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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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まあ時代の流れでしょうけどね・・・

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映画と旅のブログを称しているくせに、旅はともかく映画の記事が続くことのないブログですが(もっとも、女優関係の記事は映画のカテゴリーでもあるし、「美女探求」は、映画女優を特集することも多いのですが)、めずらしく2回続けての記事を。もっとも高倉健の訃報と同じく、今回も書いていてうれしい記事ではありません。

>ヨーロッパ映画の老舗配給会社(株)フランス映画社が破産
東京商工リサーチ 2014/11/19 10:47

「旅芸人の記録」、「ベルリン・天使の詩」など配給、ミニシアター系の老舗

 ヨーロッパ映画を中心に数々の名作を配給してきた(株)フランス映画社(TSR企業コード:291942717、中央区)が11月12日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
 負債総額は債権者13名に対し約3800万円。
 フランスなどヨーロッパで制作された映画の配給業者。これまでに「ベルリン・天使の詩」「勝手にしやがれ」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「旅芸人の記録」「ミツバチのささやき」などの作品を国内のミニシアター中心に配給してきた。 しかし、映画ファンの嗜好の変化などによる上映機会の減少で売上が伸び悩んで資金繰りが悪化、近年では家賃滞納などで裁判を抱えて苦境に立たされていた。
 その後も経営環境が良好に転じることはなく、業績回復の見通しが立たないため、26年8月末に事業を停止していた。

フランス映画社が破産 「勝手にしやがれ」配給
 フランスなど欧州で製作された映画の老舗配給会社、フランス映画社(東京)が東京地裁から破産手続きの開始決定を受けていたことが19日、分かった。負債総額は約3800万円。

 1968年に設立。「ベルリン・天使の詩」「勝手にしやがれ」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」など往年の名作を国内のミニシアターを中心に配給してきた。

 映画文化の重要な一角を担い、年商3億円超の時期もあった。大島渚監督らの国内映画の海外輸出も手掛けた。

 しかし近年は映画ファンがハリウッド大作や国内の娯楽映画に傾斜し、苦戦を強いられていた。ことし8月末から事業を停止していたという。

2014/11/19 13:27   【共同通信】

海外映画「BOWシリーズ」配給のフランス映画社が破産
帝国データバンク 11月19日(水)11時9分配信


. (株)フランス映画社(TDB企業コード:983886688、資本金1000万円、中央区築地4-4-8、代表柴田駿氏)は、11月7日に東京地裁へ自己破産を申請し、12日に破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は玉城光博弁護士(港区虎ノ門4-3-13、ビンガム・坂井・三村・相澤法律事務所外国法共同事業、電話03-6721-3111)。債権届け出期間は12月10日までで、財産状況報告集会期日は2015年2月6日午前11時。

 当社は、1968年(昭和43年)2月に設立された映画配給業者。当初は大島渚監督を始めとした国内作品の海外輸出を手がけていたほか、フランスを中心として、イタリア、アメリカ、ギリシャなど海外各国の映画を紹介する「BOWシリーズ」を展開し、日本未公開の古典など隠れた傑作を発表していた。また、ミニシアター形式の興行も手がけるなど、海外映画の普及に注力。配給を手がけた主な映画としては『戯夢人生』『ピアノ・レッスン』等があり、かつては7億円前後の年売上高を計上していた。

 しかし、ハリウッド映画の隆盛などから近年の配給は減少傾向で推移していたほか、消費者の映画離れやヒット作に恵まれなかったこともあり業績が低迷。近年の年売上高は1億円程度にダウンするなか、事業規模の縮小を余儀なくされ、2014年8月末には実質的に営業を停止していた。

 負債は債権者約13名に対し約3800万円。
.最終更新:11月19日(水)11時9分

すみません、記事を3つもはりつけてしまいました。

フランス映画社破産ですか。別に経営状態が悪いらしいなんて情報を特に聞いていたわけでもありませんが、倒産したという話を聞いても全然驚きとかを感じない自分のことを「どうもなあ」と思わないでもありません。

このブログのアクセス数アップに大きく寄与している映画「愛のコリーダ」も、フランス側との合作調整をこの会社が務めています。つまり、有名なプロデューサーであるアナトール・ドーマン大島渚に映画を作らないかと打診して、ドーマンが経営する映画プロダクションの「アルゴス・フィルム」と日本側の大島渚プロダクションが共同で映画を製作することとなり、その橋渡しその他を「フランス映画社」が担当したわけです。

引用した記事にもあるように、大島の映画を積極的に海外に紹介しようとしたのもフランス映画社だし、その後大島が国際的にも知名度の高い映画監督となった背景には、フランス映画社、実際には記事にもある柴田駿と亡くなった奥さんの川喜多和子(別に説明する必要もないでしょうが、川喜多長政東宝東和の創業者)と川喜多かしこの娘。元伊丹十三夫人)の尽力によるところが大きいわけです。

ただいまの時代、たとえばザジフィルムズのようにフランス映画社と作品がかぶりそうな映画をあつかういろいろな配給会社ができたし、また記事にもあるように、ゴダールとかの映画に映画好きの学生が夢中になる時代でもないしね。なかなか構造的に業績回復が見込めなかったんでしょうね。大島も、「戦場のメリークリスマス」の製作では、やはりフランス映画社の規模の会社が出る幕でない存在になりました。世の中そんなもんだとは思いつつも、これもやはりどこか哀しいところはあります。こちら

>和子さんが急逝された前後から、ミニシアター・ブームの余波で買い付け価格が高騰し、ゴダールを含め、本来ならば、フランス映画社が配給すべきアート系の映画が湯水のごとく公開されたが、やがてバブルが終わると同時にブームも終息してしまった。
 
最近ではフランス映画社の配給作品もめっきり少なくなり、いささかさびしかったが、今年は、ベルギーのアベル&ゴードンの『ルンバ!』と『アイスバーグ!』、百二歳になるポルトガルの巨匠マノエル・デ・オリヴェイラの『ブロンド少女は過激に美しく』、それに『ゴダール・ソシアリスム』と公開ラッシュで、完全復活した感があり、嬉しい限りである。

(中略)

ミニシアター・ブームの先鞭をつけたフランス映画社の歴史をきちんと纏めるべき時期が来ているような気がする。

とあります。これは、2010年執筆の記事です。

最近渋谷あたりのミニシアターもけっこう廃業しているし(最近はそうでもありませんが、ひところ映画といえば渋谷でほとんど見ていた時代もあるので、個人的にはかなりうれしくない気分でいます)、ミニシアター系の映画の興行が、箱物という点から配給という点にいたるまで、いろいろ難しい状況にあるのかなと思います。巨人軍よりはミニシアター系の映画は不滅でしょうが、はたしてどんなもんですかね。

あ、私はこれからもミニシアター系の映画をいろいろ見ていきたいと思います。よろしくおねがいします。


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