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市川猿之助容疑者を逮捕 睡眠薬の致死量など巡り専門家聴取、状況と容疑者説明に食い違う点なし
[2023年6月27日19時38分]
歌舞伎俳優市川猿之助容疑者(47)が27日逮捕された。搬送から40日後の逮捕となったが、警視庁は両親が飲んだ睡眠薬と死亡との因果関係や致死量について、複数の専門家から意見を聴取。
現場の状況と猿之助容疑者の供述に矛盾がないかどうか、裏付け捜査を慎重に進めてきた。
猿之助容疑者は病院に搬送された当初、薬の入れ物などについて警視庁に「捨てた」と説明。警視庁は捜査したが薬の入れ物は見つからず、証拠隠滅を図ったとみていた。
事件当時、自宅には両親と猿之助容疑者の3人しかおらず、経緯の解明には猿之助容疑者の供述は不可欠。精神的に不安定だったため、逃亡の恐れも踏まえ、警視庁は逮捕が必要だと判断した。ある捜査関係者は「猿之助容疑者が再び自殺を図る恐れも念頭にあった」と判断の背景を明かした。
司法解剖により、両親の死因は向精神薬中毒の疑いと判明。警視庁は両親が薬を飲むまでの経緯や、服用した量と致死量の関係を詳細に調べた。法医学や薬学など複数の有識者にも聴取した結果、自宅や遺体の状況と猿之助容疑者の説明に食い違う点は確認されず、自殺ほう助容疑での逮捕にこぎ着けた。
猿之助容疑者は27日に転院先の病院を退院した。体調が一定程度回復したことも考慮したとみられる。
集団自殺を図り、生き残った人が自殺ほう助罪などで摘発されるケースは過去にもある。昨年11月には山形県新庄市で母親に大量の錠剤を渡したとして自殺ほう助未遂の疑いで女性が逮捕され、その後不起訴処分となった。(共同)
市川猿之助も、さすがに逮捕を免れるとは思いませんでしたが、やはり逮捕になりましたね。おそらく父親への何らかのかかわりに関係する件での再逮捕も警察は視野に入れているわけで、ここは今後も要注目ということになるでしょう。
ところで今回の件で、私が気になったことを。昨日(2023年6月27日)朝起床した後私が枕元のiPhoneでニュースを確認しまして、「あ」と思ったわけです。ポータルサイトで見たニュースサイトのスクリーンショットを。
日刊スポーツの記事は共同通信の記事かもですが、10時24分という、猿之助が目黒署に入ったかどうかの時点の配信ですから(下の引用記事による)、おそらく記事内容同様この時点では逮捕状は執行されていないと思われます。
それで、上のスクリーンショットからわかるように、どうもこれらの記事は、午前2時過ぎに最初に配信されたのでしょうか。そして、私が見た範囲では、NHKもふくめて片端から「市川猿之助容疑者」と表記しています。テレビ朝日は、「市川猿之助さん」です。
こちらによると、
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6月27日、早朝から猿之助が入院していた精神科専門で知られる都内病院には50人ちかい報道陣が集まっていた。午前9時30分、複数の病院職員に見守られながら猿之助を乗せた警察車両は病院を出発した。車窓はカーテンで覆われ、顔を見ることはできなかった。
10時25分、目黒警察署に到着した猿之助は、逮捕された。
とあります。つまりは、病院から任意で警察署に行き、警察署で逮捕状を執行されたわけです。それまでは、あくまで警察が裁判官に逮捕状を請求したというだけの話で、逮捕状を得たあとそれを執行した時点で逮捕となります。伊藤詩織に対する性犯罪で、山口敬之に対して出された逮捕状を当時警視庁刑事部長だった中村格(のち警察庁長官)がその執行を差し止めたことがありまして、つまりはそういうことです。興味のある方は、こちらもご参照ください。
ってことはですよ、執行以前は「容疑者」ではありませんよね。逮捕された人が「容疑者」とマスコミから呼称されるのは仕方ないとして、それ以前に「容疑者」呼ばわりされるいわれはない。マスコミだって、いくら逮捕状が出たことは明らかであっても、それ以前でこのように公然と、しかも複数のところが容疑者呼ばわりすることは、さすがにそうはないのではないか。いくら猿之助が「有名人」「セレブ」であったとしたって、そういう名誉棄損はよろしくない。当たり前でしょう。
こういうことは、やはりきっちりしないといけないと思って記事にしました。今時どんな極悪人であろうと(市川猿之助は「極悪人」ではありませんが)、その程度の配慮はどこのマスコミだってふだんならしているはず。それくらいのことは当然です。