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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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一部のスポーツ選手の不祥事は、依存するようになりさらにひどくなるのではないか

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先日話題になった報道を


引退の北青鵬に「卑劣極まりない」「背中及び睾丸への平手打ち」「財布に瞬間接着剤を塗布」
[2024年2月23日12時13分]

日本相撲協会は、後輩力士への暴力行為により、幕内北青鵬に引退勧告処分を下した。後輩力士への日常的な暴力行為が問題視された北青鵬は22日に引退届を提出。理事会は受理した。

理事会後に、同協会が発表資料で「北青鵬の暴行は、A及びBが部屋の仕事で不始末をしたことに対する制裁という名目で行われていたほか、A及びBが痛がる反応を見て面白がっていたとも認められ、暴行の動機の面においても卑劣極まりない」と断罪した。

調査によると、以下のような行為があったという。

ア 令和4年7月の名古屋場所中、愛知県豊田市内の宮城野部屋宿舎において、Bに対し、顔面への平手打ち、突き飛ばし等の複数回にわたる暴行を加え、肘に怪我を負わせたほか、ほうきの柄で臀部を1回打つ暴行を加えたこと

イ 同年7月の名古屋場所中、前記宿舎において、Aに対し、ほうきの柄で臀部を1回打ったほか、同年10月21日、東京都墨田区内の宮城野部屋個室において、まわしで作った丸太様の棒で臀部を1回打つ暴行を加えたこと

ウ 令和5年11月の九州場所中、福岡県糟屋郡篠栗町内の宮城野部屋宿舎において、A所有の財布に瞬間接着剤を塗布し、損壊したほか、Bに対し、右手手指に瞬間接着剤を塗布する暴行を加えたこと

エ 令和4年8月頃以降、宮城野部屋又は地方場所中の宿舎等において、A及びBに対し、次の<1>及び<2>のいずれかの態様により、週に2~3回程度の頻度で繰り返し暴行を加えた

こと

<1>顔面、背中及び睾丸への平手打ち等の暴行

<2>ほうきの柄又はまわしで作った丸太様の棒で臀部を打つ暴行、殺虫剤スプレーに点火してバーナー状にした炎をAやBの体へ近付ける暴行

で、もう1つの報道を。


元白鵬の宮城野親方に2階級降格処分案 弟子の北青鵬が後輩力士に日常的暴力行為、金銭窃盗も
[2024年2月21日23時12分]

日本相撲協会のコンプライアンス委員会は21日、東京・両国国技館で会合を開き、宮城野親方(38=元横綱白鵬)を2階級降格と減俸の処分とする案をまとめたことが、協会関係者の話で明らかになった。弟子の幕内北青鵬(22)が日常的に後輩力士を殴るなどの暴力行為をしていたことが判明。監督責任を問う。2階級降格が決まれば、宮城野親方は委員から最下位の年寄に落ちる(再雇用者の参与を除く)。相撲協会の処分は7段階に分かれ、降格は解雇、引退(退職)勧告に次いで3番目に重い。北青鵬には引退勧告案とし、23日の臨時理事会で協議する。

協会関係者によると、北青鵬は他の力士たちの稽古中に財布から金銭を盗んだり、若い衆に暴行行為に及んでいたことが発覚。盗癖は学生時代からあったとの指摘もある。被害を受けた力士は、師匠の宮城野親方に相談していたが「ちゃんと対策を練ってくれなかった」という声も出ていた。同協会はSNSの書き込みを通じて事態を知り、聴取を始めていた。また別の関係者によると、師弟関係は既に亀裂が生じており、北青鵬が1月の初場所を途中休場した際には、宮城野親方と間垣親方(元前頭石浦)が「お前なんか土俵に上げない」と激しい口調で叱責(しっせき)していたという。

この日のコンプラ委には師弟2人が出席。取り沙汰されている一連の行為について、北青鵬は「素直に反省しています」とだけ話した。一方、宮城野親方は報道陣の取材に無言を貫いた。北青鵬がこのまま引退となれば、関取在位は12場所(初場所時点)にとどまり、国技館の土俵で引退相撲が行える目安の「関取30場所以上」に届かない。

◆日本相撲協会の役職 全てを統括する理事長がトップ。親方の理事は定員10人。以下は副理事、役員待遇委員、委員、主任、年寄、65歳の定年後も再雇用で70歳まで協会に在籍できる参与から構成される。理事長以外の理事は各部署の部長を担い、3人の副理事は副部長職などに就く。理事会に出席できるのは役員待遇委員以上。横綱、大関経験者は委員待遇から始まるため、元横綱の「平年寄」降格は極めて異例。年寄は館内警備などの仕事が主で、花形部署の審判部で勝負審判を務めることは原則としてできない。

それで、私が非常に興味深く思うのが、このような部分です。NHKの記事から引用します。


さらに暴行を受けた後輩力士の被害感情が非常に強いことに加え、他の所属力士らの多くが、北青鵬に反省の態度が認められず、宮城野部屋に残ることになれば、暴行を繰り返すおそれがあり、部屋への復帰は受け入れられないという姿勢を示したということです。

北青鵬は調査に対して「深く反省し、二度と繰り返さない」と誓約するとともに、「許されるならば今後も相撲を取りたい」と希望したということですが、コンプライアンス委員会は「このような反省や誓約は遅きに失したというべきで、酌むべき事情とは言いがたく、相撲協会の協会員として残すという選択肢はないといわざるを得ない」と結論づけました。

2番目の引用にもあるように、宮城野と間垣の両親方(以下「親方」などの肩書は略)は、北青鵬に注意はしていたわけで(それが十分なのかどうかはここでは議論しないとして)、それでも北青鵬が直らず、所属力士らが大要「また繰り返す」という趣旨のことを訴えているというのは、かなり重大なものを感じます。つまり彼は、それを自分でやめることができなかったわけです。

おまけに、まだ相撲を取り続けたいと訴えているにいたっては、事態の重大さをぜんぜん認識していないと酷評されてもしょうがないでしょう。で、私が思い出したのが、昨年末に話題になった件です。東北楽天ゴールデンイーグルスの投手だった安樂智大の件です。報じられているところによると、Wikipediaから引用させていただければ、

2023年11月25日の朝に複数のメディアが安樂のパワーハラスメント加害疑惑を報じた。報道された内容は以下のとおり。

「アホ」「バカ」など、日常的な後輩選手への暴言や人格否定 後輩選手を食事へ誘う際、1か月先の予定を聞いて何度も参加を強要する行為 食事会の参加を断る回数が多い選手には態度を豹変させ、断った日の深夜に執拗に電話をかける・翌日にあいさつを無視する・「罰金」と称して金銭を強要するなどの行為 球場のロッカールームにて、若手選手を逆立ちさせて身動きが取れない状態にし、ズボンとパンツを脱がせ、露出した陰部に靴下を被せて笑いものにする行為 2021年の春季キャンプ中に選手(報道時点で楽天を退団済み)の頭部を平手でたたいた暴力行為

2023年オフの契約更改交渉の席などで、複数の選手からの告発により実態が表面化。外部の人間が入れないロッカールーム内での行為も多く、表面化することはなかったが、周囲が注意しても安樂は「そんなことはしていない」「あいつだって悪い」などと聞く耳を持たなかったという。

ということになったわけです(注釈の番号は削除)。

安樂の場合、済美高等学校時代の師匠(監督)である上甲正典監督が、昔ながらのパワハラ指導も多い人物だった(故人)という指摘もありますが、さすがにプロ生活も長いのだから、こんな事態ではどうしようもないでしょう。ロッカールームでの件なんて、強要罪ほかで警察に通報されたって仕方ないレベルの暴挙じゃないですか。そもそも北青鵬も安樂も、ほかの力士や選手より、金銭的には余裕もあるはず。そういう連中が窃盗をしたり、あるいは恐喝めいたことまでしているのだから、てめえらどんだけクズなんだと非難されて当然です。安樂の場合、監督やコーチ、球団幹部らからの注意はなかったようですが、それだって彼の先輩らによる注意はあったわけです。それらが十分かどうかについては、議論しないこととします。

で、安樂もそうかもしれませんが、北青鵬については、高校時代から金銭的な不祥事もあったようですし、どうも素行不良なところがだいぶ見られたようですね。こういう連中は、こういった不祥事をすることに依存しているのではないですかね。世の中「いじめ」という言葉は、事態の深刻さを隠すところがあるので妥当でないと思いますが、暴力や虐待などは、明らかに精神依存があります。児童虐待にもそのようなところがある。依存すると、これはむりやり暴虐対象を引き離すとか、そういった物理的な措置を必要とする場合があります。しかし相撲部屋とかシーズン中の野球選手ではそういったことすらも難しい。なにしろ注意したって直さなかったり居直ったりして反省しないのだからお話にもならない。けっきょく解雇(北青鵬にかんしては、情けで「引退届」を受理していますが、実質解雇です)とか契約を更新しないなどの強硬措置を取るしかないわけです。馬鹿は死ななければ直らないというレベルの馬鹿ぶりと非常識さです。こういう最低の常識もない野郎というのは、本当にどうしようもないですね。まさに私が以前記事にした

社会常識、道理、正論、合理的解釈、法令順守、他人に迷惑をかけない、こういったことが通用しないと本当に迷惑だしどうしようもない(2)

というものでしょう。注意されて直らない、解雇や逮捕されてようやく事態が終わりをつげるというのでは、周囲も大迷惑だし、ご当人らの将来も閉ざされます。ご当人らは不徳のいたすところですが、周囲の迷惑が半端でない。こういったクズ連中にどうやって対応すればいいのかわかりません。とくに北青鵬については、師匠の注意すらもあまり効かなかったようですからね。モンゴル人の相撲取りにとって、白鴎(宮城野)なんて神にも等しいと思いますが、それでもこの始末です。そもそも相撲取りなんかにさせるべきでなかったのでしょうが、ともかくあまりに無様で無残な結末に絶句します。

これからもこのブログは、(元)アスリートの不祥事について注目していきたいと思います。


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