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記事を。
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巨大な水圧、一瞬で破壊か タイタニック潜水艇事故―米
2023年06月24日14時17分
有人潜水艇「タイタン」の捜索=22日(米民間企業マクサー・テクノロジーズ提供)(AFP時事)
【ニューヨーク時事】大西洋の海底で破片が発見された米国の有人潜水艇「タイタン」(全長6.7メートル)。英国の専門家は23日、米NBCニュースに対し、パリのエッフェル塔(重さ約1万トン)に相当する水圧で押しつぶされ、一瞬で大破した可能性があると指摘した。
「警鐘鳴らすべきだった」 タイタニックの監督が後悔―潜水艇事故
深海3800メートルに沈む豪華客船タイタニック号の見学ツアー中に消息を絶ったタイタンの破片は22日、タイタニック号から約490メートル離れた海底で見つかった。艇内には5人が乗っていた。実際に不具合が生じた水深地点は分かっていない。
英サウサンプトン大のブレア・ソーントン教授(海洋工学)によれば、破片が発見された海底付近の水圧は海面の400倍近く。「物理的な力に置き換えると数千~1万トンほどで、エッフェル塔の重さに相当する」と説明する。
お亡くなりになった方々は非常にお気の毒です。ご冥福をお祈りいたします。
しかしそれにしても、どうもこの「タイタン」という潜水艇の評判というのは、ほぼ最悪ですね。
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Travel Weeklyの編集長であるArnie Weissmann氏は、タイタンの船体に使用されたカーボンファイバーは、航空機用途の使用期限を過ぎたもので、Boeingから大幅な割引で購入したとOceanGate社のCEO、Stockton Rush氏から聞かされたと主張しているのだ。
という次第なわけです。
本多勝一氏も冒険について一家言のある方ですが、本多氏のご意見などを参照しても、今回のよろしからぬ事態は、少なくとも乗客のやったこと(?)は冒険ではありませんね。彼らは、単に巨額の金を払ってツアーに参加しただけでしょう。銭を払って参加しただけで、主催者に何らかの注文なり要求なりをしたところで、それは一般のツアー客が主催者に何らかの注文をすることと変わらないでしょう。inti-solさんが私のコメントに返してくださったように、
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「自分の判断で」危険を冒すのが冒険であって、命令されて、事実を知らされず騙されて危険を冒すのは冒険とは言えません。
ということになるでしょう。
で、このようなツアーをするにしたって、そのためには、最大限の注意を払って、周囲から「そこまでするか」と思われるくらいの安全管理をする必要があるでしょう。が、どうも主催者は、上のようなコストカットばかりに熱中していたんじゃないんですかね。セキュリティとかメンテナンスについてどれくらい注意を払っていたのか。コスト管理のほうが優先していたでしょう。それはまずいよね。まずいという言葉ですむわけもありませんが、やっぱり非常によろしくない。
そして主催者は、客(参加者)に、リスクほかいろいろな状況や情報をきっちり開示したんですかね? 詳細はわかりませんが、私にはあんまりそうは思えませんね。inti-solさんのご指摘するようにです。
で、なんか私この一連の始末から、小説は読んでいないので映画の話になってしまうのはご容赦願うとして、『ジュラシック・パーク』をおもいだしました。ほとんどあの映画と同じようなものじゃないですかね、この件は。いや、現実は映画よりもっとひどいとしか言いようがない。
つまりとても観光事業なんぞできるようなもんじゃないことで、実にさまざまな不備に見て見ぬふりをしてこういったことを遂行して、そして失敗したということじゃないですかね。映画でもどうしようもない人間がでてきますが、今回の件は主催者がまさにその首謀者で、しかも潜水艇で客もろとも死んじゃったようなのですから、これではどうしようもない、映画よりなお悪いというものでしょう。
私はもちろん25万ドルの銭を払ってこのようなツアーに参加するだけの経済力はありませんが、あったって怖すぎてとてもこんなものには参加できません。たぶん大抵の人間がそうでしょう。私にとっては、主催者が最大限の情報開示なり説明をしていてもです。が、現実にはそんなものがされたとはとても言えないというレベルのよろしくない状況だったわけです。あまりにめちゃくちゃすぎてお話にもなりません。さすがにこういった無茶なことは今後はされないでしょうが、あまりに事態が重大すぎますね。非常によろしくない。
なおこの記事は、inti-solさんの記事を参考にしましたことを付言します。