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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」を見て思いだしたこと

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ブルース・ダーンが好きな俳優でもあるので、過日映画「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」を見ました。

ストーリーをWikipediaから端的に説明しますと、

>インチキな通知文を信じ込み、当っていない賞金を手に入れるために父子がモンタナ州からネブラスカ州を目指す。その道中立ち寄った父の故郷で、昔の共同経営者だった父の友人や親戚、知人と出会う。

というものです。注釈の番号は削除しました。

以下、ネタバレの話を書きますので、知りたくない方は以下読まないでください。それでは・・・。

ではいいですか、書きますよ。

この映画で、主人公の老人(ダーン)が、故郷に行き、そこで(よせばいいものを)親戚や地元の人間に、自分が宝くじに当たってこれから賞金をもらうんだと吹聴(といっていいのかどうか微妙ですが、ともかくそんな話を)します。で、地元の人間や親戚の中には、「良かったな」と言ってくれる人もいますが、事実かどうかはともかく、「貸しがあるから金を返してほしい」と言ってくる親戚、昔の共同経営者(ステイシー・キーチが演じています)が出てきます。

さて、これを見ていて、私は自分の祖父を思いだしました。こちらの記事で紹介した話です。

そこまで馬鹿なことをされたら、かばったり助けたりすることもできない

詳細な内容は記事を読んでいただけばいいとして、つまりは不動産を処分したので若干の金銭を手に入れることのできるはずだった祖父が、その話を(どうしてそのような行動をしたかは不明ですが)自分の妹にしてしまい、結果として自分がもらえるはずだった金をもらえなかったという話です。

当時hatsuさんが

>この時はたまたま地主さんの方に撤去費を払ってもペイする条件が整っていて、お祖父さんが処分に自腹を切らなくて済む絶好のチャンスだったのでしょうね(バブルだったのかな?)

ただお祖父さんは、資産価値のない建物の処分でおカネが回るという仕組み自体が理解できなかったのではないか?と想像します。

「持ち家を売った」感覚で、そのわりに金額が少ないのは、弟妹が今頃になって遺産の取り分を要求した(これも世間ではよくあること)からだと思い込んでしまった。
だから弟のことも信用せず、妹の家に電話でなくわざわざ乗り込んでいって、直談判して自分の権利をはっきりさせるつもりだったんでしょう。

とコメントしてくださり、だいたい私もそういうことかと思いますが、そのあたりはともかく、映画では、老人の奥さんは老人の行動に呆れかえり、1人の息子は「どうしようもないな」となり、2番目の息子(この人がこの映画の実質的な主人公です)は「困ったものだ」と考えながらも父親に同情的です。

で、私たちのほうはというと、奥さん(私の祖母)は悔しくて涙を流し、娘(私の母)は自分の父と叔母の行動それぞれに激怒し、孫(私)は笑うというものでした。実体のない話の映画と、一応は本当に金が入るはずだったらしい(かどうか、詳細は不明ですが)私たちのケースではまた事情が違いますが、この映画に出てくる息子のような優しい人は、世の中なかなかいるものではありません。

別に親戚だろうが何だろうが、金についてシビアになるのは当然だし、私はそれは良いことだ(放漫よりは、ずっといいでしょう)と思いますが、若干近いような話を身近に来た私からすれば、突然自分の2親等の人を思い出して、思わず笑ってしまいました。自分の祖父の愚かな行為を笑う私は、たぶん人間的にろくなものではないのでしょう。

あ、映画自体はとても面白いですよ。ぜひ見てください。

 


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