このブログでも繰り返し話題にしている昨年亡くなった映画監督ジャン=リュック・ゴダールの追悼上映会が、4月28日から都内を皮切りに日本中で上映されまる。公式サイトは下。
『追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭』公式サイト前書きの文章と監督紹介を引用します。
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2022年9月13日、ひとりの映画監督がこの世を去った。『勝手にしやがれ』で世界を驚愕させて以降、“ヌーヴェル・ヴァーグ”の旗手として作品を発表するごとに注目を浴びると同時に、
そんなカテゴライズをあざ笑うかのごとく観る者を挑発し、煙に巻き、固定観念に唾を吐き続けた男。
今回、彼の膨大なフィルモグラフィの中から最も充実していた1960年代と1980年代を中心に、
滅多にスクリーンでは観ることのできない全9作をセレクト。
何が革新だったのか。何が称賛されたのか。何が人々を怒らせたのか。そして彼のいない映画はどうなっていくのか。
それでもゴダール=映画は生き続ける。 ジャン゠リュック・ゴダール Jean-Luc Godard 1930年12月3日、パリ生まれ。両親共に富裕なプロテスタントのフランス系スイス人の家系。父は医師。母方の血族は知識人・芸術家・聖職者・政治家・財界人ら名士揃いだった。幼い頃に家族と共にスイスへ移住。スイスとフランスを行き来する生活を送った後パリ大学に合格、人類学を専攻するが講義には出席しなかった。代わりに各種シネクラブに出入りするようになり、エリック・ロメール、ジャック・リヴェット、クロード・シャブロル、フランソワ・トリュフォーら映画狂にしてカイエ・デュ・シネマ誌を拠点とする後の批評家仲間と知り合う。その後、批評家として活動しながら短編映画製作を開始。ロメールやトリュフォー、俳優ジャン゠ポール・ベルモンドらと協働しながら数本の作品を発表した後、長編第一作『勝手にしやがれ』(60)を監督する。
『勝手にしやがれ』で衝撃的なデビューを飾って以来、ゴダールのキャリアはおよそ10年毎に転回点を迎えた。まず、古典的ハリウッド・システムが確立した従来の映画文法から大きく逸脱しながらも、「物語映画」としての枠組みはかろうじて維持していた60年代。次いで、物語やジャンルの枠組みを拒絶し、政治・社会性の強い主題をめぐって論争的・分析的な作品群を発表し続けた70年代。そして80年代を目前に控えたゴダールは、自ら商業映画への回帰を宣して、『勝手に逃げろ/人生』(80)を発表する。一方、70年代からテレビシリーズ製作やヴィデオ撮影にも積極的に関心を示し、その集大成的成果として20世紀史と映画史を交錯させた八部構成のヴィデオ・シリーズ『ゴダールの映画史』(88~98)がある。
2000年代以降もフィルムとヴィデオを自在に使い分けながら歴史・戦争をはじめとする暴力・老い・愛といった主題に取り組みつつエッセイ的・実験的作品を製作し続けた。『さらば、愛の言葉よ』(2014)では3D撮影に取り組んでいる。2022年9月13日、スイスのロールにて死去。享年91。最後の作品は『イメージの本』(2018)。 なおサイトで紹介されているゴダールの写真は であり、これはわりといろんなところで使用されている写真です。
>写真協力:公益財団法人川喜多記念映画文化財団
とクレジットがあり、ここは確か、四方田犬彦氏が自著にゴダールの『中国女』のスティール写真を使用した際に、写真を提供したところのはず。
自分の映画のスチールを表紙に使った本に対して、その映画監督はどのような感想を示したか(解答編)今回上映されるのは、Wikipediaからの引用という形でご紹介すれば、
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小さな兵隊 Le Petit Soldat (1960年完成、1963年公開)
カラビニエ Les Carabiniers (1963年)
はなればなれに Bande à part (1964年)
ウイークエンド Week-end (1967年)
パッション Passion (1982年)
カルメンという名の女 Prénom Carmen (1983年)
ゴダールのマリア Je vous salue, Marie (1985年)
ゴダールの探偵 Détective (1985年)
ゴダールの決別 Hélas pour moi (1993年)
の9作品であり、『勝手にしやがれ À』と『気狂いピエロ 』という別格の2作品はなく、逆にかなりマニアの作品となる「ジガ・ヴェルトフ集団」の時代の映画もはずすというラインアップですかね。個人的には、これもWikipediaからの引用しますと、
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男性・女性 Masculin féminin (1966年)
メイド・イン・USA Made in USA (1966年)
あたりがあったら面白そうだと思いますが、これは仕方ないところ。
私も、繰り返し鑑賞している映画が多いですが、未見のものもあるし、またかなり昔に観てよく覚えていない映画もあるので、これはパーフェクトに鑑賞するつもりです。
というようなことを書いていたら、これまた「おお!!!」の記事がありました。早速ご紹介。昨日(2023年5月1日)の記事です。
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20世紀映画界の伝説、ジャン=リュック・ゴダールの肖像『GODARD CINEMA』9月22日(金)公開決定! 海外版ポスタービジュアル解禁
2023.05.01
20世紀映画界の伝説、ジャン=リュック・ゴダールの謎に包まれた作家人生を紐解くドキュメンタリー『GODARD CINEMA(英題)』が2023年9月22日(金)より新宿シネマカリテ、シネスイッチ銀座、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開することが決定し、海外版ポスタービジュアルが解禁された。
フランス映画界で革新的なヌーヴェル・ヴァーグを先導し、20世紀で最も重要な映画作家の一人と称されたジャン=リュック・ゴダール。2022年9月13日、91歳で自らこの世を去る直前、第79回ヴェネツィア国際映画祭のノンフィクション・クラシック部門で上映されたドキュメンタリー『GODARD CINEMA(英題)』は、映画史における伝説であり、謎に包まれたゴダールの作家人生を紐解くドキュメンタリーだ。ゴダールの訃報から約1年後となる9月22日(金)に日本公開が決定した。
監督・編集には、ドキュメンタリーの編集を数多く手掛けてきたフランスの映画監督シリル・ルティ。本編には、『勝手にしやがれ』(60)、『女と男のいる舗道』(62)、『気狂いピエロ』(65)、『彼女について私が知っている二、三の出来事』(67)や『中国女』(67)をはじめ、「ジガ・ヴェルトフ集団」時代から『ゴダールの映画史』(88-98)まで、ゴダールの作品の豊富な映像の数々が登場。家族や友人、元パートナーたちによる証言をはじめ、女優マーシャ・メリル、ジュリー・デルピー、ナタリー・バイやハンナ・シグラ、映画監督ロマン・グーピル、批評家ティエリー・ジュスら豪華な出演陣による新たなインタビューまで、貴重な映像で構成される。
ジャン=リュック・ゴダールは1930年、フランス、パリ生まれ。映画批評家として出発し、数本の短編を撮ったのち、『勝手にしやがれ』(60)で長編デビュー。「映画の革命」と呼ばれ、世界の映画界に衝撃を与えた。60年代はアンナ・カリーナとの蜜月から生まれた『女は女である』(61)、『女と男のいる舗道』(62)、『はなればなれに』(64)など、「カリーナ時代」と呼ばれる作品群を発表。65年にはヌーヴェル・ヴァーグの最高傑作と評される『気狂いピエロ』、67年に『中国女』を製作するが、五月革命以降は『ウイークエンド』(67)を最後に商業映画との決別を表明し、『ワン・プラス・ワン』(68)、『東風』(70)など作風はより前衛的で政治色の強いものに。77年にスイス、レマン湖畔のロールに拠点を移し、『勝手に逃げろ/人生』(80)で商業映画に復帰。『パッション』(82)、『右側に気をつけろ』(87)をはじめとする劇映画のほかに実験的なビデオ作品も数多く製作した。その後は『ゴダールの映画史』(88-98)の製作に没頭。2014年には3D映画『さらば、愛の言葉よ』、『イメージの本』(18)や、展覧会でも作品を発表するが、2022年9月13日にスイスにて91歳で逝去した。
その91年の生涯で140本以上の映画を製作したゴダールは、映画そのもの、その真髄であり、憎まれながら、同時に崇拝されてきた。有名人であり、謎に包まれた男でもある。彼のオーラはどこからやって来るのだろうか? たゆまぬ自己改革を行い、避けがたく自己破壊に向かっていく、この芸術家の肖像をとらえた本ドキュメンタリー『GODARD CINEMA(英題)』を通して、時に戯画化された神話のクリシェを越えて、見かけよりも感傷的で、自らの芸術に宿り、時に凌駕されたジャン=リュック・ゴダールという男に出会うことができるだろう。
さらに、4月22日より、ゴダールに関するドキュメンタリー『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』と『中国女』を巡るゴダールのドキュメント『ニューヨークの中国女』が公開。また、『中国女』もリバイバル限定上映され、4月28日からはゴダール監督の特集上映「追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭」が開催されるなど、本作の公開に向けて、ぜひ鑑賞をおすすめしたい。
『GODARD CINEMA(英題)』は、ゴダールの訃報から約1年後となる9月22日(金)より新宿シネマカリテ、シネスイッチ銀座、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー。
商品情報
GODARD CINEMA(英題)
監督:シリル・ルティ 出演:マーシャ・メリル、ティエリー・ジュス、アラン・ベルガラ、マリナ・ヴラディ、ロマン・グーピル、デヴィッド・ファルー、ジュリー・デルピー、ダニエル・コーン=ベンディット、ジェラール・マルタン、ナタリー・バイ、ハンナ・シグラ、ドミニク・パイーニ
2022年/フランス/フランス語/100分/カラー・モノクロ 原題:Godard seul le cinéma 英題:Godard Cinema 提供:シネゴドー、ミモザフィルムズ 配給:ミモザフィルムズ
©10.7 productions/ARTE France/INA – 2022
9月22日(金)より新宿シネマカリテ、シネスイッチ銀座、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
これはもう、いまから公開がめちゃくちゃ楽しみですね。いまから待ち遠しくてしかたない。これは必見にもほどがあるというものです。身体が震えんばかりの喜びです。