人であることは容易に推測はできます。それで張本氏は、
>何かトラブルがあれば、むしろ止めに入るのが彼だ。兆治が手を出すなんて、今も信じられない思いだ。
と語っています。
私もそんなに野球に詳しい人間でも興味のある人間ではありませんが、といってさすがに彼のことくらいは知っているし、一般にも知名度の高い野球選手かと思います。ロッテオリオンズ(当時)という川崎(当時)でくすぶっていた野球チームの選手としては、例外的に人気・知名度の双方で高い人間でしょう。実際Wikipediaからの引用ですが、
>1992年、小学5年生向けの道徳の教材に「逆境を克服した生き方」の教材として、村田が右肘手術からの復活した時の様子が取り上げられた。
というのでは、さすがにそういうことをしたらまずいでしょう(苦笑)。取り上げられたのは30年前の話ですので、たぶん現在ではそれは使われていない教材でしょうが。
さてさて、私がたまたま目にした記事で興味深かったのが、こちらの記事です。
>「マサカリ投法」村田兆治が暴行容疑で逮捕! 汚した晩節、「名球会追放」はあるのか
で、私がちょっと印象に残ったのがこちら。
>村田容疑者の取材経験があるスポーツライターが語る。
「昭和気質というか無骨というか、一筋縄でいかないタイプですよ。投球スタイルそのままで、よくいえば真っすぐな性格ですが、、融通が利かない面があったのはたしか。こちらが質問してもそれには答えず、自分が話したいことを話すので、ずいぶん困った記憶があります。
あれだけの実績を残しながら短期間しか指導者になっていないのは、そういう性格もあったのでしょう。高倉健主演で映画にもなった『居酒屋兆治』という小説がありましたが、モデルは村田さんだといわれています。ただし、女性に暴力をふるうとか、そんなことは考えられない。そんな粗暴な噂も聞いたことはありません」
『居酒屋兆治』というのが、村田と関係しているとは当方勉強不足で存じ上げませんでしたが、Wikipediaにも
>店名のモデルはプロ野球選手でロッテオリオンズのエース投手だった村田兆治。主人公・藤野英治は高校時代に投手で、村田兆治への憧れから店の名を「兆治」にしたという設定。野球ファンの山口瞳が、村田の全力投球に魅了されていたことが背景にあったといわれる。
とあります(注釈の番号は削除)。
それにしてもなんでこんな事件起こしましたかね。状況が定かでないのでめったなことは言いませんが、上の張本氏のコメントといい、スポーツライター氏の証言といい、さすがに村田という人が、このような乱暴をする人間だとは、誰しも考えなかったようですね。融通が利かないとか、必ずしも指導者に向いているとは言えないというような話とは、根本的に異なるでしょう。
で、すみません。以下は、このような可能性がある、こうであるかもしれないという憶測でしかないので、事実無根だったら申し訳ないということになりますが、あるいは村田が、(初期の?)認知症かなにかになって、我慢がききにくくなっている可能性はあるんじゃないんですかね。認知症になると怒りっぽくなり、自制がきかなくなるというのは、すでに知られていることでしょう。大物野球選手の中にも、アウトローみたいな人物もいますが、さすがに村田は違うでしょう。彼の年齢は72歳ということで、今時72なんて大した年齢ではありませんが、どうもそういう背景があるのではないか(そういう可能性がある)と私は思います。
それでこの記事を書いていて、たまたま見つけた記事を。2006年の朝日新聞に掲載されたもののようです。
>いじめている君へ
自分であやまる勇気もって
本文については興味のある方は読んでいただければいいとして、現段階ご当人犯行を否認しているようです。自分のやったことをよく理解していないで否認しているのか、それとも上の記事にあるように
>「左肩を押していない」と容疑を否認。「前に立ちはだかれたので、どかしただけ」「殴ったり蹴ったりはしていない」
という解釈なのか、それはわかりませんが、ただどのみち彼は、この件で関係各方面に陳謝することは免れません。当然居直るわけにはいかない。謝罪はせざるをえませんが、彼は
>あやまる勇気
を持てるのか。自分はない(昔はあったが今はない?)ということになるかも。ご当人がこの記事を覚えているかどうかわかりませんが、覚えていればさすがに自分を恥じるし、また忘れていたとして「あなたはかつてこういうことを書いていた」と指摘されてどう考えるのか。これは、彼の今後の人生を大きく左右すると思います。
事件自体は、そんなに悪質なものでもないかもですから、処分保留釈放とかで穏便に済まされるかもですが、しかし刑事事件としてはそれで決着するとしても、ご当人の今後のことを考えるといろいろ問題も出てくるでしょう。さすがに実刑とかにはならないでしょうから、釈放されたらまずはクリニックとかに行って認知症検査とかをしたほうがよさそうです。あるいはもうしているのかもしれませんが、これでは事実上対外活動にも重大な支障が出るということになるでしょう。このあたりご家族や、いわゆるマネジメントをゆだねている組織があるのでしたら、ご当人の判断でなくそちらの方に動いてもらった方がいいでしょう。
現在ご老体が増える一方だし、また昔ならスルーされていたようなこともばしばし警察に通報されるようになっていますから、このような知名度の高い人の不祥事の報道は、増えてはしても減ることはないでしょう。今後も私なりにいろいろ注目したいと思います。