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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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この人たち(本多勝一氏と進藤栄一氏)大丈夫かと本気で思った(デマ本を真に受けて、ルーズヴェルト陰謀論を本気で信じている馬鹿な人たち)

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昨日ご紹介した秦郁彦著「陰謀史観 」を読んでいまして、その中で取り上げられている本(ロバート・スティネット著 「真珠湾の真実 ― ルーズベルト欺瞞の日々」)について、あれ、この本前どっかで聞いた(「読んだ」ではない)ことがあるぞと思いました。下の本多勝一氏の著書でのものです。

「真珠湾」からイラクまで― アメリカ式謀略戦争の実体

この本に、筑波大学名誉教授である進藤栄一氏と本多氏との対談が収録されています(「真珠湾」からイラクまで ―アメリカ式謀略戦争の実体 <進藤栄一・筑波大学名誉教授とのインタビュー対談>(p.7~60))。初出は、2003年に雑誌「あれこれ」(8月号)に収録されたものとのこと。なお「あれこれ」は、数号にして廃刊となっています。

進藤氏は、本多氏との対談の中でスティネットの本について

>決定版ともいえる本(p.21)

とまで激賞しています。おいおいですね(笑)。

この進藤・本多対談は、2003年に行われたとのことですが、すでに秦編著(検証・真珠湾の謎と真実―ルーズベルトは知っていたか)は出ているわけで(2001年)、それはお二人ともお読みにならなかったんですかね? それとも読んだがご意見は変わらなかったのか。他人様の頭の中身まで責任は持てませんが、こんなデタラメなことを話す進藤氏といい、こんな話をそのまま拝聴して本にまで収録する本多氏といいどんだけ馬鹿なんですかね。

だいたい進藤氏は、デマ本の著者スティネットを、

>歴史家のロバート=B=スティネット(p.21)

としていますが(「=」は、教科書によく使われる記号だが、本多氏はこれを常用している)、スティネットは歴史家ではありません。単なるライターです。あるいは進藤氏はたとえば半藤一利氏のような人物を念頭に置いて「歴史家」といったのかもですが、彼は、とてもそんなレベルではない。多分進藤氏は、スティネットが本当に歴史に造詣の深い人間であると勘違いしたんでしょう。どんだけうかつなんだか。

なおスティネットは、英語版Wikipediaに項目がありまして、Robert Stinnett - Wikipediaによれば、

>Robert B. Stinnett (March 31, 1924 – November 6, 2018) was an American sailor, photographer and author. 

>Stinnett participated in World War II from 1942 to 1946 as a naval photographer in the Pacific theater, serving in the same aerial photo group as George H. W. Bush. After the war he worked as a journalist and photographer for the Oakland Tribune. He resigned from the Tribune in 1986 to research and write.

Stinnett was a research fellow at the Independent Institute in Oakland, California. He died on November 6, 2018, aged 94.

とあります(注釈の番号は削除。以下同じ)。英語版Wikipediaも、彼を「歴史家」とはしていない。彼が、何らかの歴史研究者としての可能性があるとしたら、

>the Independent Institute 

のあたりでしょうが、ここはいったいどういうところじゃいなと思い確認してみると、Wikipediaによれば

>The Independent Institute is an American libertarian think tank based in Oakland, California. Founded in 1986 by David J. Theroux, the institute focuses on political, social, economic, legal, environmental, and foreign policy issues. It has more than 140 research fellows. 

とあるわけで、こういう組織で学術研究員をしていたとしても、ちょっと「歴史家」というのは過大評価でしょう(笑)。素人さんに毛が生えたくらいではないか。

なお秦氏は、スティネットの原書における著者紹介についてあいまいであると、『検証・真珠湾』で批判しています。

>一読してひっかかったのは、まず生年が記されておらず、何歳で海軍に入り、現在は何歳なのか不明なことであった。次に学歴不詳、海軍での階級、職歴、戦歴がはっきりしない。著書、論文が他にあるのかないのかそれもわからない。(p.216)

>戦争、とくに情報・通信をテーマとする本を書くとなれば、たとえ水兵であってもこの分野の職歴を持っていれば読者も納得するだろうが、書いていないのは他の職種らしいと考えた。最初の著作、それも戦史がテーマなのに以上のような諸要素をぼかしてある。似たような前例の記憶がないから、それだけで私は怪しげな人物らしいと直感した。(p.217)

>その後、空白の一部は妹尾氏(引用者注:スティネット本の監訳者)や西木氏(引用者注:スティネット本の支持者)の情報で判明したので、補足しておくと、スティネット氏は一九二四年生まれ、米海軍では航空写真員だったそうである。情報、通信分野でないとわかったので、彼が『欺瞞の日』で通信や暗号の理解についてアマチュアなみの無知をさらけだしてるのも、もっともかなと納得できた。(p.218)

それにしてもこういっちゃなんですが、しょせん国際政治とか米国の歴史などでは素人にすぎない本多氏はまだしも、米国の外交などを研究して法学博士号も取得している進藤氏が、こんな与太本を真に受けていいのか(苦笑)。これだけで、進藤氏は学者失格といわれたって仕方ないレベルの不始末じゃないですかね。

だいたい秦氏仰せの通り、真珠湾陰謀論とは

>論者によってニュアンスは少しずつちがうが、要はルーズベルトが日本の真珠湾奇襲を予知しながら、対日参戦を確実にするため、それを現地のキンメル(引用者注:太平洋艦隊司令長官)、ショート(引用者注:ハワイ駐留陸軍司令官)に知らせなかったというものだ。

このセオリーは日本へ輸入されると、一部の人々から無条件で歓迎された。東京裁判で開戦責任は日本にあると断罪されたのが、逆転ないし相討ちになると思われたからだろう。

私はこのセオリーを受け売りする人には「もしそうだったとすれば、ルーズベルトは直前に太平洋艦隊へ出港命令を出せばよい。

そうすれば、日本の攻撃はカラ撃ちになり、損害を出さないで目的を達せるではないか」と問うことにしている。

また、この陰謀説が成立するためには、各所に大統領の共謀者、同調者がいなければならない。

ワシントンの関係閣僚は当然として、キンメル、ショートにはじまり、レートン(引用者注:太平洋艦隊情報参謀)、ロシュフォート(引用者注:ハワイの通信情報班の長)らの関係者、はてはオアフ島北端で試運転中だったオバナ・レーダーサイトの水兵が、二時間前に日本機らしい大軍を発見したのに、報告を握りつぶした当直の若い中尉までを「買収」しておかねばならない。

買収しても「これは国家反逆罪だ」と大統領を告発する部下がどこから出てくるか保証の限りではないし、戦後の半世紀以上にわたり、マスコミから大金を積まれてバラす人がいないとは信じられない。(検証・真珠湾の謎と真実―ルーズベルトは知っていたか p.253~254 なお以上の引用中、段落は1段空け、段落冒頭の一字下げは省略)

ということでしかないでしょう。ところが本多氏は、前掲書で、

>真珠湾攻撃はルーズベルトの陰謀による「やらせ」だとしても(注)(p.144)

>しかしワシントン政権が日本に真珠湾を攻撃「させた」とき、自国の米軍将校(引用者注:「将校」は原文のまま。将校以外にも戦死したはず)約三〇〇〇人の生命が無視されたことを思えば(p.146)

とまで書いている(おいおい)。まあ人間信じ込んじゃうと他人の説得には耳を貸さないしね。先日の記事でも指摘しましたように、

>信じたいと思うことを提示してくれる。一部の人たちにとっては、「信じたい」と「信じる」がほぼイコールなのではないか。特にいわゆる船井系(船井幸雄氏が支持するもの。波動・EMなど)を受け入れる人たちには(船井氏自身も含め)そのような傾向が強いと思える

>自説の誤りを指摘されたときに、それにきちんと対応できないとニセ科学の道にはいる

>ニセ科学研究者(および強固な信奉者)は説得できるか:これまでに見聞したかぎりでは、残念ながらニセ科学研究者も信奉者も説得はできない。 ニセ科学批判は、まだニセ科学に道に踏み込んでいない人々への教育のためと考えるべきなのだろう

ということなのでしょう。ともかく上の秦氏の言い分に、本多氏と進藤氏はどう反論するのか。いや、まさに米国は真珠湾の兵士を見殺しにしたのだとかほざくんでしょうね’(笑、いや笑っている場合ではない)。なおこの文章が書かれている記事の注釈(引用の「注」のところ)には、

>真珠湾攻撃というルーズベルトの陰謀についてはロバート=B=スティネット『真珠湾の真実―ルーズベルト欺瞞の日々』(妹尾作太男監訳・文藝春秋・二〇〇一年)参照。

と、こんなクズデマ本を全面的に支持してしまっています。

そして私がこの人たちの対談でいちばんひどいと思うのがこちら。

>(引用者の注記:進藤氏の発言)スティネットの話によると、実はラスブリッジャー(引用者の注記:真珠湾陰謀説の本を書いた人)ともう一人やはり真珠湾攻撃に関する謀略を暴き出したコステルというイギリスの戦史研究家の二人が、不慮の死を遂げています。コステルは本が出た直後に、ロンドンからマイアミに向かう飛行機の中で不審死を遂げ、ラスブリッジャーはスティネットと電話で話した直後に自宅で亡くなっている。英国の諜報機関が裏で動いていたとスティネットは示唆しています。まるで二〇〇三年七月に、イラクの大量破壊兵器に関する情報源であった英国防省のケリー博士が、自宅近くの森で自殺したとされる事態をほうふつさせるのですが、ともあれ、真珠湾はやはりタブーなのですよ。「真珠湾攻撃はアメリカの謀略であって、日本は罠に嵌められた」という事実自体が、アメリカ史の中では決して明らかにされてはいけないタブーなのだということが、このスティネットの本を読むと理解されます(注11)。

本多 やっぱり謀略国家アメリカはこわい。その本質にふれるような部分はタブーだから、日本のいいかげんなマスメディアもふれようとしないんですね。お互い「不慮の死」には注意しましょう(笑)。いや、笑いごとではないけれど。(p.21~22)

なお引用中の

>(注11)

を参照すると、

>『諸君』(引用者注:雑誌名は原文のまま。本来は、『諸君!』。すでに実質廃刊)二〇〇一年九月号の「終戦特集・破られた『歴史の封印』」参照

とあります。つまりは、スティネットのデマ本の出版元である文藝春秋社が、自社のオピニオン雑誌で、本の宣伝をしているという毎度おなじみの構図です。雑誌『文藝春秋』でも、文藝春秋社は、積極的にこの本を宣伝していました。本多氏の出している本で、本多氏とは犬猿の間柄である文藝春秋社の『諸君!』なんていう極右雑誌の記事が肯定的に引用されているというのも奇怪な話です。で、その特集についてこちらから引用すると、

>終戦特集 破られた「歴史の封印」-
1 「無線封止」の神話は完全崩壊、奇襲は読まれていた!
  『真珠湾の真実』をまだ信じない人たちへ-新たに発掘された「決定的史料」
  ロバート・スティネット(ジャーナリスト)/櫻井よしこ(ジャーナリスト)/妹尾作太男(戦史研究家)/田久保忠衛(杏林大学教授) 130

最後の「130」とは、ページだと思われます。以下2,3,4と、別件テーマの特集がありますが、直接関係ないので引用は省略します。櫻井よしこといい、田久保忠衛といい、とても本多氏とまともに付き合える人間じゃないと思うんですけどね(苦笑、呆れ)。これはいったいどういうことなのか。櫻井については、また後でちょっととりあげます。

ところで今気づいたのですが、『諸君!』でのスティネット氏の肩書も「ジャーナリスト」であり、「歴史家」ではありませんね。当たり前です。つまりは、デマ本の出版元ですら、著者を「歴史家」とは見なしていないわけです。

それはともかくこのくだり読んで私、本気で

「この人たち大丈夫か?」

と思いました。だいたいそんな怖い陰謀があるのなら、どうしてこの本は発売されたのか。スティネットはなぜ殺されなかったのか。不審なところばかりじゃないですか(笑)。証言者を殺すより、著者を殺したり本の出版を止める方がずっと面倒がない。そもそもなぜこの本は日本で翻訳されたのか。圧力があって翻訳出版が不可能にならないで出版されたこと自体、「その程度の本」という以上のものではないでしょう。そんな話が正しければですが。なお進藤氏も本多氏も、もちろんその後(拙記事執筆時点では)殺されてはいません。スティネット氏も、上のWikipedia英語版からの引用でお分かりの通り、2018年に94歳でめでたく天寿(でしょう、たぶん)を全うされています(当たり前です)。たいへんいいことです。

このあたりの詳細は、秦編著を参照していただきたいのですが、Wikipadia真珠湾攻撃陰謀説から引用すれば、

>スティネットの『真珠湾の真実』に対して秦郁彦は以下の反論を展開している。

序章と後方の記述が違い過ぎ、原書ページで5ページと324ページでまるで正反対である。[要出典] 1999年3月メリーランドカレッジパークの国立公文書館でJN-25bの解読作業に関する文書OP-20-Gを発見、1941年12月1日の時点ではJN-25bのほんのわずかな暗号を、解明できずただの一通も解読できなかった、というのが事実であり、JN-25bが解読されていたという主張を論破するものである(『検証・真珠湾の謎と真実』)[要文献特定詳細情報]。 日本外務省は九七式欧文印字機という暗号機(アメリカのコード名パープル、パープル暗号機)を使用していたが、アメリカはこれを複製することに成功していた。パープルや領事用の解読情報はマジックと呼ばれた。パープル電報の傍受はベインブリッジワシントン州)とサンフランシスコ傍受所で米軍は97%から98%解読できた。日本外務省はこの暗号機に自信をもち、解読されているとは知らなかった。(『検証・真珠湾の謎と真実』)[要文献特定詳細情報]。連合軍は沿岸監視員フィリピンゲリラオシントとしては市販の書籍、雑誌、新聞、または公刊資料などから、理論的に解析、敵の暗号書に近い物を作り上げるが、真珠湾攻撃前に日本外務省の主暗号を真珠湾攻撃前に解読した。(『検証・真珠湾の謎と真実』)[要文献特定詳細情報]。外務省の主暗号は解読されていたが、日本海軍の暗号が解けるようになったのは1942年春以降である[20]。 艦船の位置を特定する「方位測定」は敵電波の方位を測定することであるが、長距離で二箇所以上で同時に測定しなければならない。(以下ジャスパーホルムズの著書)[注 13] 当時の方位測定機の多くは実際の方向と逆の方向(180度真反対)のいずれかは識別することが出来なかった。12月7日(攻撃当日)1100(午前11時)オアフ島アルアレイの方位測定機が357度方向に日本空母を測定したが、それまでのキンメル太平洋艦隊司令長官の情報はすべて南方にあるというものであった。(『検証・真珠湾の謎と真実』)[要文献特定詳細情報]。 スティネットが原著57ページで例示した、11月18日から20日付の日本軍の電報の写真に見える解読日付が1946年4月となっている[21]

スティネットの著作について秦は、「類書のなかでも最低レベル」で「功の側面があるとすれば、真珠湾陰謀論は成り立たないこと」を立証したことと評している[21]

今回は、注釈の番号も削除しないで引用します。ほかにもスティネット本への批判がいろいろ書かれているので、まずはお読みになってください。秦編著には、また、スティネット本が、注釈などでもアーカイヴ番号などが無記載だったり、まったく相反する主張が両論併記されたりしているなど、まったくひどいものであることがいろいろ紹介されています。

どうでもいい話ですが、元朝日新聞論説委員の方の書いた記事に、

>前回の「小白川通信」で真珠湾攻撃をテーマにし、当時のルーズベルト米大統領は事前に攻撃計画を知っていたにもかかわらず、現地の司令官たちに知らせず、日本軍の奇襲を許したという、いわゆる「ルーズベルト陰謀説」を扱いました。そして、こうした陰謀説について「断片的な事実を都合のいいように継ぎはぎした、まやかしの言説で、もはや論じる価値もない」と書いたところ、旧知の研究者から「違います。陰謀説は否定のしようがないほど明らかです」とのメールが届きました。

 びっくり仰天しました。門外漢ならいざ知らず、彼はアメリカ外交や国際政治の専門家です。そういう研究者の中にも「陰謀説」を信じている人がいるとは・・・。これでは、高校の歴史の授業で「陰謀説」を事実として教える教師が出てきても不思議ではありません。メールには「スティネットの『真珠湾の真実』と藤原書店から出た『ルーズベルトの戦争』を読むことをお薦めします」とありました。不勉強でどちらも読んでいませんでしたので、取りあえず、『真珠湾の真実』(文藝春秋)を読んでみました。

というくだりがあって、これまた「おいおい」と思ったのですが、ここに出てくる

>アメリカ外交や国際政治の専門家

って、ことによったら進藤栄一氏じゃね、という疑問が生じました。あるいは違うかもしれませんが、そうである可能性は、そんなに低くないと思います。こんな幼稚なデマ本を真に受ける

>アメリカ外交や国際政治の専門家

がたくさんいるとは思えない。なおこの筆者は、スティネット本について

> 細かい注釈をやたらと多く付けているのも、この本の特徴の一つです。第2章の最後の注釈には「米陸軍参謀総長ジョージ・C・マーシャル大将は1941年11月15日にワシントンで秘密の記者会見を開き、アメリカは日本の海軍暗号を破ったと発表した」とあります。これも作戦暗号の解読に成功していたことを印象づける記述ですが、「秘密の記者会見」の開催を裏付ける証拠や会見内容を詳述する資料はまったく示されていません。都合のいい断片的な事実、あるいは事実と言えるかどうかも怪しいようなことを散りばめて、「日本海軍の作戦暗号は真珠湾攻撃の前に解読されていた」と印象づけようとしています。

と酷評しています。訳本では、p.58です。ところですでにご紹介していますが、この筆者もこの引用の後で指摘しているように、このスティネット本は、かの櫻井よしこまでが

米国人ジャーナリストの根気が明らかにした『真珠湾の真実』 

「無線封止」の神話は完全崩壊、奇襲は読まれていた!「 『真珠湾の真実』をまだ信じない人たちへ

などという記事を書いているくらいです(執筆は、2001年)。下は、前掲の『諸君』の記事です(上は、『週刊ダイヤモンド』)。櫻井の馬鹿ぶりもひどいものですが、それにしても自称親米であるはずの櫻井(田久保某も(苦笑))がこういう与太を嬉々として取り上げるあたり、米国に批判的なはずの本多勝一氏とこんなことで意見が一致するというのも、櫻井にしても本多氏にしても、なんともはやグロテスクですよねえ(苦笑)。まあ本多氏はともかく、櫻井の「親米」なんて、その程度の欺瞞でしかないのでしょう。しかし万人が認める歴史修正主義者である櫻井はともかく、本多氏のように、本来歴史修正主義に対してきわめて批判的と思われる人物が、こんな与太陰謀論を真に受けてはいかんでしょう。本多氏は、以前からルーズヴェルト陰謀論の支持者だったみたいですが、仮にその考えがさらにスティネット本で強まったのなら、

「馬鹿も休み休み言え」「デマデタラメもいいかげんにしろ」「うそ八百ほざいてんじゃねえよ」「素人にフェイク吹き込むのもたいがいにしろ」

てもんでしょ、悪いけど。これは進藤氏にもあてはまります。なお同じことを前に半藤一利氏批判の記事で書きましたが、半藤氏のことは別に好きではありませんが、私は、本多氏については基本的には支持しているので(笑)、半藤氏の時には書いた

>嘘つきクズ野郎

というのは削除しました。また「青少年」というのも、半藤氏の本の場合なので、これも削っています。

やっぱり半藤一利氏ってトンデモじゃんとあらためて思った

なお孫引きで恐縮ですが、当の半藤氏は、スティネット本について、

>半藤一利他『太平洋戦争 日本海軍 戦場の教訓』より

半藤 あの本は阿呆らしくて阿呆らしくて、とても、コメントする気になれません。(P42)

と評しているとのことです。引用は、ゆうさんの記事より。赤字・太字は、引用元のまま。本多氏は、半藤氏のことも、大要「合州国(本多氏の表記に合わせました)の謀略に洗脳されている」とか認識するんですかね。たぶんそうなのでしょう。

それにしても、歴史修正主義者としてはある意味首尾一貫している櫻井とかよりも、日本軍の戦争犯罪とかに厳しい目を向けている本多氏のほうが、事態は深刻だと思います。いまからでも遅くないから、本多氏も進藤氏も、スティネット本への評価は撤回すべきです。たぶん撤回しないのでしょうが、したほうがやっぱりいいと思います。末代までたたる恥です。櫻井については、Wikipediaの「日本の陰謀論者」に名を連ねているくらいなので、スティネット本への支持自体は驚くようなことではないのでしょう。本多氏は、そのリストに入っていません。しかし私見では、本多氏もかなりの陰謀論者だと思います。なおこのカテゴリには、飛鳥昭雄宇野正美太田竜コンノケンイチ副島隆彦高田純 (物理学者)武田邦彦船井幸雄ほかなかなかの大物の名前を確認することができます。

いずれにせよ本多氏という人は、愚劣なデマ、あてにならん話、私が

>詐欺師やコピーライター、アジテーター、はったり屋、詭弁家としての才能はあっても、実質デタラメな野郎に過ぎない

評したような怪しい人物に全面的に傾倒・依拠しちゃうなど、どうも自分考えに近い人間、あるいは支持する言説を、かなり安易に信じちゃうところがあるみたいですね。例の、1975年のカンボジアにおけるプノンペン陥落時に、やたらポル・ポト派を擁護しちゃった(ばかりか、その実態を正しく報道した米国のジャーナリスト(ニューヨークタイムズ記者であるシドニー・シャンバーグ記者。映画『キリング・フィールド』の主人公のモデル)までも、不当に罵倒してしまった)不始末・不祥事も、彼のそのような性格が災いしたのではないか。たぶんそうです。よろしければ下の記事もご参照ください。いずれにせよ、本多氏も櫻井も、双方のことを大っ嫌い、憎みあっているのでしょうが、精神はかなり近いものもあると私には感じられます。本当に困ったものです。

けっきょくこれらの本を読めば、本多勝一氏の東洋医学の本など根本から崩壊してしまう(高橋晄正氏の著書)

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