>俳優の志垣太郎さん死去 70歳 あかんたれ主演
毎日新聞 2022/12/7 19:22(最終更新 12/7 19:22) 283文字
「あかんたれ」などのテレビドラマや、バラエティー番組で活躍した俳優の志垣太郎(しがき・たろう)さんが3月5日、心不全のため佐賀県で死去した。70歳。東京都出身。長男の匠さんがツイッターで明らかにした。
芸術座で舞台デビュー後、テレビドラマに進出。1976~77年放送の「あかんたれ」で主演した他、「おれは男だ!」や、NHK大河ドラマ「新・平家物語」「花神」に出演し、二枚目俳優として人気を集めた。バラエティー番組でもコミカルな一面を見せていた。
匠さんの投稿によると「遠征先の佐賀県において、急な体調異変による心不全により帰らぬ人となりました」としている。(共同)
私個人は、志垣氏にこれといった思い入れがあるということもないのですが、それでももちろんお名前などは存じ上げておりました。そして残念な話ですが、どうも彼は、やや金銭にだらしなかったようですね。こちらの記事を。
>志垣太郎さん 数千万円単位の借金、『半沢直樹』降板騒動…苦しみの晩年
内容を抜粋して引用します。
> 公私ともに順風満帆だった志垣さんは芸能界での交友関係も煌びやかだった。特に松崎しげる(73才)、西田敏行(75才)、柴俊夫(75才)、田中健(71才)とは年齢も近く、芸能界きっての「仲よし5人組」と呼ばれるほど。20~30代のときはこの5人でチャリティーコンサートを続けていたという。東京ベイエリアの高級タワーマンションに住み、外車を買い集め、年末年始には家族でハワイ旅行を楽しむ──40代までの志垣さんは「ザ・芸能人」ともいえる華やかな生活を送っていた。
そんな志垣さんの仕事の勢いに陰りが見え始めたのは2000年代に入ってからだった。
「50代になった頃からドラマの仕事が急減してしまいました。たまに入る仕事は、地方のPR誌のインタビューなど地味なものばかり。バラエティーや情報番組の出番もなくなり、唯一のレギュラー番組だった『噂の!東京マガジン』(TBS系)も2014年に降板となりました」(前出・芸能関係者)
次第に志垣さんは周囲にあるお願いをするようになったという。
「急にまとまった額のお金を貸してくれないかと連絡するようになったんです。まずは近しい仕事関係者に話を持ちかけたそうです。その人は何回かに分けてお金を渡していたそうですが、志垣さんの要求が止まることはなかったと聞いています。そのうち“このままでは志垣さんのためによくない”と判断し、申し出を断るようになったそうです」(テレビ局関係者)
その後、志垣さんが頼ったのが友人たちだった。
「芸能界のツテを頼って複数人からそれぞれ数百万円単位のお金を借りていました。その金額は合計で数千万単位になったとか……。仲のいい友人に始まり、友人の友人にまで声をかけることもあったといいます」(前出・芸能関係者)
方々から借金を重ねる志垣さんを見かねて、友人が注意することもあったという。
「何人かの友人が、『どこにそんなお金を使うの?』と聞くと本人は『生活を維持するため』だと言うんです。『生活を改めたらどうか』と指摘しても、彼が改まることはありませんでした。
何にそんなに使っていたのかはわかりません。ギャンブルなどに使っていたのではないと思いますが……もともと『人生は太く短く、やりたいことをやって好きなように生き、パッと散りたい』という考えの持ち主で、若い頃は毎晩飲み歩いていた。中年になってからも派手な生活をやめられなかったみたいです」(前出・テレビ局関係者)
いくら借金しても、使ってしまえばお金はなくなる。
「4年ほど前には長年家族で住んでいたベイエリアのタワーマンションからグレードを下げたマンションに引っ越しました。家賃は半額ほどまで減らしたそうです」(前出・芸能関係者)
Wikipediaで志垣氏のテレビなどの出演履歴を確認しますと、2018年のドラマ(リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子〜)が最後の記載ですね。テレビドラマデータベースで確認したところによると、「よろとく満タン! ~IDEX編 」というドラマが最後の出演でしょうか。 RKB毎日放送の製作で、2019年8月16日の放送で、「友情出演」となっています。ただこういってはなんですが、ちょっと志垣氏も、上の報道が事実であれば、ちょっと末期的な状態ですね。急死とのことで、最悪自殺の可能性すらありうると思います。「心不全」という病名も、ある意味何でもありの病名だしね。所属事務所も、こちらによればオスカープロモーションだそうですが、すでにWikipediaにもその記載がないしね。息子さんの匠も、同じオスカー所属だったようですが(すでに退社)、たぶん息子さんの退社(退所)と前後して、彼も縁を切ったのではないか。いや、わかりませんけど。息子さんが退所したのは、2020年5月とのこと。彼が芸能事務所としっかり契約していれば、さすがに9か月後の死の報道という事態にはならないと思います。
前にこんな記事を書きました。
2か月弱死が伏せられていたのだから、立花隆もたぶん世間的には「過去の人」だったのだろう(外地・旧植民地で生まれたり育った人たちもどんどん亡くなっている)立花隆は、2021年4月30日に亡くなり、死が公表されたのが6月23日でした。ひところは一世を風靡したといってそんなに間違っていなかった立花ですが、その死が2か月弱伏せられたということは、この時点で彼はすでに過去の人だったのでしょう。タイトルにした通りです。そして志垣氏は、9か月死が伏せられて世間的には特に話題にもならなかったのだから、まさに完全な過去の人だったのでしょう。
記事によれば、21世紀になったころから、志垣氏は仕事がなくなってきたとのことですが、年齢的な問題は仕方ありませんが、たぶん金銭の不義理が絡むようになってからはそのために仕事がさらになくなってきたはずです。そうなってしまってはどうにもならない。こちらの記事
浪費癖というのは、人間にとって本当に困ったことだと思う(抗酒剤のようなものもない)で、私は次のようなことを書きました。
>勤め人、大企業から中小企業にいたるまでの実業家、あるいは芸能人やプロ野球、サッカーなどのスポーツ選手、物書き、画家などの芸術家ほか、個人事業主、あるいは昔よく使われた言葉でいうフリーランサーとでもいう人たち、みな金をわりともらえる時期もありますが、やはり年齢とともにそうでもない時期もあります。昔は、プロ野球なんて、現役の時より解説者などをしている時期のほうが金になるということもありましたが、いまは現役をしているほうがずっと金になります。江川卓とかが早く引退したのは、現役よりもその後のほうが金になるという計算が働いた部分があるのは、たぶん間違いないでしょう。しかし今は、そういう時代ではない。
私はその記事の中で、上で引用した江川卓以外に、このブログで毎度おなじみの佐藤忠志氏、ほかに天地真理、坂本ちゃん、そしてこれは別格に論外ですが、高額納税者番付で90年代に4位になったことまであるにもかかわらず、2008年に5億円の詐欺で逮捕された小室哲哉などを取り上げました。佐藤氏は、最盛期年間2億円の収入があったといいますし、天地、坂本ちゃん、小室など、ある時期はかなりの実入りがありました。しかしそれは永続するものではない。そして、往々にして、一番収入のあった時期の段階で生活レベルを設定してしまい、そこからダウンサイジングをできない人がいます。どうも志垣氏も、そういうところがなかったか。
ところで志垣氏は、昨年1月に交通事故を起こしています。記事を。
>志垣太郎「申し訳ございません」ベンツで衝突事故
[2021年1月29日23時41分]
俳優志垣太郎(69)が東京都江東区で乗用車を運転中、軽ワゴン車と衝突事故を起こしていたことが29日、分かった。
事故は27日午後1時半ごろ、江東区新木場3丁目の丁字路交差点で発生。警視庁東京湾岸署によると、軽ワゴン車は横転し、運転していた50代男性が軽傷を負った。志垣にけがはなかった。
志垣のベンツが軽ワゴン車の横側に突っ込んだとみられ、同署が詳しい状況を調べている。
所属事務所は今回の事故について「本人より事故後すぐに報告は受けております。お相手のあることですので、現段階では詳細は控えさせて頂きます」。また志垣本人のコメントを「今は、事故相手の方の一日も早い回復を心より願っております。この度は、お騒がせして申し訳ございません」と伝えた。
少なくともこの時点では、志垣氏は、所属事務所があったわけですね。その後同課はわかりませんが、志垣氏の金銭問題を報じた記事では、
>2021年1月には都内で車を運転中に軽ワゴンと衝突する事故を起こしたと報じられたが、安否を問う知人らからの連絡に、不安定な気持ちを吐露したこともあったという。
とあります。そういった精神の不安定さと事故が関連があるのかどうかはわかりませんが(その可能性も十分あり得ます)、たとえば志垣氏の乗っている車が
>ベンツ
というのも、もちろんどういうベンツがわかりませんが、正直金がなくて他人から金を借り歩いていた人物としては、あまり良いとは思えませんね。数千万円借金があるのなら、そもそも車なんかのれる立場でもないでしょう。
そう考えると、志垣太郎という人は、相当よろしくないレベルの浪費癖だったのではないかと思いますね。私は上で、志垣氏はベンツに乗るような立場じゃないだろうと書きましたが、たぶん志垣氏にそのようなことを注意しても、「中古だから」とか「大したことはない」といって、無視したのでしょう。引用した記事でも、そのような趣旨のことが書かれています。
で、志垣氏の息子の匠は、芸能界をすでに引退していることを発表しています。記事を。
>70歳で急死の志垣太郎さん、女優の妻・白坂紀子&長男・匠が芸能界引退していた…長男がSNSで報告
2022年12月7日 16時33分スポーツ報知 # 芸能# 話題
俳優の志垣太郎さんが今年3月に70歳で亡くなっていたことを、長男で俳優・匠のツイッターアカウントが報告。さらに、父の死についての会見を開かないこと、自身と母で女優・白坂紀子(64)がすでに芸能界を引退していたことも明かした。
(中略)
7日の投稿では、「昨晩は父に関するご報告をこのアカウントでさせて頂きました。私も母も既に芸能界を引退しており、今 私は一般人として働かせて頂いております。今後も会見などや取材をお受けする予定はございません。このアカウントの更新も、このご報告を最後にさせて頂きたい所存です。何卒宜しくお願い申し上げます」と、自身と母がすでに芸能界を引退していたことなども明かした。
どういう理由で、匠が芸能界から退いたのかはわかりませんが(奥さんの白坂紀子は、すでにほぼ芸能活動はしていないということでしょう)、たぶんあまり自分の父親を観ていて内心「あんまり芸能界というところも、いいところじゃないな」とあらためて思ったんじゃないんですかね。晩年の自分の父親の姿は、お世辞にもあまり目標としたいものではなかったでしょう。そういってはみもふたもありませんが、そんなに見当違いでもないでしょう。
でもなかなか浪費癖というのも、ご当人に相当な覚悟がないと、やはり直せませんね。けっきょく佐藤忠志氏などのように自宅を売った金で1億円の高級車を買って奥さんから縁を切られた人もいるし、そこまではいわずとも、天地真理は、金に困ってロマンポルノに出演したのに、ギャラを200万円の毛皮のコートを買って使い果たしました’(呆れ)。このような話には、枚挙にいとまがありません。
たぶんですが、家族が強力に金の出し入れを制限しないと駄目なのでしょう。天地は、
>月に家賃が14万円、食費が4万円ほどかかりますが、ファンクラブの方が出してくれていて、感謝の言葉しかありません。65歳からは年金が月15万円ほどもらえるはずですが、今、蓄えはないです。渡辺音楽出版との契約で、私が死ぬまで3カ月に1回、5万円が振り込まれることになっていますが、全額娘に渡していて、普段の生活に使うお金は、娘が週に3回、2000円ずつ振り込んでくれて、それでなんとかやりくりしています
とのことですが、そこまでしなkればいけなかったのでしょう。佐藤氏については、奥さんがそこまでできなかった。野村克也も病的な浪費癖がありましたが、野村沙知代が現金・預金を強力に管理したので、佐藤氏や天地などのような事態は避けられました。野村が奥さんに依存していたのも理解できなくもありません。下の記事を参照してください。
野村克也と佐藤忠志氏とでは、そんなに人間性などは変わらないのではないか(配偶者の個性の違いが大きな影響があった)(追記あり)つまりは、白坂紀子と匠は、志垣氏の浪費を押さえつけることができなかったのでしょう。残念ながら、志垣氏は自分の力では、自分を抑制できなかったということなのかと思います。
志垣太郎氏のご冥福祈って、この記事を終えます。なお上の写真は、1988年5月に、長男をお披露目した志垣夫婦。出典はこちら。