旧聞で恐縮ですが、長きにわたって「と学会」の会長を務めていた小説家・山本弘が、その任を離れ、同時にと学会も退会したということを自らのブログ記事(2014年4月30日)で発表しました。
私が興味深く思ったのは、会長退任だけでなく、彼がと学会を退会したことです。彼の知名度は、このと学会での活動がそれなりの位置を占めていたと考えられますので、やめるというのはそれなりに重大な決断だったと思われます。山本の弁です。
>べつに突然決断したわけではなく、何年も前から考えていたことです。宣言するタイミングを見計らっていました。
詳しい事情は外部には話せませんが、一言で言えば「きつくなってきた」ということです。
確かにものすごくエキサイティングで楽しい活動だったし、知らなかったことをいろいろ学ばせてもらったことに感謝しています。仲の良くなった会員の方も多いですし、これまでやってきたことを後悔はしていません。
ただ、近年はただ楽しいだけじゃなく、嫌なことも多くなってきて、ストレスがたまってきてたんですね。
>ただ、近年はただ楽しいだけじゃなく、嫌なことも多くなってきて、ストレスがたまってきてたんですね。
おそらくこれは、唐沢俊一にかかわるトラブルなどのことかと考えられますが、私は、私がこのブログで2回記事に取り上げた山本のこうむった災難もたぶん一つのきっかけではあるかと思います。
世の中ここまで他人に迷惑をかける人間がいる(ここまで馬鹿なことされてはどうにもならない)
詳細については、山本自身が書いた記事(副島隆彦先生に謝罪します)をお読みください。つまりは、馬鹿な「と学会」会員が、副島隆彦のサイン会で山本の名前を名乗って非常識な行動をして迷惑をかけて、しかもそれを(よせばいいものを)と学会のメーリングリストで吹聴したり、もらった副島のサイン本を山本に直接手渡して自分の非常識な行動を山本に自慢した(絶句)という話です。副島が自著でこの話を書いたため、山本と件のと学会会員は、副島あてに謝罪文を送っています。
山本はこの件で
>最近、むちゃくちゃ腹が立つことがあった。
ここ数年、これほど怒ったことはない。
と書いています。
これはあまりにひどい事例で、山本はお気の毒としか言えませんが(ただし、山本も、そのと学会会員が自分に自慢した際に、もう少し注意はした方がよかったのではないかとは思います)、こういうことがあれば、それはたしかに嫌な気分になり、ストレスもたまると思います。
正直山本が
>Kは僕に謝罪した。彼も悪気があったわけでなく、「なりすまし」も故意にやったことではないと分かったので、僕は彼を赦し、処分はしないことにした。
と書いたのが、私は理解に苦しむのですが(どう読んでも、悪気もあるし、なりすましも故意でしょう)、山本が
>引退宣言をするまではずいぶん悩んだんですが、その後は重荷を降ろして、すっきりした気分です。
というのを読むと、ここまでひどくはなくても、嫌なことが多かったんだなとあらためて感じました。
正直、山本の突っ込みを楽しむために(最近本は読んでいませんでしたが)私はと学会の本を読んでいたので、もうと学会の名で発売される新しい本に目を通すことはないだろうなと思いました。自分でいうのもなんですが、私も自分の文章にやや山本の影響を感じる部分もないではありません。私のそういった個人的な感慨はともかくとして、と学会の活動も、これから大きな曲がり角に差し掛かるのだろうなと感じます。
そういうわけで山本さんお疲れさまでした。これからの活躍を期待します。