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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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櫻井よしこのトンデモぶりが、さらに悪化した(かなり末期的な状況だと思う)

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櫻井よしこのコラムを読んで、あまりのその劣化ぶりの絶句しました。

「 テロ勢力ハマスの蛮行を許すな 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

題名からご想像つきますように、記事の内容は、イスラエルを絶対支持、ハマス批判です。櫻井がそういう考えであること自体は、「知っている」「予想できる」「そうだろうなと思う」というたぐいのことでしかありませんが、ただこのあたりは、さすがに「まともじゃない」ということになりませんかね。


そして忘れてはならないのは、イスラエルにとってのハマスはわが国にとっての中国だという点だ。

おいおいですね。中国とハマスでは、あまりに違い過ぎて比較できんでしょう。

別に私も、イスラエルとハマスとの関係は、一方的にイスラエルが悪くてハマスの行為は正当であるとか、イスラエルの行動に何ら問題がないとかいうつもりはありませんが、イスラエルとハマスの間では、年がら年中いろいろな軍事作戦が繰り広げられています。たとえばイスラエルは、2004年に創設者のアフマド・ヤースィーンを殺害しています。その翌月には、後継者のアブドゥルアズィーズ・アッ=ランティースィーをこれまた殺害しています(以上表記は、Wikipediaにのっとりました)。で、日本も中国も、双方にそういうことはしていません。当たり前でしょう(苦笑)。日本と中国の間に、過去そういった軍事関係のトラブルがあったのか。あったとしたら、日中両首脳も大慌てで事態収拾にうごきますが、イスラエルはハマス幹部や最高指導者の死を正当化している。どこが


イスラエルにとってのハマスはわが国にとっての中国だという点だ。

なんだか(呆れ)。ほぼ精神がまともじゃない状況じゃないですかね。そもそも中国は、日本における大の貿易相手です。日本と中国の関係は、イスラエルとハマスの関係とはまるで違うでしょうに。イスラエルとハマスは敵対関係にありますが、日本と中国はそうではない。そもそもイスラエルとハマスでは、イスラエルのほうがはるかに経済力も上であり、イスラエルは国連加盟国であり、ハマスは(ガザを支配しているとはいえ)単にパレスティナの1組織でしかない。中国は、日本の10倍人口があり、GDPははるかに上であり〈2023年の推計されるGDPは、日本の4倍あります)、国連の常任理事国です(苦笑)。昔はいざ知らずですが、現在では世界経済において中国のほうが日本よりはるかに国際的なプレゼンスは上です。当たり前でしょう(苦笑)。下に、日本と中国のGDPの推移のグラフをご紹介します。「世界経済のネタ帳」さんより。引用こちらから。

ジェトロのHPにも、


日本の貿易総額、輸出額、輸入額に占める中国の構成比は2年連続で低下も国・地域別で最大を維持
財務省の貿易統計によると、2022年の日本の輸出額に占める中国の構成比は19.4%と、前年より2.3ポイント低下した(表4、図1参照、注5)。輸入額に占める構成比も21.0%となり、3.0ポイント低下した(表4、図2参照)。その結果、貿易総額に占める構成比は20.3%と前年より2.6ポイント低下し、2014年(20.4%)以来の低水準となった(表4、図3参照)。いずれも2年連続で構成比が低下した。なお、2020年には、世界で新型コロナの感染が拡大する中で、中国の経済活動の回復が他国・地域よりも早かったことを背景に、同年の日本の貿易総額、輸出額、輸入額に占める中国の構成比は、いずれも過去最高となっていた。

日本の対世界貿易において、対中貿易総額は2007年以降16年連続、対中輸入額は2002年以降21年連続で1位となった。対中輸出額は2019年に米国を下回り2位だったが、2020年以降は3年連続で1位となった。

とあります。日本に、積極的に「反中」をする動機はないでしょう。

まあ北朝鮮なら、まだハマスとのアナロジーが成立しうるかもしれませんが(私はもちろんそのようなものに賛同はしません。どっちにしたってこじつけです)、中国じゃあねえ(苦笑)。ほぼ電波レベルじゃないですかね、これ。北朝鮮とだったら、2001年に九州南西海域工作船事件というのがありましたが、国交回復以降中国との間でそういうことありましたかね? だいぶ以前に中国の漁船が尖閣諸島に出たから海上自衛隊を出すべきだったとまでほざいた産経新聞の電波記者がいましたが、いずれにせよそのような無茶苦茶な話は出ても、北朝鮮の工作船レベルのトラブルも、現在日中間では起きるようなものではないでしょう。それにしても漁船ねえ(苦笑)。

安藤慶太記者の記事がひどい(3)

その続きもまたひどい。


日本を徹底的に憎み、国民に対日憎悪を植えつける習近平氏の中国に隙を見せず、いざとなれば戦う強い意思と力を、私達が持つことだ。

って、それこんなめちゃくちゃな中国憎悪をあおる文章を週刊誌(記事の初出は『週刊新潮』の連載)に掲載しているてめえとその仲間じゃねえかよと思います。中国政府だってそんなことを年がら年中唱えるほど暇ではないし、中国人だって、そんなことを真に受けるような馬鹿でもないでしょう。文革のころのように国民に一定の思想や物の考え・行動を押し付けることをして、国民もそれにのっとった行動をした時代ではないし、中国人だって容易に海外に出国できる時代です。だいたい中国がそんなに日々日本への憎悪をたきつけているというのなら、なぜ大勢の中国人観光客が日本を訪れるのか。まさか、日本に来る中国人は例外的少数であり、来ない人間は日々日本人に強い憎悪を感じているのだなんて主張はしないでしょうねえ。いや、するの?(苦笑)。どちらにせよ救いのない人間です。

ではここで、櫻井の著書を一部抜粋してご紹介(Amazonとかへのリンクは省略)。引用はWikipediaから。

『異形の大国 中国 彼らに心を許してはならない』(新潮社、2008年4月)のち文庫(新潮文庫、2010年10月)

『日本とインド いま結ばれる民主主義国家:中国「封じ込め」は可能か』(文藝春秋、2012年5月)のち文庫(文春文庫、2014年11月)

『中国に立ち向かう覚悟:日本の未来を拓く地政学』(小学館、2012年11月)

『親中派の嘘』(産経新聞出版、2020年5月)※ 対談

Wikipediaにはまだ掲載されていませんが、共著として『暴虐国家-習近平の中国-』 / 櫻井 よしこ/楊 逸/楊 海英【著】という本もあります。

彼女が理事長をつとめている「国家基本問題研究所」とか、彼女を重用したり「国家基本問題研究所」にもいろいろ協力している産経新聞なども、日々中国批判をしている。それらのすべてが、まともな批判でない言いがかりだとまではいいませんが、まあ世間でまともに相手にされているような中国批判ではないでしょう。ていうか、まともな人間なら私がここで批判しているような電波系のことを書いたりはしない(苦笑)。

それでですよ、櫻井が単なる反中右翼ならまだいいですよ。それなら個人なり団体なりの意見だから、もちろんその妥当性にいろいろ議論はありますが、これらは言論の自由の範疇に入るとしましょう。もちろんこれも程度の問題ではあります。しかしこの連中は、すくなくとも安倍晋三が首相だった時は、安倍と完全に癒着して櫻井は安倍のブレーン文化人だったし、国の審議会の委員までやっていた。そして産経新聞なんて大赤字でまともに発行もできるようなものでもありませんが、フジテレビにたかって背任もどきの援助をもらっていて、それで安倍は首相在任時に、フジテレビのトップに、大要産経を助けてやってくれと懇願までしている。そして産経と櫻井よしこは盟友関係であり、いろいろつながっている。安倍もさすがに首相だった時代に、櫻井や産経ほどの反中でもなかったし、これはコロナの関係でとん挫しましたが、中国国家主席を国賓待遇で呼ぼうとしました。しかし、この連中の反中の姿勢には、安倍に影響がなかったということはないでしょう。

けっきょく安倍晋三が首相であり続けること自体がこの連中の利権になっているのだから、お話にもならない

もちろん、国家としての中華人民共和国と櫻井よしこ(とそのお仲間たち)とでは、その関係を比較してもしょうがないですが、さすがに中国の現在は、こんなレベルの反日連中が習近平体制にそれ相応の影響力をもたらしているというようなことはないんじゃないんですかね。詳細は知りませんが、そこまで中国もひどい国ではないでしょう。例えば共産党政権の中国は、香港やマカオの接収をしなかったし、台湾にも現段階本格的な武力行動はしていない。それくらいの合理性はある国です。国内では、大躍進や前述の文化大革命などいろいろ問題や混乱を起こしましたが、対外戦争はそうそうしていないし(「戦争」と言えるレベルなのは、朝鮮戦争への介入と、中越戦争くらいでは? 後者では、ベトナムがものすごく強かったので、すぐ引っ込んでいます)、金門島への砲撃も、現在はしていない。1969年には、珍宝島(ロシア名・ダマンスキー島)をめぐってソ連と紛争も起きましたが、これも91年に平和裏に解決しています。最終的に、ソ連の後継国家であるロシアと、2008年にすべての国境が画定しています。中印国境紛争も、全面戦争になってはいない。そういう計算をする国です、中国は。

で、中国をハマスになぞらえるというのは、さすがに自民党の政治家ですら賛同しかねるんじゃないかなと思います。杉田水脈あたりはあるいは賛同するかもしれませんが、ただ杉田って、櫻井が理事長を務める「国家基本問題研究所」の「客員研究員」とのことですから、いわばお仲間でありますからね。それにしても杉田のような人物と積極的にかかわろうとするのだから、どんだけ櫻井といい国家基本問題研究所といい、非常識なんですかね(呆れ)。まあもちろんこんなまともじゃない杉田のような人物を、比例で優遇して議員にしている自民党という政党が狂っているだけですが。小選挙区では勝ち目がない(よほど自民党が強いところなら当選するだろうが、そういうところはすでに選挙が強く杉田よりははるかにまともな人間がいるので、まさか杉田を立候補させるわけにもいかない)から比例で優遇して絶対当選させてあげるなんて、どれだけ自民党というのもキチガイ右翼政党なのか。呆れ返るにもほどがあるというものです。自民党が泡沫極右政党なら知ったことじゃありませんが、戦後日本の万年与党ですからね。もっとも昔の自民党は、今の自民党よりははるかにまともだったとは思います。

いずれにせよ櫻井よしこのトンデモぶりは、相当ひどいですね。昔からひどい人間だとは思っていましたが、さらにそれが悪化している。完全に末期の状況ではないか。櫻井がいくらトンデモぶりを悪化させようとそれはご当人の問題ですが、ただ彼女は、日本の右派を代表する人物であり、また安倍政権時ほどの緊密さではないにしても、現在でも自民党と何らかの関係があるでしょう。そういったトンデモの部分に自民党ほかの日本右翼も影響を受けているわけであり、これまたひどい話です。

この記事は、bogus-simotukareさんの下の記事をも参考にしました。感謝を申し上げます。

櫻井よしこのバカさに呆れる(2023年10月26日記載)

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