さすがにこの件は、「おいおい」ですね。
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中学校教諭36歳を殺人疑いで逮捕 盗み目的で住宅侵入か
2023年5月10日 18時52分
ことし2月、東京 江戸川区の住宅で住人の60代の男性を刃物で切りつけるなどして殺害したとして、近くの中学校に勤める36歳の教諭が殺人の疑いで逮捕されました。
警視庁は、盗みの目的で住宅に侵入し男性と鉢合わせた可能性もあるとみて捜査しています。
調べに対し、容疑を否認しているということです。
逮捕されたのは、江戸川区立の中学校教諭、尾本幸祐容疑者(36)です。
警視庁によりますと、ことし2月、江戸川区一之江の住宅で住人の山岸正文さん(63)の顔や首などを刃物で切りつけるなどして殺害したとして、殺人の疑いが持たれています。
玄関で山岸さんが血を流して倒れているのを通りかかった人が発見し、警視庁は何者かに殺害されたとみて捜査していましたが、防犯カメラの映像の分析などから尾本容疑者が関与した疑いのあることが分かったということです。
捜査関係者によりますと、周辺の防犯カメラには黒い服を着た不審な人物が写っていたということです。
調べに対し、「事件には関わっていません」と供述し、容疑を否認しているということです。
山岸さんは、外出先からの帰宅直後に殺害されたとみられていて、警視庁は尾本容疑者が盗みの目的で住宅に侵入し、帰宅した山岸さんと鉢合わせた可能性もあるとみて、詳しいいきさつを捜査しています。
防犯カメラには 事件前の容疑者か
現場の住宅から1キロ余り離れた場所に設置された防犯カメラには、事件当日の午後5時半ごろ、住宅の方向に向かって歩く容疑者とみられる人物が映っていました。
この人物は、上下とも黒っぽい色の服を着て、顔を隠すようにフードをかぶり、マスクをして手袋をはめているように見えます。
防犯カメラを避けるように、うつむきながら現場の住宅がある東方向に向かって、画面の左側から右側に歩く姿が確認できます。
映像が撮影されたおよそ1時間後、現場の住宅で男性が血を流して倒れていると、通りかかった人から警視庁に通報があったということです。
(以下略)
この事件を知ったとき、私としては「???」だったわけです。教員の犯罪というと、だいたいにおいて目立つのが性犯罪のたぐいでしょう。生徒や同僚などとのトラブルのほか、関係ない人間への痴漢ほかの事件も報道されます。殺人事件もありますが、同僚とのもつれやそうでなければ家族間の殺人が多いかと思います。さすがに少なくともそんなに親しいとは考えにくい人物を教員が殺すというのは、そうそう聞かない話だと思います。そうしたらこのような報道があったわけです。
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殺人疑いで逮捕の中学校教諭 FX投資などで数百万円の借金か
2023年5月11日 11時35分
東京 江戸川区の住宅で住人の60代の男性を刃物で殺害したとして、近くの中学校の教諭が殺人の疑いで逮捕された事件で、教諭が、FX投資などで数百万円の借金を抱えていたとみられることが捜査関係者への取材で分かりました。教諭は盗みの目的で住宅に侵入した疑いがあり、警視庁は借金との関わりなど、動機について捜査する方針です。
ことし2月、江戸川区一之江の住宅で住人の山岸正文さん(63)が血を流して倒れているのが見つかり、警視庁は10日、江戸川区立の中学校教諭、尾本幸祐容疑者(36)が山岸さんの顔や首などを刃物で切りつけるなどして殺害したとして殺人の疑いで逮捕しました。
調べに対し、当初は容疑を否認していましたが、その後、黙秘しているということです。
これまでの調べで、山岸さんは外出先からの帰宅直後に殺害されたとみられることが分かっていて、警視庁は盗みの目的で住宅に侵入し、帰宅した山岸さんと鉢合わせた疑いもあるとみて捜査しています。
その後の調べで、尾本容疑者が事件当時、FX投資やギャンブルなどで数百万円の借金を抱えていたとみられることが捜査関係者への取材で分かりました。
警視庁は10日、自宅を捜索し携帯電話などを押収したということで、今後、分析を進めるなどして借金との関わりなど動機について捜査する方針です。
教員だから安月給ではあっても、「数百万円」なら、何とかならない金額ではないと思いますがね。それともいままで周囲からさんざん穴埋めしてもらっていたのか。それにしても、
>FX投資やギャンブル
ですか。莫大な金を失う典型的なコースですね。過日こんな記事を書きました。
多少なりとも金があると、金融機関の人間は投資をすすめてくる私に投資の話をもちかけた某メガバンクは、そんなに投機性のつよい投資をすすめはしなかったのかもしれませんが、FX(外国為替証拠金取引)なんて、昔なつかしい先物取引同様投機性がつよすぎて、素人さんがやるようなものではありません。それでギャンブルも一緒にやっているとはね。これでは、どんだけ金なんかあったって足りるわけがない。
そもそもFX投資といいギャンブルといい、どうして彼はそんなことをしたんですかね。上の記事では、そのあたりの部分の引用を省略しましたが、尾本容疑者という人物は、そんなに評判の悪い人間ではないようです。教職員も生徒も保護者ほかも、彼のことを悪くは言ってない。そういった部分が逆にストレスがたまり、ややよろしくないところまでいったのか。次元は違いますが、先日書いた記事
堀ちえみ主演の大映ドラマ『スタア誕生』が、本日(5月8日)からCSで放送される(追記あり)>あんたは言いたいことを言って、ストレスのたまらない役だからいいわね。私みたいに全部、いい人で通すのもつらいのよ
というのは冗談半分のせりふだったのかもしれませんが(真偽はもちろん知りません)、どうもこの教員の場合それが極端な方向へ進んだ可能性があるのではないか。いや、わかりませんがね。
それにしても、あるいはこの教員は、被害者がタンス預金でもしているとか情報を仕入れていたのかもしれませんが、ここまでしなくてもいいじゃないねえ。まさにこの人物は、『カリートの道 』で、ショーン・ペンが演じたデヴィッド・クラインフェルドがしでかした行為(詳細を知りたい方は、映画をご覧になってください)同様、映画のセリフをお借りすれば「そこを超えてしまうともう元に戻れなくなるぎりぎりの線」を超えてしまったということです。現段階否認しているようですが、たぶん有罪は動かないでしょうし、死刑にはならなくても、相当厳しい刑が待っていそうです。それはご当人の不徳のいたすところで仕方ありませんが、そして報道されているところによれば出会い頭で刺してしまったのではないかという説も流れてはいますが、ともかく非常によろしくな事態であることは間違いない。
ところでマスコミは、すでに遅くとも4月末くらいの段階で、この容疑者の教師の動画などを撮影していますね。つまりは警察がリークしたということですが、それもどうかではありますね。重大事件の容疑者についてマスコミなどにリークして、逮捕前にその容疑者の姿が撮影されるというのは、たとえば名古屋女子大生誘拐殺人事件の犯人である木村修治も、毎日新聞は木村をつきとめて、逮捕の1週間前に彼を撮影しています。詳細は、こちらを。
というようなことを考えていたら、inti-solさんが興味深い記事を発表してくださいました。
銀座で先日あった少年による強盗事件に関しての記事です。
>まだ、一連の逮捕者がどのような人物かは報じられていませんが、私の仮説としては、一連の犯人の中には、少なくはない割合で知的障害、あるいは知的ボーダー(知的障害と健常の境界線上の人たち)が含まれるのではないか、という気がします。療育手帳(東京では「愛の手帳」)が取れるレベルの知的障害者では難しいですが、知的ボーダーなら、運転免許を取得したり、全日制の普通科高校に合格できる人は珍しくはありません。
私も何回も、精神障害者あるいは知的障害者による犯罪について記事を書いていますが、この銀座の事件に関しては、あまりに乱暴で稚拙な犯罪ぶりなので私も絶句してしまい、そういうことを考えるにいたりませんでした。が、たしかにあまりにひどい犯行であり、しかもあまりに稚拙であってこれはどうしたものかなと思っていたら、確かに犯人の少年たちに知的障害の可能性があると仮定すると、かなり話が通るような気がします。たしかにタイトルもそうですし、
>もちろん、現時点ではすべて仮説にすぎません。私の推測は外れ、かもしれないことはお断りしておきます。
ということではありますが、そうであるとすると、たしかにいろいろなことがわりと腑に落ちるところがあります。
まともな人間(であると世間がみなす人物)が重大犯罪をするときは、ギャンブルや女(男)などによるものが多く(? といっていいのかは問題があるかもですが、いずれにせよそうでもなければ、まともなのある人間は、そんなに凶悪な犯罪をしはしないでしょう)、刑務所に繰り返し出入りしているような人間には、知的障害者が多いというのは確かなようです。こんな記事もあります。
「受刑者の20%は知的障害者」 日本では刑務所が福祉施設化というリアル
そのような累犯障害者が、しまいには重大犯罪をしでかしてしまい、死刑判決が確定したという最悪の事例もあります。下の記事を参照してください。
行政その他の支援がなかったことが非常に悪い事態をもたらした大きな要因と思われる強盗殺人事件の実例死刑が確定した人物は、確定直前に面会した新聞記者に対して、
>事件からもうすぐ6年。アクリル板越しに見える藤崎死刑囚はぼんやりとした表情で、声は消え入りそうだ。再犯の理由を問うと、口ごもった後、唐突に「酒やめます」。死刑には「がっかり。借金返せなくなるから」と答えた。
と話す始末です。自分の立場が分かっているかもあやしい。
いずれにせよ(時に重大な)犯罪をする人間というのは、なにかのところで最低レベルの常識を外れているということなのでしょう。それは、時に知的障害者や精神障害者であったり、あるいはギャンブルや何らかの恋愛対象に過度の依存をしたりするなどして、通常の人生を送れないということなのでしょう。ギャンブル依存症の人間は、時に身内を殺して金を盗んでそのままパチンコ屋などにいって、パチンコを打っている最中に警察に逮捕されるということもあるくらいです。そこまでするかと思われるかもですが、そこまでするのです。下の事件は、その一例です。この人物は、無期懲役が確定しています。たぶん彼の人生で、2度とパチンコを打つ日はないのでしょう。彼も、発達障害があるとされています。
いずれにせよ犯罪をするというのは、ご当人以外にも、被害者(とその周囲)は当然として、ご当人の家族や同僚、教師の周囲でいえば同僚から生徒、生徒の保護者、近隣住民ほかが本当に傷つきますね。まさに取り返しがつかないとはこのことです。
inti-solさんに感謝をして、この記事を終えます。