最近もっぱらフランス語ばかり読んでいて、英語の文章を読む機会がないのですが、おかげさまでだいぶフランス語ができるようになったと思います。え、お前いままでさんざんフランス語の文章を翻訳していたじゃんと思われるかもしれませんが、やはり勉強する余地がたくさんあるわけで、勉強すればそれなりに読解力が上がるわけです。いまは、「異邦人」を読んでいる関係で、アルジェリア関係の文章を読んでいます。いろいろ読むネタはありますが、いまはネットでいろいろな文章が入手できるので、外国語を勉強するにはいいご時勢です。
さて、最近経済学者の宇沢弘文氏が亡くなりました。氏は、実は大学では数学を専攻していまして、大学院で経済学を専攻しているわけでもなく、Wikipediaによれば
>スタンフォード大学のケネス・アロー教授に送った論文が認められ、1956年に研究助手として渡米し、スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校で教育研究活動を行い、1964年シカゴ大学経済学部教授に36歳で就任した。専門的な論文として、最適成長論や二部門成長論などによって名声を博した。
という異色の経歴の経済学者です。
旧制から新制の学制の過渡期、移行期に大学に通っていたことや、ちょうど大学に入学する直前に敗戦を経験したこと(氏は1928年生まれ)などが、数学にも才能のあった氏があえて経済学者になることを選んだ理由なのでしょう。
そういえば、同じく故人ですが、小室直樹氏などという方も、数学がたいへん出来る人で、大学(京都大学)は理学部数学科、大学院(大阪大学)は経済、あらためて入りなおした東京大学大学院で法学博士を取得したという経歴があります。ほかにも社会学などいろいろな学問を修めています。彼も1932年生まれですから、その近辺の生まれの人などは、そのような特異な経歴の持ち主もいるということなのかもしれません。世間的には、ロッキード裁判の際に珍論を披露した人物というイメージが強いでしょうが。
小室氏の話はともかくとして、宇沢氏は、70歳になった1998年から、たぶん自分の人生のひとつの軌跡をつくるためなのでしょう、岩波書店から、初心者向けの数学の入門書を執筆されました。ひとつが、「算数から数学へ」で、もうひとつが、今日とりあげる「好きになる数学入門」です。
第6巻には、次のような紹介文があります。
>積分の考え方と計算法を身につけ,さまざまな図形の面積や回転体の表面積・体積を求めます.大数学者オイラーの一生も紹介します.そして,いよいよ本シリーズのクライマックスに向かいます.これまで勉強してきたことを総動員して,ケプラーの法則からニュートンの万有引力の法則を導くのです.ぜひ挑戦してみてください.
うーん、なかなか面白そうじゃないですか。フランス語と数学の勉強をしていれば、一生退屈しないで済みます。
前にミャンマーに移住するなんて話を書きましたが、ミャンマーに行く前に、チュニジアあたりでフランス語の勉強をしようか(欧州やカナダで勉強するより金がかからなそうです)とかも考えます。それで現地に数学の教科書を持っていけば、それはそれで面白そうです。
で、私もこの本でいま数学の復習をしているのですが、いつ終わるのか見当もつきません。楽しいことは時間をかけてやる方がいいのでしょうか。もちろんこの本を最後までやったら、次なる数学の本を(もしまだ興味があれば)やればいいわけです。
それにしても、最近は数学に限らずいろいろなわかりやすい参考書もたくさんでいているし、ネットにも勉強するネタがたくさんあるので助かります。たとえばフランス語のこのサイトなどは、非常に役に立ちます。
日本人学習者が苦手な中性代名詞enの説明などはとても懇切丁寧です。考えてみればまさにこれがネットの強みでして、商業出版の文法書では紙幅の都合で詳しい説明をし切れないところが多々出てきますが、ネットでしたら事実上書きたいだけ書けるわけで、非常に思い切ったわかりやすい説明が可能になるわけです。
というわけで、数学については勉強の成果をこのブログで披露することもないでしょうが、フランス語についてはいろいろなテクスト(映画関係、もっぱら女優関係が主になるでしょう)を翻訳して読者の皆さまに提起したいと思いますので、楽しみにしてください。