inti-solさんの記事より。
最初にこの記事が引用されています。
ホリエモン 京アニ事件で死刑判決の青葉被告に「治療は不要だった」派への持論が「ご指摘の通り」と賛同の声
ちょうどこんな記事も配信されています。初公判の際のもの。
全身93%やけど青葉被告を治療...元主治医「司法の場に出すため生かさないといけない」
青葉被告を治療した医者は、複数のメディアの取材に応じ、同じようなことを語っていますね。この医者が、司法の場うんぬんの発言をするのは、当然予想される大要「あんな奴の治療なんかする必要ない」という主張への反論という意味合いがあるかと思います。そういうことは理解しますが、私としては単純に「治療の必要がある患者だから治療する」でいいと思います。司法とか裁判とかの問題は、その後の問題です。別に死刑囚や死刑確実な被告人、被疑者、あるいは執行直前の死刑囚であっても、医療措置が必要であれば医療措置をするということでしかないでしょう。
たとえば三菱銀行人質事件の犯人(行員2名、警官2名を射殺)である梅川昭美は、特殊部隊によって銃撃されて病院に救急搬送、朝撃たれて夕方に死亡が確認されました。梅川自身死刑は間違いないと人質に語っていたくらいですが、やはり撃った直後に生きていれば、それは救命措置をしないわけにもいかないでしょう。
ヘルマン・ゲーリングはニュルンベルク裁判で死刑が宣告され、執行の直前に外部から持ち込まれた青酸カリで自殺しました。彼の異変を知った看守はすぐに医者に連絡、医者も飛んできましたが、死を確認しただけでした。これだって救命の可能性があればもちろん医者もそれ相応の措置をしたはずです。どうせ処刑する予定なのだから医療措置は必要ないなんてことにはならない。
死刑囚は、そもそも健康であることを要求されますし、精神がよろしくない死刑囚に対しては執行を見送ることもあります。ピアノ騒音殺人事件の犯人である大濱松三死刑囚が、1975年に死刑判決となり、控訴中の77年に控訴を取り下げたにもかかわらずいまだ死刑が執行されていないのは、彼の現状がつまびらかでないので理由は不明ですが、おそらく心神喪失状態であるのではないかと考えられます。大島渚監督の『絞死刑』にもあるように、心神喪失状態の人間に対しては、死刑の執行はできないことになっています。
あるいは日立妻子6人殺害事件の犯人は、起訴後に警察拘留中に肺高血圧症によって倒れ、心肺停止になりましたが、これも必死の救命措置でなんとか救命されました。ただし記憶が欠落し、犯行時の記憶がない状況です。これだって、どうせ死刑確実だから救命しなくていいというものでもないでしょう。ご当人現在死刑判決を受けて上告中の身分です。
ゲーリングの話をしたので思い出しましたが、東条英機はGHQによる逮捕指令がでた1945年9月11日に拳銃自殺をはかりましたが未遂となりました。この時も米軍は、積極的に東条(東條)を治療しています。彼を殉教者にしたくないという思惑があったようですが、ともかく死刑はまず動かないと思われる人物に対してだって、やはり治療はするわけです。そして東条は刑死しました。
もっともそういうことを言い出すと、京都アニメーションの被告人は、自分でしでかした放火で重度のやけどをしたわけで、そういう点ではやや特異な事例ですが、それだって治療をしなくていいというものでもないでしょう。inti-solさんもご指摘のように、
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ストーカー殺人で、被害者を殺すと同時に自らも自殺、という事例は過去に複数あったように思います。その際も、ものすごく後味の悪さを感じましたが、北新地の放火事件は、犠牲者が一人ではなく桁外れに多かっただけに、後味の悪さ、理不尽な感覚は強かったです。
ということだと思います。逗子ストーカー殺人事件はその一例です。
なおこの記事は、inti-solさんの前掲記事を参考にしました。お礼を申し上げます。