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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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人事(とあと試験の結果)というのは、かくのごとく人間を狂わせる

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過日報道された記事より。

公開前の福井市人事異動、URLの一部換えたら読めた…同僚にも方法教えた職員処分
4/29(土) 8:12配信

読売新聞オンライン

 公開前の職員人事異動のファイルを不正に閲覧し、別の職員にも方法を伝えたとして、福井市は28日、市民生活部の30歳代男性職員を戒告の懲戒処分にした。

 市によると、男性職員は3月23日、インターネット上の職員専用の掲示板に保存されていた人事異動情報のファイルを不正に閲覧し、同僚に見る方法を伝えた。ファイルは未公開の状態だったが、URLの一部を書き換えると閲覧できたという。

もう1つ

発表3時間前に人事情報拡散した市職員を戒告 公用PCから不正入手
佐藤常敬2023年4月30日 8時06分

 福井市は28日、発表前の職員の人事異動情報に不正にアクセスして情報を入手し、ほかの職員に拡散したとして、市民生活部の30代男性職員を戒告の懲戒処分にし、発表した。「人より早く人事を知りたかった」と反省しているという。

 市職員課によると、男性職員は3月23日午前9時ごろ、自身に割り当てられた公用パソコンから、一時保存されている公開前の人事情報を不正に入手した。この日、人事は正午ごろに発表される予定だった。

 男性職員は、不正に得た人事情報の入手方法を同僚の職員に教えた。発表前に人事情報が流れていることを知った別の職員が職員課に通報して判明したという。(佐藤常敬)

人事を、自分が有利になるように操作する(というのがそんなに簡単にできるとは思いません)というのならともかく、そんなの発表の数時間前に知ったってしょうがないじゃないですかねえ。ただこの件が明らかになったのが、それを他の職員に教えるというのもなんとも馬鹿にもほどがあるというものです。中日新聞の記事によると。

>私用のライングループで、職員六人にアクセス方法を教えた。

とのこと。

それで私がこの件を知って思い出したのが、こちらの記事で紹介した不祥事です。

どこまで非常識で馬鹿なのかと思う(北九州市消防局での不祥事)

つまり北九州市消防局の職員が昇進したくて試験問題を盗み出し無事昇進したのに、その問題が入っていた記憶媒体に人事関係の資料が入っていて、それを同僚(後輩)に見せて、不審に感じた後輩により通報されて職場を懲戒免職になったというお話にもならない事例です。しかしこの件おそらくこんな自慢(? こんなことが自慢になるわけありませんが、ご当人の主観では「自慢」だったのでしょう)をしなければ、たぶん発覚を免れたと思われるので、これまたこんな馬鹿みたことないというレベルじゃないですかね。

私がよくわからないのが、そんなもの自分だけでしまっておけばいいのにです。福井市役所の職員だって、さすがにそういうことをしたらやばいということが認識できないほど頭が悪いということもないでしょうに。いや、悪いの? 北九州市消防局の人間にいたっては、記憶媒体を盗み出すという完全な窃盗で入手したわけで、どこまで馬鹿で非常識なのかです。懲戒免職となっています。

で、ここから私が得られる結論は、記事のタイトル通りです。つまり人事と試験の結果は、人間をここまで狂わせる、です。

この人たちも、さすがにほかの件では、ここまで非常識ではないでしょう。いや、そうなのかもしれませんが、そうでない可能性の方が高い。彼らがここまで狂ったのは、やはり人事というものがその人に限らず人間一般にとりきわめて重大な、まさにその人の命の次とまで言わずとも、非常に関心のあるものだということです。

世の中、試験の結果と人事が、ある意味その人の人生のかなり大きな部分を占めることが多いですからね。もちろん結果的にそのようなこととあまり関係ない人生送ることも多々ありますが、とりあえず入学試験、就職試験、資格試験、昇進試験などは、その人の人生にいろいろな影響をあたえる。そしてそれと「人事」というのは、やはり不可分です。試験というのは、最終的には「人事」のためにあるといっても過言でない。

極端な言い方をすれば、世の中この2つについてあまり気にしない人生を歩めば、対外的な悩みはだいぶ消えるだろうなです。完全に消せるものでもありませんが、家庭とかの悩みはともかく、出世とか試験に汲々(ご当人だけでなく、家族の話もふくみます)としなければ、だいぶ楽です。いま家庭の悩みはともかくと書きましたが、私が前記事にした福岡県警警察官による家族3人殺害事件などは、まさに試験と人事に関して奥さんが過剰な介入をして、それが殺人につながった可能性がある。また最近話題の娘が毒親を殺した滋賀の殺人も、母親が過剰に娘の人生に介入したことが問題でした。福岡の事件はまだしも、滋賀の事件に関しては母親が統合失調症か何かがあったのではないかと私は疑っていますが、そのあたりの真偽はともかく、この母親も、けっきょく人事と試験の結果におぼれたということなのでしょう。

だから奥さんの側にも責任があるとまではいわないが、しかし奥さんのDVがなければこの事件は起きなかったのではないか(福岡県警元警察官による家族3人殺人事件(二審死刑で現在最高裁に上告中))

たぶんですが、人事と試験の結果というのは、人間という存在があり続ける限り切っても切れないものなのだと思います。それと無縁に生きるわけにはいきませんが、せめて「それが人生のすべてではない」ということは常に認識していければです。最近昔と比べて、入学試験に落ちて自殺する子どもはだいぶ減ったと思いますが、それはたいへん「よかった」と思います。


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