bogus-simotukareさんから下の記事でコメントをいただき、また氏も記事を書いていらっしゃる件です。
いいかげん家族会も、島田洋一に対して苦言くらいは呈したらどうか 西岡力の統一教会擁護に呆れる(2023年10月17日分)西岡力の書いた記事です。
【第1081回】なぜ今なのかが不可解な旧統一協会解散請求 « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所(西岡力)
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ついに政府が世界平和家庭連合(旧統一協会)の解散命令を東京地裁に請求した。私は昨年10月31日付の本欄で、福音派キリスト教信者として「政府と国会が現在進めている旧統一協会への対応に恐怖を感じている。…なぜなら、信教の自由という憲法で保障されている大原則によってこれまでできないとされてきたことが、次々とできることにされているからだ」と書いた。その恐怖はより強くなっている。特に、キリスト教、仏教、神道などのリーダーを含む宗教法人審議会が解散命令請求に全会一致で賛成したことに戦慄を覚えた。
まったく非常識ですよね。別に統一協会は、信仰の問題で解散請求をされているわけではない。
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特に、キリスト教、仏教、神道などのリーダーを含む宗教法人審議会が解散命令請求に全会一致で賛成したことに戦慄を覚えた。
なんてのはつまりは、宗教家もいまさらこんな連中をかばう意思がさらさらないというだけのことに過ぎません。
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●宗教団体への「人民裁判」
おいおいですね。ここで西岡がいう「人民裁判」とは、Wikipediaでいう
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法律によらず私的に断罪すること。しばしば集団の圧力で行われる吊し上げのことをいう。
という意味合いなのでしょうが、もちろん今回の手続きは法律に許された手続で行われることですし、また統一協会側は、今後東京地裁での審議の際もいろいろ反論できるしまたするでしょう。そういうものは「人民裁判」とは言わない。どんだけふざけているんだか。
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ここで、なぜ今なのかという大きな疑問が生まれる。政府は過去に旧統一協会が大きな社会問題となった時に「解散命令請求はすべきでない」と繰り返してきた。2012年に全国統一教会対策弁護団は文科省が解散命令請求をしないことを違法として国家賠償請求訴訟を起こしたが、2017年に東京地裁は行政の裁量の範囲内だとして訴えを棄却した。
その上、集団リンチ殺人という重大な刑法違反をした三つの宗教法人(神慈秀明会、紀元会、空海密教大金龍院)に対しても解散請求を行っていない。
まず政府が解散命令請求をすべきでないとしてきたのは、単に統一協会が自民党政権にとって利用価値のある存在だったからというだけの話です。裁判所の判断も、
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行政の裁量の範囲内
としているだけで、別に解散命令を出してはいかんというものではない。また、西岡が挙げている「集団リンチ」の件では、つまりは教祖らを首謀とする教団内の組織的犯罪でなく信者内の個人的な犯罪とみなされたということでしょう。なお「神慈秀明会」の殺人というのがどの事件かですが、これどうも福島悪魔払い殺人事件のことらしいのですが(ほかは、現段階私は、それらしき事件を発見するにいたっていません)、これは、この事件のWikipediaによれば、
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神戸に出向いたところで「神慈秀明会」という新興宗教を知り、1994年(平成6年)6月に入信。しかし、高額な掛け軸の購入を強引に勧められたため、約1ヶ月で脱会し
というので(注釈の番号は削除。以下同じ)、さすがにこれを教団に責任を追及するのは無理ではないか。「紀元会」については、Wikipediaによれば
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2007年9月、紀元会信者(当時63歳)が他の信者から集団暴行を受け、死亡する事件が発生した。34人が逮捕され、26人が起訴された。東京地裁は暴行の事実を認定し、紀元会側が事実と異なる証拠を提出するなど不適切な対応があったことも認定した。
のことでしょう。これもトップが共謀していたというのは無理がないか。「空海密教大金龍院」についてはWikipediaがないのでよくわかりませんが、こちらの件ですかね。
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宗教施設で集団暴行死 京都、容疑の9人逮捕
2012年9月22日 20:05
京都市の宗教施設内で信者に集団で殴る蹴るの暴行を加えて死なせたとして、京都府警は22日までに、傷害致死の疑いで、宗教法人「空海密教大金龍院」信者の46~76歳の男女9人を逮捕した。
府警によると、死亡したのは京都市上京区、会社経営、南部忠之さん(68)。逮捕された信者の1人が暴行の理由について「教義に反し、たばこを吸ったから」と供述しており、府警は、教義を巡り信者同士でトラブルが起きた可能性もあるとみて調べる。
逮捕されたのは、南部さんの妻でパート、南部洋子容疑者(67)と、会社経営、増田敦士容疑者(46)ら滋賀、京都、大阪の3府県の男8人。いずれも大筋で容疑を認めている。
逮捕容疑は16日午前10時から約2時間、京都市南区の宗教施設で、南部さんの顔を殴り、蹴るなどして暴行。17日、全身打撲による出血性ショックで死なせた疑い。〔共同〕
これもさすがに上層部がかかわっていたというのは無理じゃないですかね。これらの報道が事実ならばです。ただし仮に上層部がかかわっていたのなら、それなら解散命令を出さない政府が悪いということであり、「これらが解散命令が出されていないのだから、統一協会にも出すべきでない」なんて話は成立しない。当たり前でしょう。
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●侵される信教の自由
朝日新聞、東京新聞などは今回社説で、安倍元首相は旧統一協会の「広告塔」だったとか、旧統一協会が度重なる非難にもかかわらず法人格を維持できた理由の一つは「自民党保守派との強い紐帯」があったからだと書いて、政府与党への攻撃を強めている。宗教団体にも政治活動の自由はある。見当外れの批判になぜ自民党は反論しないのか。
これまたおいおいですね。朝日と東京の社説は、まさに「その通り」「ごもっとも」ということでしかない。自民党が反論しない(できない)のは、反論したらやぶへびになる、反論のしようもないというだけです。当たり前でしょう(苦笑)。だいたい反論が可能なら、西岡なんぞから言われるまでもなく自民党は反論するし、朝日も東京も怖くてこんな社説書きはしない。だいたい自民党の実力者といっていい人物(萩生田光一)が参議院選挙の新人候補者(生稲晃子)を選挙運動の一環として統一協会の施設に連れて行くような始末なのに、「見当外れ」なんてよく言えたもんです。呆れたクズです。
で、記事のラスト、このように締められます。
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いま、旧統一協会とその信者の信教の自由が大きく侵されている。それなのに「明日は我が身」である他の宗教から、信教の自由を守れという声がほとんど出ていない。強い危機感を覚える。
馬鹿言うなですよね。「他の宗教」は、自分たちは、統一協会ほどひどい宗教ではないと考えています。そしてそれは正しい。これまた当たり前でしょう(笑)。あそこまで悪辣なことをした統一協会だって、ここまで解散請求されずにすんでいた、ましてや我々はです。明日は我が身どころの話ではない。だいたい西岡は故意にネグっていますが、統一協会の教祖である文鮮明は、金日成と緊密な関係にありました。有名な話でしょう。参考記事を。
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旧統一教会と北朝鮮 30年来の深い関係【礒﨑敦仁のコリア・ウオッチング】
2022年08月23日
旧統一教会をめぐるニュースが連日報じられているが、朝鮮半島を研究しているとこの団体の姿が見え隠れする。教祖の文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が冷戦時代に政治団体「国際勝共連合」を創設するなど、「反共」のイメージの強い統一教会だが、冷戦終結の前後に北朝鮮へ接近し、特に1991年12月に文氏が平壌で金日成主席と会見して以降、両者は深い関係を築いてきたのだ。
以前ほどではなくなったものの、北朝鮮の『労働新聞』に文氏の名前が出てくることもある。たとえば2019年12月17日付『労働新聞』では、文氏が金正日国防委員長に対し「何回にもわたって100点あまりの珍しく貴重な贈り物を差し上げた」ことを明らかにしている。
現在の指導者である金正恩国務委員長も、祖父が接見した人物として文鮮明氏を重視してきた。10年前に彼が死亡した時に、「民族の和解と団結、国の統一のための愛国偉業に積極的に寄与した彼の活動を高く評価」し、「弔電と花籠、追慕の言葉」を送り、「祖国統一賞」まで授与したという。このことは北朝鮮メディアで何度も報じられてきた。ただし、文氏の肩書きはあくまで「世界平和連合総裁」であって、宗教団体や、ましてや勝共連合の指導者としての評価ではなかった。
1991年の文鮮明氏一行の訪朝日程では、金日成主席との会見、昼食会のほか、主体(チュチェ)思想塔や凱旋(がいせん)門、金剛山などの主要観光地をめぐったほか、「経済事業にさまざまな形式で投資する」との共同声明を発表している。さらに注目すべきは、文氏の故郷である定州(ジョンジュ)郡円峰(ウォンボン)里を訪問し、親戚と対面していることだ。宗教人として名を馳せた彼は、故郷に錦を飾るという思いがあったのだろう。具体額は確認できないが、北朝鮮に巨額を投じたことは間違いない。
ソ連・東欧社会主義体制の崩壊によって孤立感を深めていた北朝鮮は、「百年の宿敵」である日本から金丸信・元副総理を招き入れたほか、「勝共」を掲げる文氏を受け入れて経済の立て直しを図ろうとした。「苦難の行軍」と呼ばれる未曽有の経済難に苦しんでいた時期に、統一教会は「平和自動車」という北朝鮮との合弁事業を立ち上げ、南浦(ナンポ)市で北朝鮮初の国産自動車を組み立てた。
(以下有料部分)
というわけです。つまり統一協会というのは、北朝鮮と協力関係にもありました。普段から過激な反北朝鮮の立場を取り、現体制打倒を志向していると思われる西岡が、どうしてこのような組織に、上のような好意的な態度を取るのか。どんだけデタラメなのか、お話にもなりません。
でですよ、いったいぜんたい、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の皆々様方は、西岡のこういうデタラメな態度についてどうお考えなんですかね? さすがにこの方々も、こういった西岡の公然たる統一協会擁護を積極的には支持しないと思うんですけどね。何度も同じことを書きますように、家族会(略称)は、独自のHPすら持っていません。北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)と共同のHPです。で、その救う会(拙表記では「巣食う会」)の会長が、西岡のわけです。ええんですか? こんなことで。私は前に、副会長の島田洋一がしたセクシャルハラスメント発言を批判しましたが、西岡のデタラメさは、島田のセクハラ発言なんか比較にならんでしょ。北朝鮮と協力関係にあった組織をこんな風に擁護しているようなデタラメな野郎に、あなたたちは、どこまでついていくつもりか。これじゃあ巣食う会は、完全に家族会の上部団体になるし、家族会のメンバーが連中の手先、傀儡、絶対的な支配関係で抑圧されるのも当然でしょう。お話にもなりません。こんなことで拉致問題なんか解決するわけがない。
それにしても西岡なんぞにこんな記事を書かせる(西岡が書くことを容認する)「国家基本問題研究所」ってのもひどいところだよね(呆れ)。この期に及んでまだ統一協会をかばう価値があると本気で考えているのか。統一協会が、どれだけ一般の日本人に迷惑をかけたか少しはまともに考えているのか。けっきょく連中も、統一協会を利用しつくした自民党と同じメンタリティなのでしょう。たださすがに自民党は、こんなのかばっても損だ、もはや関係を保てないと逃げたわけですが、国家基本問題研究所はねえ。まったくあまりの常識のなさに絶句しますね。本来なら、こういう人たちが自民党の議員らに「あそことは付き合わないほうがいい」くらいのアドバイスをすべきだったでしょうに。さすが杉田水脈を「客員研究員」などとしているだけの非常識極まりない組織だけのことはあります。まったくひどいものです。
bogus-simotukareさんに感謝をして、この記事を終えます。